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発達凸凹の特徴について【脳の成長から考える】

投稿日:2022年10月23日 更新日:

発達凸凹とは、ASDやADHDやLDなど、その子の能力や特徴に偏りが見られる人たちのことを指します。

 

関連記事:「発達障害の3つのグループについて【療育経験を通して考える】

 

このように発達凸凹が見られる、いわゆる発達障害の子どもたちは、成長しても特性・特徴は残り続けると言われています。

一方で、成長と伴に特性・特徴が目立たなくなったり、むしろ強みとして特性を発揮している人たちもいます。

 

それでは、発達凸凹の子どもたちの脳は一般的にどのように成長すると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達凸凹の特徴について、脳の成長といった観点から考えを深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「杉山登志郎・白柳直子(2021)教えて 発達障害・発達凸凹のこと.IAP出版.」です。

 

 

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発達凸凹の特徴について【脳の成長から考える】

以下、著書を引用しながら見ていきます。

小学校の中学年頃になって脳が発達してくると、いままで難しかったことも短時間でできるようになりますから、日常的な生活の問題は激減します。

 

小学校中学年、10歳くらいの脳で何が起こるかというと、神経どうしの情報のやり取りが速くなります。

 

著書の内容では、小学校中学年頃、つまり、10歳頃になると、脳の成長による神経細胞のやり取りが速くなることから、これまで生活の中で見られていた問題行動や困り感は激減すると記載されています。

生活の中の問題の激減とは、発達凸凹を対象とした内容から、例えば、多動・衝動性の減少や、計画を立てて物事を進めること、注意の維持、周囲の状況を読み取り理解する能力などの向上が該当するかと思います。

もちろん、こうした内容は、個人要因としては、特性の強さや知的レベルなども影響してくるため、個人差が大きいことが予測されます。

また、環境要因として、家庭環境や学校環境の影響も個人差に多きく影響してくることが考えられます。

こうした中で、脳の成長・発達という視点の理解はとても重要になります。

つまり、定型児との違いに対して、何とか追いつこうと対応するというよりも、発達凸凹があると定型児と比べて成長・発達がゆっくりではあるが、脳の成熟によりこれまでの困難さが軽減される点が多くあるとった視点の理解です。

こうした視点は、早期に周囲に合わせるための対応・関わりよりも、本人の特性に応じた個別の理解・対応に繋がっていくため、自己肯定感を高める関わりや、二次障害の予防にも効果があります。

 

このように、発達凸凹の子どもたちは、脳の成長・発達に伴い、定型児からは遅れながらも、小学生の中学年以降に自然とできるようになることが増えていきます。

一方で、注意すべきこともあります。

 

ここで再び著書を引用します。

ただお勉強に関しては、状況によってやれたり・やれなかったりするものだから、無理をさせないとか、どんな状況を作ればやりやすいといった配慮は早くからある方が良いでしょう。逆に言うと、配慮すべきはそこだけです。

 

著書の内容では、勉強面に関しては、できる点・そうでない点があるため、無理をしなくてもできる早期の配慮が必要だと記載されています。

勉強面の遅れは、発達凸凹の子どもたちによく見られる困り感の一つです。

中でも、学習障害は、勉強の苦手さに直結する大きな要因となるため、勉強からくる困り感が持続しないように、早期の配慮・対応が必要になります。

このように、脳の発達に伴い、困り感が激減するものもあれば、そうでない内容もあるということです。

どちらにせよ、その子が無理せず、楽しく生活するための、対応・配慮をしていくことは大切だということです。

○○歳までに○○ができる、とった一般的な発達論から外れた理解が発達凸凹の子どもたちにはより重要になります。

 

 


以上、発達凸凹の特徴について【脳の成長から考える】について見てきました。

著者が勤める放課後等デイサービスにも、発達凸凹の子どもたちは多くいます。

彼らを長年見てきて感じることは、脳の発達・成長に伴い、これまでできなかったことが急激にできるようになったと思うことが多くあることです。

以前は、何であんなに忘れ物が多かったのか?注意が散漫になっていたのか?人の話が入ってこなかったのか?少しの変更でパニックになっていたのか?特定のものごとに強いこだわりをみせていたのか?と、現在の様子を見ていて不思議に思うことがあります。

もちろん、こうした変化は、脳の成長もあるにせよ、様々な環境での学習が基盤となっていることには間違いありません。

その中で大切なことは、著書にあったように無理をせずに、その子に合った対応・配慮を継続していくことだと思います。

子どもがどのように成長するのかは誰にも予測できません。

しかし、子どもたちが豊かな成長や発達を遂げていくために必要なことはたくさんあります。

豊かな成長・発達を子どもたち一人ひとりが歩んでいけるように、今後も、未熟ながらも、その材料を集め、現場での実践を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

杉山登志郎・白柳直子(2021)教えて 発達障害・発達凸凹のこと.IAP出版.

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