発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

こだわり 発達障害

【発達障害児の〝こだわり″への向き合い方】療育経験を通して考える

投稿日:2023年7月6日 更新日:

発達障害児の中には〝こだわり″行動が多く見られます。

中でも、自閉症の特性が強い子どもの場合には、〝こだわり″は様々な場面で顕著に見られます。

 

それでは、周囲で関わる人たちにとって〝こだわり″への向き合い方として、どのような姿勢が大切だと考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児の〝こだわり″への向き合い方について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「小嶋悠紀(2023)発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル.講談社.」です。

 

 

スポンサーリンク

 

 

〝こだわり″への向き合い方について

著書には2つのポイントを取り上げています。

 

1.〝共感″の姿勢を大切にする

以下、著書を引用しながら見ていきます。

基本的に、こだわり行動は、子どもが自分自身を安定させるためにやっている行為です。

 

まずは共感を示しましょう。

 

著書には、〝こだわり″行動には、まずは〝共感″を示すことが大切だと記載されています。

著者は昔、何かの本で〝こだわり″とは、〝変化に対する抵抗″といった内容を目にしたことがあります。

つまり、生活の中で様々な変化が生じることに対して、自分が安心できる行為が〝こだわり″行動として生じるといった考え方です。

人は不確実なものと確実なものとの間でバランスを取りながら生活しています。

不確定要素が多すぎると人は精神的に不安定になってしまいます。

特に発達障害児にとって変化(いつもと違うこと)が苦手なため、安心感を得るために〝こだわり″行動を取っていると考えられます。

 

著者の療育現場でも、物の配置にこだわる、順番にこだわる、勝ち負けにこだわるなど様々な〝こだわり″が見られます。

こうした行動に対して、場面や状況によっては〝少しやりすぎ″〝自分勝手″〝わがまま″に見えてしまうこともあります。

一方で、著者の経験上、こうした〝こだわり″にしっかりと向き合っていくことが、子どもたちの状態の安定化に格段に繋がっていくと感じています。

つまり、著書にあるように〝共感″の姿勢を大切に関わっていくということです。

 

 

2.〝待つ″姿勢を大切にする

引き続き著書を引用しながら見ていきます。

こだわり行動が見られたら、無理に介入するより、行動が終わるまで「待つ」ほうを選ぶようにしてください。

 

こだわり行動は脳の特性によるものなので、介入してもなおりません。

 

どんなこだわり行動も、時間がたてば区切りを迎えるし、いつか終わります。

 

著書には、〝こだわり″行動が見られたら〝待つ″ことが大切であると記載されています。

著者の療育現場では、〝こだわり″行動が始まるとなかなかその行為を終えることができない場面に出会います。

昔の著者は全体のスケジュール調整の都合などもあり、急いで止めることがありましたが、結果として状態が悪化しただけで、改善効果(うまく切り替えるなど)が見られたことはほとんどなかったように思います。

著書のあるように、〝待つ″姿勢を大切にした方が、結果的に良い状態で活動を終える(切り替える)ことができ、安定した状態で過ごしを終えることができたと感じています。

 

 


以上、【発達障害の〝こだわり″への向き合い方】療育経験を通して考えるについて見てきました。

〝こだわり″行動は、それに関する知識のない人からすると特に理解が難しい行動かと思います。

著者も昔は〝一般的に″〝常識的に″思考が強かったことから、なかなかうまく〝こだわり″に対して、〝共感″や〝待つ″姿勢を示すことが難しかったように思います。

しかし、知識の収集や失敗経験を重ねてきた中で得たことを基盤に少しずつではありますが、〝こだわり″に対する向き合い方がうまくなってきたと感じています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も発達障害児が見せるこだわりについて理解を示していきながらより良い実践に繋げていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【自閉症に見られる〝こだわり″の特徴について】3つの特徴から考える

 

小嶋悠紀(2023)発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル.講談社.

スポンサーリンク

-こだわり, 発達障害

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【意外と知られていない〝視覚過敏″について】発達障害児支援を通して考える

発達障害の人のたちの中には、様々な感覚の問題があると言われています。 著者もこれまでの療育経験など様々な発達障害児・者との関わりを通して、感覚過敏や感覚鈍麻が見られると感じた事例は数多くあります。 感 …

【発達障害児への〝褒め方″で大切なこと】療育経験を通して考える

発達障害児支援(療育)で大切なことことは子どもの自尊心を育むことです。 自尊心を育むためには、信頼のおける大人から〝褒められた″〝認めてもらえた″という経験の蓄積がとても大切です。 一方で、発達障害児 …

【〝パニック″の際に絶対にしてはいけない対応とは何か?】発達障害児支援の現場から考える

著者は療育現場で、子どもの〝パニック″行動への対応に迫られることがあります。 〝パニック″への対応には、事前に環境を調整するといった予防的な視点に加え、〝パニック″が起こった直後の対応もまた重要になり …

様々な視点から子どもの発達を考える:支援上大切にしていること

発達障害という用語が社会的に広がり始めている中で、愛着障害など生育環境に関する書籍なども多く見られます。 私自身、発達支援の現場に8年以上携わっており、その中で様々な書物を読んだり、研究を通して人への …

【発達障害児の〝問題行動″の分析の仕方について】療育経験を通して考える

療育(発達支援)現場では、子どもたちが見せる様々な〝問題行動″への対応に迫られることがあります。 〝問題行動″の対応としてまずは情報を収集すること、〝測定″することが必要です。   関連記事 …