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人の気持ちがわからない 発達障害

【発達障害児に見られる人の気持ちがわからない場合への対応】2つのポイントを通して考える

投稿日:2024年11月14日 更新日:

著者は長年、療育現場で発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育をしてきています。

発達障害児、中でも、自閉症児において、〝人の気持ちがわからない″といったことがよく見受けられます。

そのため、対人関係でのトラブルや社会性の発達で躓きが生じる可能性があります。

 

それでは、発達障害児に見られる人の気持ちがわからない場合に対して、どのような対応方法があると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児に見られる人の気持ちがわからない場合の対応について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、2つのポイントを通して理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「岩永竜一郎(2022)発達症のある子どもの支援入門-行動や対人関係が気になる幼児の保育・教育・療育-.同成社.」です。

 

 

※幼児を対象として書かれた本ですが、学童期にも活用できる視点も含まれていると思います。

 

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人の気持ちがわからな場合への対応:2つのポイント

著書には〝人の気持ちがわからない″場合への対応方法として、以下の2つのポイントが書かれています(以下、著書引用)。

普段から気持ちを言葉に出して伝える

 

教材などで他の人の気持ちを教える

 

 


それでは、次に、以上の2つのポイントについて具体的に見ていきます。

 

1.普段から気持ちを言葉に出して伝える

以下、著書を引用しながら見ていきます。

普段から、ASD児にかかわる大人が他の人の気持ちを言語化し伝える習慣をつけると良いと思います。

 

普段から他の人の気持ちの理解を促す声かけをすることは大切です。

 

ASD児に気持ちを伝える際にポジティブな気持ちを伝えるように心がけることも必要です。

 

著書の内容から支援のポイントとしては、他者の気持ちの言語化、言語化する習慣を持ちポジティブな面を多く伝える(〝普段から気持ちを言葉に出して伝える″)などがあります。

自閉症児・者は、他者の心情の理解のプロセスが定型発達児・者との異なると言われています。

 

関連記事:「【心の理論から見た他者理解のプロセス】自閉症を例に考える

 

そのため、自閉症児・者の認知の特徴に即した支援の視点が大切です。

それも踏まえて、他者の気持ちを言語化する関わりがとても大事になってきます。

著者は、これまで多くの自閉症児・者との関わりがありますが、できるだけ自他の気持ちを言葉にするように心がけています。

支援を続けていく中で、自閉症の特性が強い子どもの場合には、特に、言語的な理解(言語による類推)を持って他者の気持ちを推し量る様子が増えていく印象があります。

そのため、著書にあったように、できるだけプラスの声かけが他者との関わりを動機付けるものとして必要になってくると感じています。

 

関連記事:「【自閉症の心の理論への支援について】療育経験を通して考える

 

 

2.教材などで他の人の気持ちを教える

以下、著書を引用しながら見ていきます。

ASD児など社会スキルに困難を抱える子ども向けの教材があります。

 

ASD児の多くは、言葉だけで説明するより、絵などの視覚情報で場面を示してもらったほうがわかりやすくなります。

 

著者の内容から、言葉の説明(音声言語)に加えて、視覚情報を用いた教材の活用も有効だとしています(〝教材などで他の人の気持ちを教える″)。

自閉症児・者は、視覚情報の処理を得意としている人も多くいます。

そのため、得意な視覚情報からのアプローチもまた有効だと言えます。

教材でよく活用されるものとして、〝ソーシャルスキルトレーニングカード″〝ソーシャルストーリー″〝ソーシャルシンキング″などがあります。

どれも視覚情報によるアプローチであり、場面や状況によって、どのようなやり取りの仕方(好ましい関わり方)があるのか、また、相手の心情を深く推論する力をつけていくような物語が作られているなど様々な工夫が行われています。

著者は以前、発達障害児にソーシャルスキルトレーニングを行っていた際に、吹き出しに当てはまる言葉を自分で考えて書いてもらうといった支援を行ったことがあります。

中には、他の人が書いた言葉を見て、「なるほど!」など、他者には様々な心情の違いがあるといったことへの気づきが見られた例もありました。

 

関連記事:「【自閉症への支援】ソーシャルストーリーを例に考える

関連記事:「【自閉症児への支援】ソーシャルシンキングを例に考える

 

 


以上、【発達障害児に見られる人の気持ちがわからない場合への対応】2つのポイントを通して考えるについて見てきました。

自閉症といってもその状態像は多様です。

そのため、個々に応じて対応・支援を工夫していくことが大切だと言えます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も自閉症児との関わりの中で、他者の心の理解を促す工夫を実践していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

岩永竜一郎(2022)発達症のある子どもの支援入門-行動や対人関係が気になる幼児の保育・教育・療育-.同成社.

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