神経発達症の一つに〝チック症″があります。
〝チック症″は、最近では、メディアなどを通して世間一般にその症状の理解が広がっている傾向があります。
また、著名人の中にもいることが認知されています。
それでは、チック症とは一体どのような症状なのでしょうか?
また、どのような原因よってチック症が生じると考えられているのでしょうか?
そこで、今回は、チック症とは何かについて、子どもに見られる症状の特徴と原因について理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「てんねんDr.(2025)子どもの発達障害がよくわかる本 これ1冊で理解もサポートも!SB Creative.」です。
チック症とは何か?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
チック症というのは神経発達症のひとつとして分類されるもので、ザックリと説明すると「本当はこんなことしたくないのに、身体がいうことをきかない」という動きや声のことです。
著書の内容には、〝チック症″とは本当はこんなことしたくないのに、身体がいうことをきかない」という動きや声のことといった記載があります。
つまり、音声・運動のそれぞれ、あるいは両方におけるコントロールがきかない状態が持続的に続いているものだと言えます。
チック症の症状の特徴について
以下、著書を引用しながら見ていきます。
音声チック
・咳払い
・鼻すすり
・叫び声
・卑猥・不謹慎な言葉
・言葉を繰り返す など
運動チック
・まばたき
・顔しかめ
・首振り
・肩すくめ
・突然人や物に触る など
音声チックと運動チックの両方が1年以上続く場合はトゥレット症候群と呼ばれます。
著書の内容から、チック症の症状の特徴には、〝音声チック″あるいは〝運動チック″、そして、その両方が一年以上見られる〝トゥレット症候群″があります。
著者は、発達障害児支援の経験を通して、発達障害児には、〝チック症″が見られることが少なからずあると実感しています。
その症状の程度も個人差があり、中には、周囲から見てとてもわかりにくいほど軽微なものから、明らかに日常生活に大きく支障をきたしている状態まで多様だと思います。
チック症の原因について
かつて、著者は〝チック症″と言えば、心理的ストレスが原因となって生じていると、どこかで聞いたことがありました。
それでは、実際の所はどうなのでしょうか?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
他の発達障害と同じで、親の育て方や本人の性格に根本的な原因があるわけではありません。
著書の内容から、チック症が発症する原因には、親の育て方・本人の性格などに根本的な原因はないと考えられています(現在のところ正確な原因は分かっていない)。
つまり、心理的ストレスが原因ではないと考えられるようになってきています。
著書には、リラックスしている状態においても、チック症は見られることからも、家庭の状況(ストレスの有無)などに左右されるものではないとしています。
もちろん、チック症が引き金となる悪循環よって、症状が悪化する場合はあると言えます。
例えば、チック症が原因で生活に影響がでる→支援や配慮を得ることができない→さらにチック症が強くなる、などの悪循環です。
また、チック症は、他の発達障害(ASD・ADHDなど)との併発率が高いこと、中でも、強迫性障害との合併が最も危険性が高いと考えられています。
例えば、強迫性障害との合併で言えば、やりたくないといった思いがあっても強迫的にやってしまうことがあります。
チック症は、悪化の時期も含めて大半はよくなっていくと言われていますが、大人になっても持続するケースもあると言われています。
その場合には、環境調整や本人への直接的な支援(認知行動療法など)、薬物療法などの方法が必要になってきます。
以上、【チック症とは何か?】子どもに見られる症状の特徴と原因について考えるについて見てきました。
チック症も含めた様々な神経発達症の対応で大切なことは、本人の生活の困り感を理解していきながら、必要であれば対応策を早期にとっていくことです。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も様々な発達障害について理解を深めていきながら、子どもに必要な支援を届けていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
てんねんDr.(2025)子どもの発達障害がよくわかる本 これ1冊で理解もサポートも!SB Creative.