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【愛着(アタッチメント)で大切なこと】子どもの気持ちを想像することの大切さ

投稿日:2024年4月29日 更新日:

愛着(アタッチメント)″とは、〝特定の養育者との情緒的な絆″のことを指します。

情緒的な絆を形成していくためにも、子どもに関わる養育者は子どもの〝気持ち″を理解することが重要です。

一方で、子どもの気持ちは変化していくものであり、また、解釈の仕方によって捉え方も変わってくるものです。

 

それでは、子どもの気持ちを考えていく上でどのようなことが大切だと考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、愛着(アタッチメント)で大切なことについて、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、子どもの気持ちを想像することの大切さについて理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「篠原郁子(2024)子どものこころは大人と育つ:アタッチメント理論とメンタライジング.光文社新書.」です。

 

 

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愛着で大切なこと:子どもの気持ちを想像することの大切さ

以下、著書を引用しながら見ていきます。

アタッチメントの考え方でやっていきたいこと、目指したいことは、正確に子どもの心を言い当てることではありません。子どもと一緒にやりとりをしながら、ああかな、こうかなと関係をつくって、続けていくことだと思うのです。

 

子どもの気持ちを言い当てたとしても、「当たり」でおしまいではなく、その子どもの気持ちに対してあなた自身はどう思うか、あなたはその子どもの気持ちにどう関わっていくか、ということが、大事になってくるのです。

 

著書の内容から、〝愛着で大切なこと″として、〝正確に子どもの心の言い当てることではないということ″が記載されています。

例えば、今の子どもの行動や表情などを見て、おそらく○○の心理状態であろう、と推測して、実際にその推測が当たっていても〝愛着関係″においてはそれ以上に大切になってくるものがあるということです

それは、〝子どもの気持ちを想像すること″、そして、〝自身がどのような関わり方をするか″というものです。

子どもの気持ちは刻々と変化し続けるものですし、また、年齢によっても考える内容が変わってきます。

そのため、〝子どもの気持ちに正解を見出す″のではなく、〝子どもがどのような思いでいるのかを想像すること″がとても大切だと言えます。

そして、様々な子どもの心の状態の変化に対して〝自身がどのような関わり方をするか″ということもまた深い〝愛着関係″を築いていく上で大切です。

例えば、子どもが不安な思いでいる際に、その不安に寄り添う姿勢を見せること、解決策を提案すること、解決策はなくても一緒に悩んだり考えたりすること、など、こうした関係性の在り方には〝正解はなく″、養育者と子どもが徐々にお互いを理解して歩み寄っていく、心が通じて合っているという感覚を持てるかどうかが大切です。

 

 

著者の経験談

著者は長年、療育現場で様々な子どもたちと関わる機会があります。

療育経験を通して、〝子どもの気持ちを想像すること″はとても大切だと実感しています。

子どもの気持ちを理解する際に、〝想像すること″と〝正解を出す″ことは異なるプロセスであると思います。

先にも見たように、子どもの心の状態は○○と断定できるほど、しっかりと特定できないことが多くあります(子どもに限らず大人も同様だと言えます)。

特に、感情認知の弱い子どもにとっては自分の思いがよくわからない(他者の思いも同様に)ことがよくあります。

そのため、関わり手が〝想像すること″が子どもの心の状態を推測するためには、とても重要な働きをしているのだと思います。

著者が関わる子どもたちの心理状態も〝○○であろう″と断定できる場合は少なく、〝○○かもしれない″〝○○と思っているように感じる″といった著者(読み手)の〝想像力″が強く働いている場合が多いと思います。

そして、〝想像力″を働かせていきながら、〝○○と声をかけてみよう″など〝子どもへの働きかけ方も柔軟性″が求められていきます。

こうした〝想像力″と〝関わり方″を試行錯誤していきながら、徐々に子どもたちのことが分かってくるのだと思います。

そして、長い目で見ると、子どもとの〝愛着関係″もより深いものへと展開していくことを実感しています。

 

 


以上、【愛着(アタッチメント)で大切なこと】子どもの気持ちを想像することの大切さについて見てきました。

私たちの〝心″は常に変化するものであり、言葉にうまく置き換えることが難しいことがあります。

その一方で、私たちは他者の気持ちを理解し、繋がることができます。

そこで大切になるのが今回見てきた〝想像力″だと思います。

〝想像力″を持って子どもたちと関わることで、子どもたちとの間に良い〝愛着関係″を築くことができるのだと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で子どもたちと良い関係を築いていけるように、想像力を持って関わることを続けていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【愛着で重要な〝安心感″について】〝安心感の輪″を通して考える

 

 

篠原郁子(2024)子どものこころは大人と育つ:アタッチメント理論とメンタライジング.光文社新書.

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-大切なこと, 愛着

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