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【発達障害児への療育で大切な療育的視点②】支援仮説を例に考える

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著者は長年、発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育(発達支援)をしてきています。

療育の中で大切なキーワードとして、〝療育的視点″があります。

療育的視点″とは、簡単に言えば、子どもたちそれぞれの状態像を把握・理解すること(→評価)、そして、評価に基づいて仮説を立てていく視点だと言えます。

 

仮説には、大きく〝原因仮説″と〝支援仮説″とがあります。

原因仮説″とは、子どもの行動の〝なぜ″に対応して仮説を立てる方法です。

支援仮説″とは、子どもの行動に〝どのように″に対応して仮説を立てる方法です。

 

それでは、療育現場で子どもたちが見せる様々な行動に対して、支援仮説を立てることは、どのような意味において必要になってくるのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児への療育で大切な療育的視点について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、支援仮説を通して理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「木村順(2006)子育てと健康シリーズ㉕:育てにくい子にはわけがある:感覚統合が教えてくれたもの.大月書店.」です。

 

 

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支援仮説はなぜ必要なのか?

原因仮説″を基に、どのように今後支援をしていく必要があるのかといった〝支援仮説″を考えていくことも大切です。

〝原因仮説″の〝なぜ″を基盤として、次に、〝支援仮説″としての〝どのように″が関連づいていくことが大切だと言えます。

例えば、〝手をブラブラさせて喜びを表現する″行動は、〝手の機能が未発達なのではないか?″といった〝原因仮説″を立てたとします。

 

この事例の紹介は、以下の関連記事を参照して頂ければと思います。

関連記事:「【発達障害児への療育で大切な療育的視点①】原因仮説を例に考える

 

 

この事例に対して、〝原因仮説″が見えてくることで、次に〝支援仮説″つまり、〝どのように″対応していくことが必要なのかを考えていくことができます。

例えば、手の機能を高める活動、握る・放す・引っ張る・つまむ・入れる・抜く・押すなどです。

また、手の機能、つまり、微細運動の基盤となっている全身運動(粗大運動)からのアプローチもまた有効だと考えます。

さらに、実際に支援をしていく際に、子どもが興味関心を持っているものから、無理のない範囲で、楽しく継続して取り組めるような工夫が大切だと考えます。

このように、〝支援仮説″においても、正解は一つではなく、様々な方法があり、一度、一つの方法を実践してみて、難しそうな場合には、他の方法を検討するなど、様々な仮説を立てて検証していくことが必要だと言えます。

大切なことは、関わる人が無理な目標を子どもに実施しないこと、現状の子どもの状態像を踏まえて、実行可能(実現可能)な目標を立てる上で〝支援仮説″は重要な視点だと言えます。

 

 

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支援仮説を考えることの意味について

〝支援仮説″を考える習慣をつけていくことで、子どもたち一人ひとりに応じた支援の在り方、バリエーションを考えていく力を高めることに繋がっていくと感じています。

療育現場には、様々な子どもたちがいます。

もちろん、子どもの状態像はそれぞれ異なります。

そのため、支援においても、一人ひとりに応じた異なる支援方法が必要になってきます。

子どもたちが、次のステージに少しずつでも進んでいけるように、〝どのように″支援をしていくことが効果的であるのかを見極めていくことが大切です。

この見極める目を養っていくことが必要であり、そのためにも、繰り返しになりますが、〝支援仮説″を立てる習慣を持つことが重要だと言えます。

また、〝原因仮説″同様に、〝支援仮説″もまた、子どもに関わるスタッフ間でアイディアを出し合い、しっかりと情報共有していくことが大切です。

 

 


以上、【発達障害児への療育で大切な療育的視点②】支援仮説を例に考えるについて見てきました。

現在の特別支援教育は、〝オーダーメイドな支援″といった一人ひとりに応じた教育になっています。

それは、つまり、一人ひとりに応じた支援仮説を検討することもでもあります。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたち一人ひとりに応じたより良い支援を実施する力を磨いていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「療育的視点について-現場の「なぜ」に応えるために-

 

 

木村順(2006)子育てと健康シリーズ㉕:育てにくい子にはわけがある:感覚統合が教えてくれたもの.大月書店.

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