現場で発達につまずきのある人たちと関わっていると、様々な気づきを得られることがあります。
そして、現場での経験値が増えてくると、経験から次の行動のヒントになることや新たな問いや疑問点なども多く出てきます。
そうした経験を理論や知識から考えるということも人の理解を深める上では非常に大切であり、面白いことだと思います。
今回は、療育現場に理論や知識を取り入れることの面白さについてお伝えしていこうと思います。
その際に、以下の3点に焦点を当てて話していきます。
①知識のネットワークをつくる面白さ
新しい知識との出会いはとても刺激的です!
私は現場での経験をもとに興味のあるテーマを考え、そこから情報収集をするようにしています。この学び方が最も吸収率が早く楽しく学べると経験的にも言えるかと思います。
情報収集の方法は、書籍や論文などが主です。昔は、アマゾンで大量の書籍を購入するのが楽しみでした!
中には、自分が追い求めていた知識と出会う場合もありますが、そうでないものもあります。また、後々、意味がでてくる場合もあります。
大切なことは学ぼうとする自発性と、その中での試行錯誤だと思います。
そうしたことを繰り返していくことで、少しずつある知識とある知識が繋がり、ネットワーク化されていきます。
知識はネットワーク化されないと思考の道具として使うことが難しいと思います。
また、理論に関しては体系だって学べる利点がありますが、自分のものにするには時間がかかるという難しさもあるかと思います。
私自身、体系だった理論を学びながらも、使えそうな知識などは自分の中で関連付けるように心がけてもいます。
知識のネットワーク化が進んでいくことで、物事の繋がりが見えてくるため、非常に学びが深いものになっていくという実感があり、とても面白いです!
②問いや仮説を立てる面白さ
問いや仮説を立てることはとても大切であり、練習次第では楽しい作業でもあります。
問いや仮説を立てるということは、それまでの前提を疑ったり、ある考え方に対して別の角度から物事を見ようとする行為でもあるため、繰り返すことで、視野が広がっていくという楽しさがあります!
また、問いや仮説への自分なりの答えは常に暫定的な答えになるため、思考のループを回し続けることが重要になってくると思います。
思考のループを回し続けることで、A→Bというシンプルな回路ができるだけでなく、A→B→CやA→?→Cというように、様々なパターンが考えられるようになっていきます。
③メタ的に考える面白さ
最後に、メタ的に考えるということですが、経験談ではある種、主観性が非常に入り込んでいる点も多いかと思います。
そのため、そうした主観性を少し俯瞰してみた時に、何が言えるのかという観点があると、経験談が非常に意味をもってくるという実感が増すと思います。
俯瞰してみるポイントとして、今回のテーマでもある、理論や知識を学ぶということです。
こうして、主観と客観を行き来することでメタ的な思考が強化され、メタ的に考える面白さが実感できてくるように思います。
例えば、自閉症児との関わりでコミュニケーションの難しさを体験的に感じた。それを、理論や知識から考えてみるという感じです。
こうした主観と客観は簡単には繋がりが見えない場合もありますが、私の経験上、前述した①と②を継続することで、少しずつ繋がりが見えてくると思います。
以上が、療育現場に理論や知識を取り入れることの面白さについて、私が継続的に行い、感じていることです。
自分の体験から深い意味や新たな問いを見出すことはとても楽しいものです。
それは、療育現場に限った話ではなく様々な場面で言えることかと思います。
なにより、療育現場では、その視点や発想のおかげで、課題解決への道筋が見えてきた、相手の理解に繋がった、頭が整理された、気持ちが楽になったなどの利点があります。
私自身、まだまだ学びの過程ではありますが、今後も療育現場において、新しい発見や気づきができるように、理論や知識からの学びを大切にしていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。