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発達支援(回想編):療育施設での三年を振り返る

投稿日:2020年7月25日 更新日:

これまで療育施設での経験について初日の体験から二年目まで振り返って見てきました。

今回は、療育施設での三年を振り返りながら、そこでの学びと課題などについてお伝えしていこうと思います。お伝えする内容は三年目が中心となります。

私の中で療育施設での三年目はある意味大きなターニングポイントとなりました。それもクラスリーダーになったこと、発達に関して理論や知識など大きな学びがあったことが挙げられます。

まず一つ目として、クラスリーダーから得られた学びについてお話しします。

クラスリーダーとして、初めてスタートをきった三年目は、自分がクラスリーダーになるとはまったく想定していなく、二年目の確か三月頃に急に園長先生からお願いされたことに始まります。

私は自分より保育経験のある方が他にもいたため、自分が適任だとは正直思いませんでしたが、やるからには妥協はしたくなかったので、決まってからの一週間は自分に何ができるのかを真剣に考えました。

その結果、失敗を恐れずに新しいことに挑戦していこうということ、クラスの他の職員としっかりとコミュニケーションを取りながら頼るところは他の職員にしっかり頼ること、クラスの全体像を捉える目を鍛えることなどを目標としました。

実際の業務としては、クラス運営全体の意思決定をするという割合が非常に増えました。また、他の職員の方とコミュニケーションを取る分量や保護者の方と話すことも増えました。

これまでの、私はクラス全体というよりも自分の担当児などとの関わりが多かったことなど全体的把握というより部分的な中での動きの方が多かったと思います。

そういった意味で、クラスリーダーになることで、クラスの全体的な把握や、保護者や他の職員の方とのコミュニケーションが増え、これまでにない役割を担ったことで得られたものも多くあります。

中でも、不確実な内容に関して意思決定をする力や、他の職員に頼る、他者(保護者や職員など)との関係を調整するなどの力は、一年目と二年目と比較するとだいぶ身に付いたと思います。

やっている過程の中ではこうしたことは考える余裕すらありませんでしたが、日々の積み重ねの結果、様々な気づきや自分の力を高めてくれたものに寄与したと今では感じています。

ちなみに、クラスリーダーになっての最初の三か月は子どもたちの特徴の把握や、クラス全体の把握、保護者やクラス職員の特徴など、おさえておくべき要素が多く、思考がまったく整理できない日が続いたことを今でもよく覚えています。

次に二つ目としての学びが、発達に関する理論や知識などから面白い視点や有益な情報などを多く学べた点にあります。

これは一年目から継続してきたことですが、三年目辺りから、徐々に自分の現場領域の知識が付き始めていることを実感し始めました。その実感は学んでいて楽しいと感じたこと、現場に応用してみたいアイディアなどが徐々に出てきたことからそう感じました。

具体的に学びが反映された場面は個別支援計画作成や評価の時などがあります。これまで、先輩方の書き方や考えなどを取り入れて(というか真似て)書くことが多かった内容が、徐々に自分が独学で学んだ理論や知識を入れ始め、両者を融合して考えるようになりました。

具体的に活用した理論や知識などはまた別の記事で書きたいと思います。

こうして、多くの学びがあった療育施設での三年間でしたが、課題も変わらずあります。

まずはクラスリーダーになって初めてリーダーシップというものを強く意識するようになりました。リーダーとしてどう振る舞うべきか、どういった方向性を志向しクラスをまとめていくべきか、他者とうまく協力していくためにはどういった要素が必要か等、これまでにはない課題がでてきました。

また、理論や知識に関しても三年目にして飛躍を感じながらも同時に未熟さも感じていました。ですので、今後どういった学びと行動が必要であるのかも継続した課題としてありました。

このように非常に有意義な療育施設での三年間を過ごすことができました。

人生の中で常に学び続ける姿勢を持つことは大切なのだと実感します。そのためには、新しいことへの挑戦やその中で見えてくる課題などを深堀することが重要だと思います。

今後も経験からの学びを大切にしながら、自分のいる発達支援に関わる領域に対して、様々な挑戦をしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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