子どもたちの多くは〝ゲーム″が大好きです。
著者の療育現場で関わる子どもたちもゲーム好きの子どもたちが多くいます。
一方で、ゲームへの過剰なのめり込みが長期化することで、〝ゲーム依存″に繋がるリスクもあります。
そして、子どもが〝ゲーム依存″になる原因には様々な要因があります。
それでは、子どもがゲーム依存になる原因としてどのような要因があると考えられているのでしょうか?
そこで、今回は、ゲーム依存はなぜ起こるのか?について、背景となる原因について理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「森山沙耶(2023)専門家が親に教える子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド.Gakken.」です。
ゲーム依存の背景の原因について
以下、著書を引用しながら見ていきます。
心理的な要因
うつ状態
衝動性が高い
攻撃性が高い
環境的な要因
家族の機能が低下している
家族関係が悪化している
社会とのつながりが希薄
学校生活でのストレス
ネット・ゲームの要因
匿名であること
オンラインでの対人関係
オンラインへのアクセスのよさ
著書には、〝ゲーム依存(ネット依存)″の主な原因として、①心理的な要因、②環境的な要因、③ネット・ゲームの要因、の3つがあると記載されています。
現在の研究において、これら3つが主なリスク要因であると考えられており、単独で発症することもあれば、相互に関連し合いながら依存症状に繋がっていくと言われています。
それでは、①~③についてそれぞれ見ていきます。
①心理的な要因
情緒が乱れていくことで、その心理状態は外に向かう(攻撃性・衝動性)か、内に向かう(うつ傾向)といった2つのベクトルがあります。
こうした不安定な心理状態を一時的にでも抑えるために、ゲームにのめり込んでしまうこともあります。
一時的で終われば良いのですが、長期化すると〝ゲーム依存″に繋がるリスクが高まると言えます。
②環境要因
家庭内の不和、学校など社会生活のうまくいかなさといった環境要因も依存と大きく関連しています。
自分が置かれているリアルな環境に生きづらさを感じてしまうと、ゲームといったバーチャル空間の世界の方が心地よく感じることは当然あるかと思います。
そして、ゲームの世界に没入することが結果として、日常生活に支障を及ぼしてしまうことに繋がっていきます。
③ネット・ゲームの要因
ネット・ゲームは、自分の本名を公開する必要はなく、また、オンラインへのアクセスも容易にできます。
そして、オンライン上での見ず知らずの相手との交流の方が心地良さを感じることもあります。
特定のゲームといった同じ興味の世界での関わりは現実世界よりも深い繋がりを感じられることもありますし、現実世界の深い対人交流よりも自分のタイミングで関わりの質と量をコントロールしやすいこともゲームにのめり込みやすい一つの要因であると思います。
以上、【ゲーム依存はなぜ起こるのか?】背景となる原因について考えるについて見てきました。
これまで見てきたように、ゲーム(ネット)依存の背景には様々な要因があります。
〝ゲーム依存″への対応方法として大切なことは、こうした背景要因に目を向け、依存に繋がらざるおえなかったといった当人の困り感を理解していくことにあります。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も様々な依存には様々な原因・要因があるといったことを理解できる目を養っていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
関連記事:「【ゲーム依存への対応方法】基本対応と回復の過程について考える」
森山沙耶(2023)専門家が親に教える子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド.Gakken.