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チームで支援することの難しさについて発達支援の現場から考える

投稿日:2020年8月14日 更新日:

発達支援の現場において、発達につまずきのある人たちを支えることは一人では難しく、多くの人が関わることが様々な場面において大切になってきます。

私がこれまで関わってきた療育現場(発達支援の現場)においても、一人で個別に対応するよりも様々な職員が一つのチームとして関わることが多かったです。

チームで支援するということは時に大きな力となりますが、お互いの歯車がかみ合わないとうまく機能しないことも出てきます。

 

そこで、今回は、発達支援の現場において、チームで支援することの難しさについてお伝えしていこうと思います。

 

 

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大きく以下の4つの観点からお伝えします。

①お互いの価値観が合わない

これに関しては、仕事上何とか解消したいものですが、どうしてもかみ合わないことがあります。

私の経験でも価値観の違いはこれまで多くありました。こうした違いを共有せずに、ある価値観や考え方のみに依存してしまうと、時間が経つごとにお互いのすれ違いが大きくなってしまうように感じます。

しかし、異なる価値観があるということは様々な考えが出てくるためには大切ですので、お互いに尊重できる、意見を出し合える環境ができれば力に変換できると思います。

②コミュニケーションがうまく取れていない

子どもたちの理解や支援において、一人ひとり色々な意見や疑問があるかと思いますが、コミュニケーションがうまく取れていないと、疑問を一人で抱え込んだり、相談してもいつも同じような返答が返ってくるなど、発展性のない議論で終わってしまうということがあります。

対人支援の現場では、多くの人たちとコミュニケーションをとることがあるため、普段から雑談など色々とお互いの気持ちや考えを伝えることを意識的にとる必要があります。

③目標や方向性が明確になっていない

人は何か目標がないと走り続けることは難しいものです。それはチームにおいても同じです。

チームがどこを目指すのかが明確になっていないと、意見や考えをいくら出し合っても食い違いが生じます。

目標は常に暫定的で良いと思います。方向性が見えることで、一人ひとりの意見や考えがどのような意味を持つのかもよりはっきりしてくると思います。

④業務の負担が個々人で偏りがある

これは経験値や能力、得意不得意などがあるため、偏って当然なのかもしれません。

重要なのはある特定の人に業務が集中しないように環境を整えることです。特に対人支援の仕事は心理的なストレスも多くあります。目に見えない心理的な面でも特定に人にストレスが偏らないようすることが大切です。

強制的に自分の仕事量が増えていると感じてしまう状況は好ましいものではありませんが、そうした中でも、自発性や、やりがい、自分が成長できたと実感できる部分が出てくると自信に繋がると思います。

 

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以上、チームで支援することの難しさをいくつかあげました。

こうした難しさは裏を返すと、上記の内容がうまく行きだすと、チームとしてうまく機能することが多くなると言えます。

対人支援の仕事はチームでの仕事が多いため、上記の内容をうまく機能させることがとても大切になります。

つまり、互いの価値観を尊重する、一方的な伝えではなく双方的なコミュニケーションを大切にする、チームとしての目標を明確にする、業務の負担の偏りなどはないかなど心理面も含め議論する、こうした内容の検討がとても大切です。

私の経験上、チームがうまく機能していたときなどは、上記の内容がうまく機能していた時だと実感することがよくあります。

こうした内容は日々の積み重ねがとても大切ですので、短い期間で解消・解決できることは少ないように思います。

大切なことは、できることから着手することと、それを継続することです。

私自身、今後も、チームで支援することの難しさをしっかりと認識していく中で、チーム支援の大切さも同時に考え、実行していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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