愛着障害への支援で有名なものとして〝愛情の器モデル″があります。
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〝愛情の器モデル″によれば、愛着障害への修復において、〝キーパーソン″の存在が必要不可欠だと考えられています。
それでは、愛着障害のある子どもへの支援としてカギとなるキーパーソンを中心とした支援体制作りは、どのようにして行っていけばよいのでしょうか?
そこで、今回は、愛着障害のある子どもに必要なキーパーソンを中心とした支援体制作りについて解説していきたいと思います。
今回参照する資料は「米澤好史(2019)愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?アセスメントと具体的支援のポイント51.福村出版.」です。
愛着障害のある子どもに必要なキーパーソンを中心とした支援体制について
キーパーソンとは、子どものことを〝一番よく知っている人″のことを言います。
愛着障害の子どもへの支援において、キーパーソンを中心とした支援体制作りが必要です。
そして、著書には、キーパーソンを中心とした他のスタッフとの連携の仕方について〝つなぐ支援″と〝情報集約″の重要性が記載されています。
ここで大切なことが、他のスタッフがそれぞれの思いで子どもに勝手に関わらないことです。
関わる際には、キーパーソンを経由して〝つなぐ支援″と〝情報集約″を意識する必要があると記載されています。
それでは、次に〝つなぐ支援″の3ポイントについて見てきます(以下、グレーボックスは著書の要約)。
著書には、以上3つの〝つなぐ支援″のポイントが記載されています。
どの内容も子どもがキーパーソンを意識していけるような配慮がなされていると言えます。
それだけ、愛着障害の子どもへの対応には、キーパーソンを中心とした体制作り・連携が重要になっていきます。
それでは、次に〝情報集約″のポイントについて見てきます(以下、グレーボックスは著書の要約)。
改めて、キーパーソンとは〝子どものことを一番よく知っている人″でした。
そのため、様々な情報をキーパーソンに集約していくことが、先手をうった関わりを行う上で重要になっていきます。
さらに、著書には、キーパーソンが不在の際に、事前に〝サブキーパーソン″を2番手→3番手(キーパーソンとサブキーパーソンが不在の場合)と決めておくことも必要だと記載されています。
〝サブキーパーソン″の作り方として、普段からキーパーソンと一緒の活動に関わってもらうことからはじめ、徐々に段階を踏んでいくこと、そして、関わり方はキーパーソンと同じような対応が重要だと言えます。
以上、愛着障害のある子どもに必要なキーパーソンを中心とした支援体制作りについて解説するについて見てきました。
愛着障害の子どもへの支援は非常に困難なことが伴います。
そのため、関わり方も含めた体制作り・連携のあり方がとても大切になってきます。
著者も愛着に問題のある子どもたちと、少なからず関わってきているため、支援がうまく進まない困難さに直面したことが多くあります。
一方で、支援がうまく進むためには、一人の力ではなく、チームの力で乗り切ることがカギになってくると感じています。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も愛着に問題を抱える子どもに対して、深い理解とより良い支援方法についての学びを深めていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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米澤好史(2019)愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?アセスメントと具体的支援のポイント51.福村出版.