療育現場で、子どもたちと接していると、遊びを通して子どもたちの活動が充実したり、遊びを通して子どもたちの成長が見られることが多くあります。
私自身、療育施設や放課後等デイサービスなどでの療育をとおして、遊びの重要性を実感してきました。
ですが、子どもたちへの遊びを発案したり、提案しても失敗に終わることもよくあります。療育当初は、遊びの創意工夫はそれほど難しくないと思っていましたが、実際にやってみると個々の発達に応じた遊びを考えることは非常に難しいものでした。
そこで、今回は私の療育現場での経験からある遊びを例に取り、遊びの展開について試行錯誤した実体験についてお伝えしていこうと思います。ぜひ療育現場などで取り入れて見て下さい。
最初に私が遊びの創意工夫を考える上で苦戦した現場は療育施設になります。ですので、今回は療育施設での経験を例に取りお話します。
遊びの内容は「新聞紙ダイブ!」という遊びです。この名称を聞いて、それだ!と思い浮かべることができる人は少ないと思います。
「新聞紙ダイブ!」とは、新聞紙を数枚、セロテープで角などを軽くとめ、大きくし、その新聞紙めがけて飛び込むという遊びです。新聞紙には飛び込んだ時に、簡単に破けるように切り目をいくつか入れておき、飛び込んだ先にはマットを数枚敷いておきます。子どもたちからすると、新聞紙が壁のように見えるため、飛び込むのに勇気がいりますが、飛び込んで破けた!という爽快感が得られる遊びです。
私はこの遊びに正直ハマりました!それは何故かというと、子どもたちが楽しくやっていることに加え、私も楽しかったからです。特にきれいに破けたときは爽快感があります!シンプルかつハマれる遊びかと思います。
それでは、この遊びのどこに試行錯誤の必要性があったのかをお話します。
私が「新聞紙ダイブ!」を知ったのは療育施設での勤務一年目になります。先輩職員の方から、教えて頂いた遊びになりますが、最初は私もよくわからずに子どもたちと一緒に新聞紙めがけて飛び込みました!
一応、私が飛び込みのモデル(?)になりましが、意外と子どもたちが真剣に見ていたことをよく覚えています。子どもたちは興味のあるものをよく見るということは間違いではないと感じました。
その後、この遊びを自分がクラスリーダーになった時の父親参観の時に実行することにしました。
父親参観という園の行事のメインの遊びに選んだのも、普段子どもたちがこの遊びを楽しんでやっていたことが大きなきっかけとなりました。
遊びにもアレンジを色々と加えました。例えば、一人で飛び込むバージョン、他児や大人と手をつないで飛び込むバージョン、多い時で3~5人位で手をつないで飛び込んだこともありました!
この遊びを通して、普段手を繋ぐことが難しかった子どもが手を繋いだり、仲の良い他児と“一緒にやりたい”というように自分から手を繋ぐ様子もありました。
また、飛び込む人数に合わせて、新聞紙のサイズを大きいものにして、後半には巨大な新聞紙を広げ、みんなで飛び込むという展開にして、結果、きれいに破れて、見事成功しました!
当然、父親参観ではお父さんと手をつないで飛び込むという展開に遊びをもっていきました。徐々にエスカレートすると、お父さんが子どもを持ち上げ新聞紙めがけて子どもがキックするように飛び込むなど非常に盛り上がりました!
ここまでが、「新聞紙ダイブ!」の遊びになります。
父親参観では、「新聞紙ダイブ!」遊び後、破れた大量の新聞紙を使って、「新聞紙プール」を作りました。まずは、破れた新聞紙をみんなで協力してちぎります。それを、空のビニールプールに入れてお風呂のようにみんなで入ります。普段の生活で新聞紙まみれになるということはなかなかないため、お父さんや子どもたちも非常に喜んでいました。
このように、新聞紙一つとってみても、様々な遊びができます。今回お伝えした、「新聞紙ダイブ!」も一人で飛び込む→他児や大人と飛び込む→他児と手を繋いで飛び込むなど、一つの遊びの中でもうまく発展していくことができたものになります。
今回取り上げたのは、数ある遊びの中でも成功したものです。成功についても(成功の指標も様々かと思いますが)、関わる子どもたちによって楽しみ方や、興味など変わってくるため、一概にうまくいくとは限りませんが、遊びに関して多くのレパートリーを持つことや展開の仕方を考え実践することは療育では大切です。
また、別の記事で他の遊びなども紹介できればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。