特別支援教育が進む中、発達障害への支援も発展してきています。
そんな中で、早期に支援を受けた方がいいのかどうかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
また、どのタイミングから支援を受ければいいのか?といった疑問があるかと思います。
こうした悩みや疑問が生じる理由としては、例えば、大きな困り感が無ければ、ある程度は集団に混ざり、何とかついていくことができれば、現段階では大丈夫なのでは?といって考え方です。
また、支援を受けずに多くの子どもたちに混ざり、たくさんの刺激を受けた方がその後の人生を生きる上での力になるといった考え方もあるかもしれません。
“可愛い子には旅をさせよ!”などといった言葉にもあるように、多くの試練や刺激が子ども強くするといった考え方です。
それでは、発達障害への支援を早期に受けた人・受けなかった人の間には、その後どのような違いがあるのでしょうか?
そこで、今回は発達障害への支援とその後について、臨床発達心理士である著者の経験談も踏まえてお伝えしていきます。
今回参照する資料は「本田秀夫(2022)学校の中の発達障害:「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち.SB新書.」です。
発達障害への支援とその後について【支援を受ける・受けないに差はあるのか?】
以下、著書を引用しながら見ていきます。
発達障害や知的障害の専門家の間では、何十年も前から「教育的な支援を受けた人のほうが、社会に出たときの適応がよい」と言われています。
つまり、早くから支援を受けてきた子どものほうが、社会人として基礎的な力が身につき、社会に出る準備が整ってきていることが多いのです。なぜかといえば、特別支援教育では、社会生活に即した力を総合的に学ぶ機会があるからでしょう。
著書の引用から大きなポイントが二つあります。
1.特別支援教育を早期に受けた方がその後の社会適応が良い
2.その理由が、身の回りの社会生活スキルが向上するなど、社会で生きる基礎が身に付くため
参照資料の著者である本田秀夫さんも、発達障害や知的障害のある人たちは早期に特別支援教育などの特別な支援と配慮を受けた方が予後の育ちが良いと考えています。
特別支援教育では、より個別の支援と配慮が重視されます。また、学校の勉強だけではなく、生活スキルと言った身の周りのことも様々な体験を通して学習できます。
仮に、通常級でギリギリのラインで過ごしたとしましょう。
通常級では、学年が上がるごとに勉強もどんどん難しくなります。そうなると、学校の勉強についていくために多くのエネルギーと時間を費やすことになります。
また、その内容もどんどん抽象的な内容となり、社会で生きるための基礎的な能力から遠のくものとなります(専門職など仕事で活用する場合などは除いて)。
そうなると、本来身につけるべき社会的スキルは身に付かず(身につける余裕がない)、また、周囲からの遅れによる自己肯定感の低下にも繋がります。
以上を踏まえて、発達障害や知的障害のある子どもたちには、将来を見据えて、可能な限り早期に個別に配慮された教育を施す必要があります。
それでは、次に早く支援を受けた方が良いと感じる著者の経験談をお伝えします。
著者の経験談
著者の周囲には大人の発達障害の方が多くいます。
その中で、特に気になるのは発達障害がありながらも早期に支援を受けることができなかった人たちです。
こうした人たちは、学校での劣等感を多く抱え自分に自信がない方が多い印象があります。
また、学校の勉強などやるべき課題の多さから日常生活に必要なスキルをうまく学習できていないケースも多く見られます。
仮に学校の勉強が非常によくできても、社会的スキルが不足していると、大学生活→社会人生活、といった過程の中で躓くリスクが高くなります。
こうした周囲の経験談を聞いていると改めて早期の手厚い教育的サポートがとてもその後の人生にとって大切なのだと感じます。
以上、発達障害への支援とその後について【支援を受ける・受けないに差はあるのか?】について見てきました。
この記事を書いていて昔受けたある研修の講師の言葉を思い出しました。
「学校の勉強より、身の周りのことが自分でできるかどうかが大切なのです。」といった言葉でした。
私自身、学校の勉強が嫌いで仕方がなかったのですが、学校にいると標準化の枠にはまってしまい、勉強して良い成績を取ることがその後の人生にとってとても重要だという雰囲気を子どもながらに感じていました。
しかし、社会で生きていたくめには、勉強も大事ですがそれ以外にも大切なことが多くあります。
その中には、自分はこんなことが好きである、得意であるといった好き嫌いを見つけること、困ったら周りは自分のことを助けてくれるといった人への信頼、そして、助けてくれる自分を肯定する力などといった心の育ちもとても大切です。
私自身、療育現場で体験を通しての学びを重視しながら、子どもたちに自他を肯定する力などを身につけてもらえるように、肯定的な態度で子どもたちに関わることを大切にしています。
まだまだ未熟ですが、今後も療育という立場から、より良い実践をしていきたいと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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本田秀夫(2022)学校の中の発達障害:「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち.SB新書.