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コロナによる休校期間での発達障害児の過ごしについて:放課後等デイサービスの現場から考える

投稿日:2020年6月7日 更新日:

コロナによる影響により、およそ3か月間休校が続いていましたが、6月1日から小学校が始まりました。

私は現在、放課後等デイサービスで支援員として働いています。

コロナの影響により小学校が休校になったことで、預かる時間がこれまで以上に長くなったこと、感染予防なども踏まえた活動制限など日々緊張した時間を過ごしてきました。

今回は、コロナの影響により学校が休校になってからの約3か月間を振り返りながら、発達障害児の過ごしについて考えていこうと思います。

繰り返しになりますが、私は現在、放課後等デイサービスで支援員として働いています。

利用されているお子さんたちは、ASDやADHD、知的障害など発達につまずきのあるお子さんたちです。

コロナの影響による休校要請を受けて以来、放課後等デイサービスでの預かり時間は非常に長くなりました。

そうした変化の中で心掛けてきたことは、①感染者を出さないこと、②安心した過ごしを提供することです。

①感染者を出さないことに関しては、手洗いや換気、体調管理(ご家庭との連絡や職員の体調管理)、室内活動など活動環境を制限していくなどの対策をとってきました。

毎朝、ご家庭に迎えに行った際には、熱がないか、体調の変化はないかなど確認しています。もちろん、コロナに関係なく体調に関する聞き取りは実施しています。ですが、だいぶ慎重になったことは確かです。

手洗いなども重視し、子どもたちもより意識するようになった子どももいるため、洗剤やペーパーなどの消費量は非常にはやいと感じました。

非常に難しい点として、活動環境が室内に制限されること、そして、活動時間が通常よりも長いため、どういった対策をとっていけばいいのか、職員の体力なども踏まえながら日々悩みながらやってきた感じです。

この点に関しては、②安心した過ごしの提供にも関わってきます。

これまでの長時間の活動(夏休みや春休みなど)に関しては、外出プログラムを取り入れている日が多かったため、室外と活動にメリハリがあったこと、子どもたちが外出を楽しみにしていたなどの理由から、満足のいく活動が提供できている面もあったかと思います。

そのため、長時間の活動で、しかも室内でどれだけ良い過ごしが提供できるかは3月の時点(休校が決まった時期)では非常に懸念材料でした。

実際に、休校になり、子どもたちが長時間利用するようになると、懸念事項は予想外の方向に向かいました。

ここからはあくまでも、事業所での出来事に関しての個人的な感想になります。また、子どもたちの状態像などによっても変わってくるかと思いますので、一例としてお読み下さい。

休校で事業所を長時間利用するようになったお子さんたちは、何をして過ごしたいのかを自ら考えるようになるお子さんたちも出てきました。

お子さんたちの中には、工作遊びを発展させ、それを日々改良し他児と遊ぶなど発展した遊びを次々と考える様子もありました。

また、室内でゆっくり過ごすことにある種の安心と楽しみを見出すお子さんたちもいました。

全体的に、子どもたちは事業所での過ごしを楽しみにされている方が多かった印象があります。そして、予想以上に落ち着いて過ごす様子もありました。

私は、こうした経験から、子どもたちにとって居場所の重要性を再認識しました。

子どもたちは安心できる環境の中で、自分のやりたいことを見つけ(大人や他児と一緒に)、他児と関わり(一人で過ごすお子さんたちもいます)、エネルギーを発散させます。

そうした場を作ることが重要で、かつ、そのなかで、特別なニーズのあるお子さんたちも多いため、特性に配慮した支援が必要です。

例えば、見通しなどを事前に伝えること、静かな環境を作ること、気持ちの表出を代弁したり、伝え方をモデリングするなど一人ひとりの特性を理解しそれに合った支援を行うことが大切です。

子どもたちは日々、安心できる環境の中で、ゆっくり過ごしたい、あるいは自分の興味関心に没頭したいという欲求があります。

この場合の最大の安心できる環境は関わり手の支援者なのだと思います。

改めて、学校が休校になった時に、家庭以外の居場所があるというのは大切だと思います。家庭の負担を担うこと、家庭ではできない経験が積めることなどが放課後等デイサービスにおいて重要だと感じます。

コロナの影響を受けて、改めて、子どもたちの過ごしの場が大切だという思いが強くなりました。

最後に、こうした大切な場を提供し、充実した活動を提供するためには、人の力が必要不可欠になります。

みんなで支えあうということを念頭において、その中で、永続的にできる仕組みについて考えていくことも今後の課題なのだと思います。支援者の体力や他の人や他の機関との連携も重要になります。

こうした内容はまだまだ課題が多くあるかと思います。今後も、自分にできることを探しながら何が課題なのかを明確にして、課題解決に向けて進んでいこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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