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【発達障害児が抱える睡眠障害(睡眠の問題)】6つの背景要因を通して考える

投稿日:2025年5月9日 更新日:

 

自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の子どもには、〝睡眠障害(睡眠の問題)″を抱えやすいことが指摘されています。

一方で、〝睡眠の問題″と言っても、背景となる要因には様々なものがあると考えられています。

 

それでは、発達障害児が抱える睡眠の問題にはどのような背景要因があると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児が抱える睡眠障害(睡眠の問題)について、6つの背景要因を通して理解を深めていきたいと思います。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

今回参照する資料は「てんねんDr.(2025)子どもの発達障害がよくわかる本 これ1冊で理解もサポートも!SB Creative.」です。

 

 

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【発達障害児が抱える睡眠障害(睡眠の問題)】6つの背景要因を通して考える

著書には、以下の6つの要因が記載されています。

身体の問題からくる睡眠の問題

 

ASDの子どもの睡眠の問題

 

ADHDの子どもの睡眠の問題

 

不安が強いときの睡眠の問題

 

うつ状態のときの睡眠の問題

 

強迫行為のため睡眠に問題が起こっている

 

 


それでは、次に、それぞれについて具体的に見ていきます。

 

1.身体の問題からくる睡眠の問題

以下、著書を引用しながら見ていきます。

高熱、鼻が詰まっている、身体のどこかが痛い、アトピー性皮膚炎で全身がかゆい、「むずむず脚症候群」などからくる不眠があります。

 

著者の身近な発達障害児において、鼻炎や花粉症、アトピー性皮膚炎などの症状が比較的多い印象があります。

こうした症状があると、睡眠には少なからず影響が出るように思います。

また、「むずむず脚症候群」とは、両足がむずむずしてうまく寝付けない状態のことです。

このように、様々な身体の問題は睡眠と深く関連していると言えます。

 

 

2.ASDの子どもの睡眠の問題

以下、著書を引用しながら見ていきます。

ASDの子どもは、かなり幼少期から不眠に悩まされることがあります。

 

最近の研究では、これらの原因は感覚過敏である可能性が高いと考えられ始めています。

 

著者はASDの子どもと多く関わりがあります。

その中で、睡眠の問題はよく話題に上がります。

内容としては、うまく寝付けない、寝ても直ぐに起きる、睡眠時間が非常に短いなどがあります。

こうした背景として、著書にあるように〝感覚過敏″の問題が強く影響しているようです。

 

 

3.ADHDの子どもの睡眠の問題

以下、著書を引用しながら見ていきます。

ADHDにお子どもにも、さまざまな睡眠障害が関係していることがわかってきています。

 

著者はADHD児・者との関わりが多くありますが、著書にあるようにADHDの人たちは睡眠の問題(睡眠障害)を抱えている傾向が強いと実感しています。

そして、仮にしっかりと睡眠がとれていても、日中に強い眠気に襲われたり、睡眠リズムが多動性・衝動性に影響すると言われています。

 

 

4.不安が強いときの睡眠の問題

以下、著書を引用しながら見ていきます。

不安が強いときは、まず寝つきが悪くなることが多く、そのせいで睡眠時間が短くなり、朝起きられなくなることも多いです。

 

不安と睡眠の状態が関連していることは誰もがイメージできると思います。

例えば、翌日不安なことがあるとなかなか眠れず、睡眠時間がしっかりと確保できなくなることはよくあります。

こうした状態が長引くと、日常生活のリズムにネガティブな影響が出てくると言えます。

 

 

5.うつ状態のときの睡眠の問題

以下、著書を引用しながら見ていきます。

うつ状態やうつ病のときは、寝つきがよくても途中で起きてしまい、再び眠れなかったり、長い時間寝続けることができず、早朝覚醒してしまったりします。

 

著書にあるように〝うつ病・うつ状態″も睡眠の問題を引き起こす原因になります。

著者の身近にもうつ状態の人がいますが、うつ状態の場合、何をやるにしても必要以上にエネルギーを費やしたり、また何かをやり終えると大きな疲労感に襲われたりします。

そのため、体調のコントロールがうまくできずに睡眠の問題へと繋がっているように思います。

 

 

6.強迫行為のため睡眠に問題が起こっている

以下、著書を引用しながら見ていきます。

不安症のひとつである「強迫症」の症状で起こる不眠です。

 

強迫行為とは、例えば、明日の持ち物などの準備を何度も点検する、今日までにやるべきこと(宿題など)をやり終えているかを何度もチェックするなど、強迫観念が想起することで、仮にやり終えていたとしても繰り返し同じ行動を取ってしまうことです。

そのため、日々の確認作業などに多くの時間を費やしてしまうことで、睡眠への影響が出てしまうと言えます。

 

 


以上、【発達障害児が抱える睡眠障害(睡眠の問題)】6つの背景要因を通して考えるについて見てきました。

6つの要因に対しては、症状が酷い場合には、医療機関への受診を検討する必要があると言えます。

適切な薬やカウンセリングなどで状態が良くなる可能性もあります。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も発達障害と睡眠の問題について理解を深めていきながら、その知見を療育実践にも役立てていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【〝発達障害もどき″を改善する方法】脳を作り直すたった一つの方法

 

 

てんねんDr.(2025)子どもの発達障害がよくわかる本 これ1冊で理解もサポートも!SB Creative.

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