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発達障害児の学校選びで大切なこと【通級・支援級・支援学校どれが良いか?】

投稿日:2022年10月13日 更新日:

発達障害を抱える保護者の悩みで多いのは学校選びです。

特に、障害の程度が、軽度に知的の遅れがある、あるいはグレーゾーンといった子どもたちは、学校の選択が難しいことが考えられます。

それは、通常級でもやっていけそうだが、なんとなく不安である、支援級か特別支援学校で迷っているなどが例としてあるかと思います。

もちろん、最終的な意思決定は本人と保護者の方に委ねられています。

 

それでは、こうした発達障害児の学校選びにおいて、一体どのようなことが大切となるのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児の学校選びで大切なことを、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながらお伝えしていきます。

 

 

今回参照する資料は「本田秀夫(2022)学校の中の発達障害:「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち.SB新書.」です。

 

 

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発達障害児の学校選びについて【通級・支援級・支援学校どれが良いか?】

以下、著書を引用しながら見ていきます。

私は、発達障害の子は「小学1年生の4月」から特別支援教育を利用したほうがよいと考えています。

 

著書の内容から、発達障害児においては、小学校入学の時点から特別支援教育を受けることを進めています。

また、通級か支援級か特別支援学校の選定以上に、特別な支援を受けられるかどうかが重要だとも指摘されています。

学校によって取り組みの様子や校風(クラスの雰囲気など)も異なりますので、見学などをしてじっくりその子に合った学校を考えていくことが重要です。

 

 

それでは、発達障害児がなぜ小学校入学時から特別支援教育を受けた方が良いのでしょうか?

その理由としては、以下2つです(著書引用)。

子どもに一度失敗させてから環境を調整する方法では、「子どもの自己肯定感を損なう」ということがあります。

 

「特別な場の調整は簡単ではない」ということです。

 

著書では、こうして未然に予防策(できるだけ失敗しない環境、配慮をしっかりと受けられる環境など)を取っておくことが重要だと指摘しています。

やってはいけない対応としては、最初にハードルを上げて、うまくいかなかったら下げるというものです。

この過程において、子どもは大きく心に傷を負います。自己肯定感の低下による意欲の低下や、ASDの中には記憶力が優れた子もいるため、嫌な体験が残り続けるケースもあります。

また、一度、通常級として所属した後、その学級が合っていなかった場合など、すぐに環境を変えることもまた難しい場合もあります。

そのため、うまくいかない環境で他の環境への移動が行われるまで待機するなど調整は簡単ではないとされています。

 

著書では、このように事前に低くハードルを設定しておくことを、保険をかけておくと表現しています。

つまり、低いハードルの中で、支援や配慮を多く受けることで、その後の選択の余地が多くなるということです。

逆に、最初に高いハードルを設定してしまうと、うまくいかなかった時に、選択肢が狭まるばかりでなく、本人の自信の低下にも繋がってしまいます。

 

 


それでは、最後に上記を踏まえた上で著者の体験談についてお伝えします。

 

著者の体験談

著者の周囲には発達障害を抱える成人の方々も多くおります。

その中でよく聞くのが、学校が本人に合わずに辛い体験が多かったというものです。

もちろん、当時は特別支援教育なども進んでいなかったため、今とは違う点も多いかと思います。

しかし、学校が本人に合っていなかったため、本人を支える自信の喪失や意欲の低下などにより、その後の人生にマイナスに影響したケースが思いの他多いということです。

学校の困り感も様々であり、例えば、先生やクラス集団から理解されていなかった、勉強や運動についていけなかったなどがあります。

その一方で、先生やクラス集団から理解を受けてきた方は、学校への印象がポジティブに働いている場合が多く、そして、自己肯定感も高い印象があります。

こうした周囲の声を聞いていて感じることは、参考資料にもありましたが、高いハードルをその人に設定しないこと、個別の理解と配慮が受けられる環境設定がともて大切だということです。そして、こうした対応を早期から実施することです。

 

 


以上、発達障害児の学校選びについて【通級・支援級・支援学校どれが良いか?】について見てきました。

昔と比べると特別支援教育の進歩や大人の発達障害の方の社会的な認知などにより、生きやすくなった点も多くあると思います。

一方で、日本においてはいまだに一般化・標準化思考が強いため、その中で、マイノリティとされる発達障害の人たちの生きにくさは残っています。

学校という場が、発達障害の人たちにとっても、さらに生きやすいものとなる必要があります。

私自身、まだまだ未熟ですが、療育現場から発達障害の子どもたちが少しでもその後の人生がプラスに働くような支援を目指していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

関連記事:「発達障害児の学校での困り感と対応【標準の枠を広げることの重要性】

 

本田秀夫(2022)学校の中の発達障害:「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち.SB新書.

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