放課後等デイサービスでは子どもたちとの関わりだけではなく、保護者との関わりも多くあります。
今回は、放課後等デイサービスでの現場での経験を通して、保護者支援について大切だと思う点を以下2点についてお話していこうと思います。
保護者支援について-放課後等デイサービスの現場から考える-
①レスパイト的な要素
レスパイトとは、息抜きとも言われますが、お子さんをお預かりすることで保護者の方に時間をとってもらうということを狙いとしています。
ご家庭によっては共働き家庭、単身家庭など様々ですが、仕事や家事などで子どもを見る時間がない、あるいは、育児疲れから休息を取りたいなど、様々なニーズがあります。
子どもと関わることはとてもエネルギーを必要とします。
そのエネルギーを充電してもらうという意味でも、レスパイト的な要素は非常に重要だと実感しています。
また、保護者の方だけではなく、子どもたちにとっても、ご家庭以外で遊べる場や人がいることはエネルギーの充電にも繋がります。
私自身、レスパイトの重要性を非常に実感した経験があります。
数年前に、未就学のお子さんを預かる機会がありました。そのお子さんは私が所属している放課後等デイサービスに、週に3回程度の利用でした。
そのお子さんは付きっきりでの関わりが必要であったため、まず目が離せないという状態であり、さらに、保護者の方が家事や兄弟の世話で忙しく、また、旦那さんも仕事が忙しいという状態でした。
私はこのお子さんを一年間専属で見ておりましたが、年末に保護者の方から「○○の事業所があったからこそ何とか今年一年やってこれました。ありがとうございました。」といった嬉しい言葉を頂きました。
子育てには多くのエネルギーが必要になります。放課後等デイサービスのように、子どもを安心して預け、保護者に時間的な余裕を持ってもらうことはとても大切なことかと思います。
②他者の関わり方を知る
放課後等デイサービスには、発達に課題があるお子さんや、発達特性があるお子さんなどが通所しております。ですので、特別な配慮が必要になってきます。
特別な配慮とは、対人関係でのサポートや、時間や空間の調整など、個々に応じて様々ですが、私が所属している放課後等デイサービスには自閉症(自閉症スペクトラム障害)のお子さんなどが中心にいるため、専門的な知識や理解を必要とします。
保護者の方の中には、独学で非常に多くの知識を持っておられる方もいれば、そうでない方など非常に多様です。
そこで、我々スタッフは、特別な配慮を必要としたお子さんたちへの関わり方を保護者に伝達するということを大切にしています。
例えば、聴覚過敏があり、周囲の刺激によってパニック・癇癪を起こすお子さんの場合には、環境調整が必要になってきます。
他児の意図の汲み取りが苦手なお子さんには、そのお子さんにとってわかりやすい説明方法で伝えていく必要があります。ルール理解が難しいお子さんには、事前にわかりやすいルールを提示していく必要があります。
つまり、個々の発達や特性に応じてニーズを把握し、対応してどうなったかということを伝えていく必要があります。この際に、お子さんそれぞれの頑張りを伝えることや、できるだけ専門用語などは使わずに対応することを心がけています。
こうしたことを継続する事は、保護者の方に、ご家庭の理解や対応以外の新たな関わり方を見出してもらうことにも繋がります。
また、これとは逆に、ご家庭の理解や対応から我々スタッフが多くのことを学ぶこともよくあります。
最終的には、お子さん一人ひとりの成長を様々な目線からすり合わせ、一緒に協力して前に進むという姿勢がとても重要だと思います。
以上2点から保護者支援について述べてきました。
我々スタッフは、子どもたちを支える専門家ではありますが、その子にとっての本当のプロは保護者だと思っています。
そして、少数で子育てするよりも、様々な人が様々な視点で協力していくことで、子どもたちの発達がより豊かなものになることを私自身これまでの経験で学ぶことができました。
まだまだ未熟ですが、これからも保護者の方との関わりを大切にしていきながら、子どもたちの発達を支えていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。