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発達支援(遊び編):「紙吹雪遊び」

投稿日:2020年7月1日 更新日:

療育施設では、自閉症児、ダウン症児、知的障害児、肢体不自由児など、非常に多様なお子さんたちが通園してきます。

私は以前、療育施設で指導員という立場で子どもたちの発達支援をしていました。

子どもたちが非常に多様なだけあって、子どもたち一人ひとりに合わせた療育が重要であり、その中で、「遊び」は子どもたちの発達上、重要な位置を占めています。

今回は、私の療育施設での経験から遊びを取り上げ、その中でも非常に人気の高かった「紙吹雪遊び」を例に取り、その遊びの内容や子どもたちの遊びの様子などをお伝えしていこうと思います。

最初に注意事項として、紙を食べてしまう危険性のあるお子さんがいないという前提の確認が必要です。

私の現場でも他のクラスに紙を食べてしまうお子さんがおり、そのお子さんがうちのクラスに来たときにはすぐにその遊びを変更したことを思い出します。

ですので、遊びに関しては個々の子どもたちの安全性を前提として考えていくことが大切になります。

以上を踏まえて、まずは「紙吹雪遊び」とはどういったものかをお話します。

最初に準備物です。

「紙吹雪遊び」は、まずは紙テープ(様々な色があります)を用意します。これを、数センチ程度に切ります。遊ぶスペースなどにもよりますが、私がいた療育施設では一クラスのスペースをフル活用しましたので、かなりの量を切りました。そして、切ったものを混ぜます。途中から別の色を混ぜたいときなどは、事前に混ぜません。あとは、うちわや段ボールなどあおぐものがあれば準備完了です。ちなにみ、私がいた療育施設には送風機といって、空気を送る機械があったのでこれも活用しました(ない場合が多いかと思います)。

次に私がやっていた遊びの展開方法です(参考までにですが)。

①子どもたちをひきつけるために、切った紙テープを何かに隠し(箱など)、子どもたちに期待を持たせます。

②掛け声などに合わせて(「3、2、1」)、紙を宙に向けて投げます。

③ある程度投げたら、他の先生や子どもたちも巻き込んで一緒になって投げます。

④しばらく遊んだら次にはうちわや段ボールなどを使いあおぎます。いろんな色のテープがきれいに宙を舞う様子は見ていても楽しいです。また、段ボールなど少し頑丈で大きいものだと、大量の紙がいっせいに舞い上がります。

⑤最後に、送風機を投入します。送風機の空気の入り口に紙をおくと、紙が勢いよく飛んでいきます。

以上が「紙吹雪遊び」の展開方法になります。

「紙吹雪遊び」はクラスみんなで楽しめる遊びの一つだと思います。

シンプルですが、色を見るのが楽しい、ヒラヒラと紙が舞うのが楽しい、自分で紙を飛ばすのが楽しいなど、様々な要素があります。また、紙を教室の角側に集めてたくさん飛ばすと、すごい勢いで多くの紙が宙を舞います!

「紙吹雪遊び」をやっている子どもたちの様子も多様です。

自分で大人がとばしている様子を見て、上手にうちわなどであおぐ子もいれば、紙が宙に舞っている様子を大はしゃぎで見ている子もいます。

真似が上手なお子さんは大人がうちわであおぐ様子を上手に真似たり、肢体不自由などのお子さんは、紙が宙に舞う様子を見て笑顔を浮かべたり、宙に舞っている紙に触れようと手を伸ばしたりなど、子どもたちによって楽しみ方も違いました。

「紙吹雪遊び」は、私が療育施設でやった遊びの中では、子どもたちの食いつきがよかったものの上位に入るかと思います。ですので、定期的にやりましたし、家族参観などのイベントでも実施しました。大勢でやって楽しいというところもポイントの一つです。家族の方も、広い教室で紙を飛ばすのを楽しまれていた方もいました。

繰り返して直ぐに飽きてしまう遊びもありますが、「紙吹雪遊び」は飽きが少なく(少し時期をおいてやってはいました)、むしろ子どもたちの期待値が高まっていたように感じます。何度か繰り返すと、私が紙を投げ様子すると、なんの遊びかに気づき“自分が紙を投げたい”と直ぐによってくる子どももいました。

私はこのように遊びの中で人気の高いものは意識的に多く組み込むようにしていました。子たちは何かに没頭・没入しているときに見せる表情は真剣そのものです。そして、飽きるまで遊びを繰り返すことがとても大切なことだと思います。

今後も子どもたちとの関わりを通して、楽しめる遊びや遊びの展開の仕方などを試行錯誤していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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