〝行動障害(Challenging Behaviour)″とは、自傷や他害、パニックや癇癪、器物破損など、その行動が自他に悪い影響を及ぼすものだとされています。
行動障害は知的障害や自閉症など障害のある場合に発症することが多く、症状の程度も軽度から重度まで幅があります。
家庭や学校、療育の現場などで対応に苦慮するケースが多くあります。
それでは、行動障害を理解する上で必要となる知識にはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで、今回は、行動障害を理解する上で非常に役立つおすすめ本3選【初級~中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、行動障害の理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~3の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.知的障害・自閉症のある人への行動障害支援に役立つアイディア集65例
行動障害支援に役立つアイディアがイラストや写真も踏まえて分かりやすく解説されています。
内容としては、知的障害や自閉症といった認知機能やこだわり行動などを考慮した行動障害への対応方法、環境設定(場所・位置取り・誘導移動など)のコツ、支援の心構えと事前の準備などについて豊富に記載されています。
この本を読むことで行動障害へのアイディアがたくさんあることを実感できると共に、一人ではなくチームで支援していくという大切さを感じさせてくれるものだと思います。
子どもから大人まで行動障害支援の現場で悩まれている方にお勧めです。
2.行動障害の理解と適切行動支援 英国における行動問題への対処アプローチ
1で紹介した書籍よりもやや専門的な本となっています。
この本は〝英国行動障害支援協会″によって書かれたものであるため、海外の行動障害への理解と支援について学ぶことができます。
訳本ではありますが、内容としては専門的な知識が分かりやすく解説されているため、難解ではありません。
行動障害とは?行動障害はなぜ起こるのか?その対応方法とは?とった基礎的な知識から、機能分析を用いた行動障害へのアセスメントと支援方法について記載されています。
中盤以降は、行動障害の様々なケースにおける支援の実際が載っています。
行動障害への理解と支援について専門的な知識を学びたい方にお勧めです。
3.適切行動支援PBSスタディパック 知的障害のある人の行動障害を減らす支援スキルを学ぶために
2と同じく〝英国行動障害支援協会″によって書かれた実践書になります。
1が理論的な部分が多く載っていたのに対して、今回取り上げる本は練習問題が載っているワーク形式のものです。
そのため、1の本を手に取ってさらに実践に活用したいと感じた方にお勧めです。
内容としては、行動障害に見られる不適切行動を機能分析によってアセスメントして、適切な行動へと学習を促していく(適切行動支援)ものとなっています。
また、支援者用テキスト教材(DVD)も付いています。
現場のスタッフ同士ワーク形式で実践に活用していきたいものを探している方にはお勧めです。
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