発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

ディスレクシア 学習障害 得意分野

ディスレクシア‐得意なこと‐

投稿日:2022年3月3日 更新日:

ディスレクシアとは、知能は正常にも関わらず、読み書きに障害のある人たちのことを言います。

ディスレクシアについての詳細は、「ディスレクシアとは何か?:読み書きに困難のある人たちについて考える」を参照して頂ければと思います。

 

読み書きに障害があると、学習場面だけではなく、日常生活や社会生活に至るまで様々な困難があることが予測できます。こうした障害という部分に目を向けるとすべて否定的な捉え方になってしまいますが、その一方で、ディスレクシアの人たちには得意なものもあると言われています。

 

 

今回はディスレクシアの得意な所に焦点を当ててその内容についてお伝えしていこうと思います。そして、ディスレクシア傾向のある私が得意だと感じる点についても述べていきたいと思います。

もちろん個人差がありますので、人によって該当するものとそうでないものがあるかと思います。

 

 

今回参照する資料として、「藤堂栄子(2009)ディスレクシアでも大丈夫!読み書きの困難とステキな可能性.ぶどう社.」を参照していきます。

 

 

スポンサーリンク

ディスレクシアの得意なこと

それではディスレクシアの得意なことにはどのようなものがあるのでしょうか?

ディスレクシアの得意なこと

①雑学博士、②オタク、③地獄耳、④好奇心が強い、⑤身体能力、⑥演技力、⑦工夫する力、⑧発明する力、⑨空間認知、⑩音楽的センス、⑪自然と共存、⑫営業力、⑬想像力、⑭想像力

 

 

著者のコメント

私自身、ディスレクシア傾向があるため、上記の中でおそらく該当していると実感するものがいくつかあります。

それは、④好奇心が強い、と、⑦工夫する力です。

好奇心の強さは、どちらかというと、小・中・高校を卒業した後に強く実感するようになりました。小~高校においては、そもそも読むことが中心であるため、何かを知ることの喜びを実感する以上に、とにかく読めるようにということに神経がとられていました。好奇心を発揮する以前の段階で躓いていたという感じです。

高校を卒業した後、大学に行くのですが、そこで周囲に遅れながらもある程度読み書きのスキルの基礎はできていたので、自分が学びたいことを独学でスタートしました。

それが心理学でした。この領域を勉強することで今の自分の苦手さや生きづらさの正体の理由がわかったと思います。好奇心を見失うことなく、継続して物事を学び続けた結果だと思います。

工夫する力は、ディスレクシア傾向がある自分は工夫せずには生きることが難しかったため、自然と見のついたのだと思います。

本の読み方や理解の仕方は学校の勉強で身に着けたというよりかは、学校の勉強の仕方を一度離れ、独学することで身に付いたのだと思います。

こうして独学を継続することで伸ばすことができた能力や自信は多くあると思っています。

以上が、ディスレクシア傾向のある私が強みと感じるものになります。

もちろんこうした能力は個人差があります。また、どのような学び方を本人がとってきたかによっても得意なことのとがり方は異なると思います。

引用著書の中で印象できだったものに、「LD(学習障害)は、学びに障害があるのではなく、学び方が違うのだ」との記載がありました。

私もディスレクシアをはじめとした学習障害をマイナスで見るのではなく、プラスの側面で見ることで、その後の学習方法や得意とするもの、才能などの萌芽が開花するのだと思います。

 

あわせて読んで頂きたい記事として「ディスレクシアの4つの強みについて」があります。

 


こうして障害というものを異なる角度から見る人たちが増え、そうした特性のある人たちへの配慮やより良い学び方・学ぶ環境などがさらに発展していくことを期待したいと思います。

私自身、LD傾向があるため、学習においては人一倍苦労してきました。しかし、そうした苦労や試行錯誤の中から得たものは膨大にあると実感しています。

今後も現場を通して、より良い発達理解と発達支援ができるように日々の実践を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

藤堂栄子(2009)ディスレクシアでも大丈夫!読み書きの困難とステキな可能性.ぶどう社.

スポンサーリンク

-ディスレクシア, 学習障害, 得意分野

執筆者:


  1. ゆう より:

    はじめまして。
    ディスレクシアの困難さがあって、こちらのブログにたどり着きました
    身近に話しが聞けるところが無く、大変困っています
    NPOに所属させているという事ですが、
    どちらかお教えいただくことは可能でしょうか
    一度でもいいので、お話しを聞いてみたいです

    • matsu より:

      はじめまして。
      ブログを読んで頂きありがとうございます。
      また、返信が遅くなり申し訳ありません。
      そうですね、私が所属しているNPO法人はディスレクシアが専門ではないので、法人でのやり取りは難しいかと思いますが(法人の許可も必要になりますし)、このブログ内を通したメールのやり取りであれば可能です。
      また、診断や相談など専門的な助言をいただきたいのであれば、各都道府県に設置されている発達支援センターに相談されて見てはいかがでしょうか。

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

発達障害という概念を知ることの大切さ:学習障害を例に考える

自閉症、ADHD、学習障害、発達性協調運動障害などのことを発達障害と言います。 自閉症は対人関係やコミュニケーションに困難さを有するもので、ADHDは不注意・多動性・衝動性などを主な特徴としています。 …

読み書き障害(ディスレクシア)について:年齢別にみる具体的な特徴

読み書き障害とは、学習障害の中の「読む」「書く」という特定の能力の障害です。 英語では、ディスレクシア(dyslexia)といいます。「読み」の障害あれば「書き」の障害も見られることが一般的な特徴です …

【ワーキングメモリを支援する方法について】ディスレクシアを例に考える

〝ワーキングメモリ(working memory)″とは、情報を記憶し、処理する能力のことを言います。〝脳のメモ帳″とも言われています。 ワーキングメモリの機能として、〝言語性ワーキングメモリ(言語的 …

知的障害・境界知能・学習障害への理解と対応の違いについて

全般的な発達の遅れや、特定の学習の領域に困難さを抱える人たちが多くいると言われています。 また、顕著な遅れはないが、少しの遅れや違いが大きな困難さに繋がるケースもあります。 これらの人たちの中には、知 …

ディスレクシアとは何か?:読み書きに困難のある人たちについて考える

知能は正常なのに読み書きが苦手な人たちがいます。 聞いたり話したりする上では特に問題がないため、学校の勉強などで怠けている、努力不足などと思われる場合もあります。 こうした読み書きといった部分に困難さ …