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【愛着で大切なオキシトシンの働きについて】療育経験を通して考える

投稿日:2024年6月3日 更新日:

愛着(アタッチメント)″とは、〝特定の養育者との情緒的な絆″のことを指します。

子どもは養育者との愛着関係を基盤として、その後の対人関係を発展させていきます。

愛着で大切なキーワードとして〝オキシトシン″の働きがあります。

〝オキシトシン″とは「幸せホルモン」「絆ホルモン」「愛情ホルモン」などと呼ばれています。

 

それでは、愛着で大切なオキシトシンの働きを通して、オキシトシンがリッチあるいはプアな人との間にはどのような特徴の違いがあるのでしょうか?

 

そこで、今回は、愛着で大切なオキシトシンの働きについて、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「岡田尊司(2014)母という病.ポプラ新書.」です。

 

 

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愛着で大切なオキシトシンの働きについて

著書には〝オキシトシン・リッチ″の特徴と、〝オキシトシン・プア″の特徴とが記載されています。

 


それでは、次に、それぞれについて見ていきます。

 

〝オキシトシン・リッチ″の特徴

以下、著書を引用しながら見ていきます。

オキシトシン・リッチな人では、対人関係に不安や不信を感じにくいので、自然と人とのつながりが増えるだけでなく、その関係は、豊かで安定した絆へと育まれやすい。また細かいことにあまり神経質にならず、寛容で、思いやりがあり、穏やかでバランスが良いのも特徴だ。

 

著書の内容から、〝オキシトシン・リッチ″な人の特徴は、他者を信頼する力が高いこと、他者との間に安定した関係性を築きやすいことなどが特徴として上げられています。

オキシトシン″とは、〝愛情ホルモン″ですので、オキシトシンが豊富にある人(オキシトシン・リッチな人)は、もちろん、他者からの愛情を多分に受けています。

豊富な愛情を受けている人は、ホルモンレベルでも、〝幸せ度″が高いと言えます。

 

著者はこれまで療育現場で様々な子どもたちと関わる機会がありました。

その中で、子どもが大人を中心とした関わりを通して〝オキシトシン″が高まっていると感じることはよくあります。

例えば、〝スキンシップ″を通した関わりによる満足感の向上、〝褒める・認める″などの言葉がけによる満足感の向上、など、身体的な関わりはもちろんのこと、言葉でのアプローチもまた効果的であると感じています。

こうした子どもたちは、活動を通して〝愛情欲求″が満たされていくといった感覚があり、その感覚は、表情や声のトーン、話の内容などからくみ取れる場合が多くあります。

 

 

〝オキシトシン・プア″の特徴

以下、著書を引用しながら見ていきます。

逆にオキシトシン・プアな人では、対人関係を楽しむことができず、知らずしらず親密な関係を避け、孤立や孤独に陥りやすい。不安が強いだけでなく、神経質で潔癖になりやすく、細かい点にこだわり、他人の欠点や嫌いなところばかりが気になり、許せないと感じる。

 

著書の内容から、〝オキシトシン・プア″な人の特徴は、他者との間に親密な関係を結ぶことが難しく、孤立しやすい傾向などが特徴として上げられています。

先に見た、〝オキシトシン″は〝愛情ホルモン″ですので、愛情ホルモンが不足していることは、つまり、他者(養育者など)からの〝愛情のエネルギー″がうまく満たされていない状態だと言えます。

このように、愛情が不足している人は、ホルモンレベルでも、〝幸せ度″が低いと言えます。

 

著者はこれまで児童相談所や療育現場などを通して〝虐待″など〝愛着障害″の子どもたちと関わる機会が少なからずありました。

こうした子どもたちの特徴は、〝愛情のエネルギー″がすでに枯渇している貯まりにくいといった印象があります。

もちろん、〝愛着障害″も個々によって状態像が非常に多様ですので、〝愛情のエネルギー″の満たされ方・満たされるはやさにも違いがあります。

そのため、こうしたケースにおいては、個々の状態像に応じた専門的な支援がより重要になってくると実感しています。

それだけ、〝オキシトシン・プア″が長期化した状態が続くことは、その後の支援の必要を高め、個々に応じた多様な支援の在り方(〝愛情欲求″の満たし方など)を考えることがさらに重要になるなど、多くの課題が生じてくるのだと思います。

 

 


以上、【愛着で大切なオキシトシンの働きについて】療育経験を通して考えるについて見てきました。

オキシトシンの働きは目に見えるものではありませんが、人間の幸福度を左右する重要なホルモンの一種です。

そして、オキシトシンを満たすことは日々の生活、そして、人生を豊かにする為にも必要不可欠な要素であると言えます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたちのオキシトシンを増やしていけるように、日々の活動の中で愛情のエネルギーを注ぐことを大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【愛着で大切な子どもの愛着欲求に応えるという視点】療育経験を通して考える

関連記事:「愛着欲求を満たすことの重要性-療育経験を通して考える-

 

 

岡田尊司(2014)母という病.ポプラ新書.

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-オキシトシン, 愛着

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