子どもが不登校になると多くの親はできるだけ早く学校に復帰して欲しいと思うものです。
一方で、状態や年齢などにもよりますが、不登校は長期化する可能性が高いことを考慮する必要もあります。
不登校の子どもにとって家庭で過ごす時間が中心となるため、家庭での過ごし方もある程度は考えていくことが重要です。
それでは、不登校の子どもが家庭で過ごす中でどのような対応が必要となるのでしょうか?
そこで、今回は、不登校の子どもへの対応方法について、家庭での過ごし方で大切なことについて理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「下島かほる(2019)健康ライブラリーイラスト版 登校しぶり・不登校の子に親ができること.講談社.」です。
家庭での過ごし方で大切なこと
著書には、不登校の子どもが家庭で過ごす際には、最低限のルールを設ける必要性あると記載されています。
ただ、家で休息時間を設けるだけでは回復へのエネルギーがうまく充電されないからです(よっぽど状態がひどい場合には別です)。
著書には、生活面で必要な最低限のルールとして以下の4つを取り上げています(以下、著書引用)。
起きる時間
1日に「これだけ」はやっておくこと
帰宅時間・連絡方法など
ネット・ゲームとのつきあい方
それでは、以上に4点について見ていきます。
1.起きる時間
生活リズムの乱れは気力体力すべての低下に繋がっていきます。
エネルギー回復の原動力は生活リズムを整えていく中で養われていきます。
以下、著書を引用しながら見ていきます。
起床時間は決めておきましょう。起きたら朝食まで食べさせます。そこまで守れば、生活リズムは整いやすくなります。
著書にあるように、大切なことは、起床時間を決めることです。
朝日を浴びることで体内時計が整うため、起きたらすぐにカーテンを開けるなど日差しを浴びることが重要です。
起床時間を決めることで就寝時間も定まっていきます。
ただ、注意点としては、あまりにも学校での疲労が蓄積しており、一日中深い眠りについている場合には、そのまま寝せておくことも著者は大切だと思います。
そこから、少しずつ生活リズムを整えていくことが先のステップとして必要だと思います。
2.1日に「これだけ」はやっておくこと
家庭でできる手伝いを1日にひとつは決めておくと良いでしょう。
例えば、皿洗い、ゴミ出し、郵便の回収など、それほど労力がかからないものがいいかと思います。
子どもたちは、何もせずに一日中ゆっくり過ごすことに引け目を感じている場合もあります。
逆に、親もこのような子どもの姿を見てスッキリしない思いを抱くこともあります。
そのため、家庭のことを手伝うことで自分には家庭の中での役割があるということを実感でき、親子の関係性の維持にとってもポジティブな影響をもたらすと思います。
3.帰宅時間・連絡方法など
不登校の子どもの中でも、外出する場合もあります。
これまで、ずっと家にいた子どもが少しずつ外出するようになったことは、回復の兆しとみることもできます。
出かける元気があることは好ましいことですが、その中での、最終的な帰宅時間を決めたり、子どもから○○時までは帰るといった連絡を入れてもらうことが大切です。
4.ネット・ゲームとのつきあい方
自宅での過ごしに多いのが、ネットやゲームをして過ごすことです。
もちろん、禁止することはNGですが、ある程度の時間やルールなどを設定しておく必要があります。
不登校の子どもにとって、ネットやゲームが唯一の楽しみ、居場所と感じることもあるため、依存状態に陥らないような対応が必要です。
ネット・ゲーム依存への対応方法については以下の記事を参照して頂ければと思います。
関連記事:「【ゲーム依存にならないためのルール作りについて】療育経験を通して考える」
関連記事:「【ゲーム依存への対応方法】ルールを守れない時にどのように対応すればいいのか?」
以上、【不登校の子どもへの対応方法】家庭での過ごし方で大切なことについて見てきました。
著書にはありますが、家庭でのルールは高いハードル設けることはNGです。
あくまでも、子どものできそうなことを中心に、低いハードルでルールを設けていくことが重要です。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不登校の子どもへの対応方法について理解を深めていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
関連記事:「【不登校の子どもへの基本対応】まずは現状を肯定することから考える」