子どもが〝学校に行きたくない″といった時には、親は動揺します。
もちろん、親としては、学校に行ってほしいと考えている方が大半だと思います。
一方で、子どもの視点に立てば、行き渋りの理由を分かって欲しいという思い・辛い環境から回避したいという思いがあるかと思います。
それでは、不登校・登校しぶりを子どもが見せた場合には、親はどのように対応していく必要があるのでしょうか?
そこで、今回は、不登校・登校しぶりへの対応について、臨床発達心理士である著者の意見も交えながら、子どもが〝学校に行きたくない″と言った時の対応方法ついて理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「成田奈緒子(2023)「発達障害」と間違われる子どもたち.青春新書.」です。
不登校・登校しぶりへの対応
以下、著書を引用しながら見ていきます。
まずは、親が学校に行かないということをあまり深刻に受け止めないことです。
行きたくないという気持ちを親に言えるというのは、親子の信頼関係が育っている証拠です。
著書には、子どもが〝学校に行きたくない″と言い出したら、あまり深刻に受け止めずに対応する必要があるとしています。
それは、子どもの視点に立てば、学校にはいくべきものだと子どもは思っているも、どうしても行けない理由があるからです。
そのため、まずは子どもの気持ちに寄り添っていく必要があります。
そして、〝学校に行きたくない″という気持ちが言えるのは、著書にあるように、親子の信頼関係があるから言えるのです。
信頼関係がベースにある状態で子どもの思いを傾聴することで、その後、少し後押しすることで学校に行けるケースもあれば、一日休むことで行けるケースもあります。
一方で、長期間続くケースもあるなど、状態像は多様であると考えられています。
不登校・登校しぶりでやってはいけない対応
以下、引き続き著書を引用しながら見ていきます。
一番よくないのが、学校に行かないことで子どもの人格を否定してしまうこと。
親によっては、学校に行かない子どもは悪い子と考えてしまう場合もあります。
しかし、誰もが学校に行きたくなくなる可能性はありますし、気持ちを受容されずに無理に通い続けた場合には、身体症状が発症し状態が悪化してしまう場合もあります。
中でも、著書にある通り、〝人格の否定″は子どもの自尊心の発達を大きく阻害することに繋がっていきます。
学校に行かない状態であっても、子どものことを一人の人格を持った子どもとして大切に関わることがとても大切です。
著者のコメント
著者の身近には、〝学校に行きたくない″という思いを強く持っているも我慢して通い続けていた人がいます。
その方は、何とか学校に通うも、徐々に様々な所で身体症状が出てきました。
学校こそ無事に卒業するも、卒業後はエネルギーが切れてしまい、意欲の低下が続いてしまいました。
それと併行して、過去への後悔の念が肥大化していきました。
〝無理に学校に通い続けるもそこで獲得できたものが何もない″〝自信になったものが何もない″〝自分には合っていない環境であった″など過去の辛い経験を繰り返し言葉にする様子がありました。
人は、無理をして環境に自分を合わせようとすると、精神エネルギーが衰退してしまい、そこから回復するにもまた後悔を振り返りながら、少しずつ成功体験を積み重ねていく必要があります。
人が意欲を持って環境の中で必死に行動するには、〝何かやりたいことや楽しみがある″〝学ぶ喜び・他者と関わる喜びがある″といった動機があるからだと思います。
この方は、最終的には自分に合った環境を探していきながら、長い道のりの中で、自分を成長させることが少しずつできるようになっていきました。
その中で、後悔の念も徐々に解消されていった感じがします。
このケースを通して、著者は学校に行くのは当たり前ということに様々な疑問を持つようになりました。
以上、【不登校・登校しぶりへの対応】子どもが〝学校に行きたくない″と言った時の対応方法について見てきました。
もちろん、学校で良い先生との出会い、良い仲間との出会い、良い学びや経験ができたと感じる人も多くいると思います。
一方で、今回見てきたように必ずしもすべての人が学校に合うわけではないもの事実だと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不登校関連の情報を収集していきながら、教育現場に隣接する療育の現場において、子どもたちに良い支援を届けていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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