発達障害が増加する中で、実際の所、発達障害ではなかったというケースも存在しています。
今回参照する著書の成田さんは、〝発達障害もどき″を〝発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けのつかない症候″だとしています。
つまり、〝発達障害に症状が似ているが、発達障害ではない″というケースです。
〝発達障害もどき″を理解し支援する上で大切なことは、脳の発達の順番を正しく理解することにあります。
関連記事:「【〝発達障害もどき″を改善する方法】知っておくべき脳の発達の順番」
それでは、〝発達障害もどき″を改善するためにはどのような方法があるのでしょうか?
そこで、今回は、〝発達障害もどき″を改善する方法として、脳を作り直すたった一つの方法について理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「成田奈緒子(2023)「発達障害」と間違われる子どもたち.青春新書.」です。
〝発達障害もどき″を改善するたった一つの方法
以下、著書を引用しながら見ていきます。
その方法として、行ってほしいのが「生活の改善」です。
生活が改善すると、
①からだの脳の育て直しができ、脳のバランスが整う
②セロトニン神経を育てられる
③睡眠が安定する
著書の内容から、〝発達障害もどき″を改善するたった一つの方法とは、「生活の改善」です。
「生活の改善」を通して、引用した①~③に良い変化が生じ、子どもの状態が急激に変化していくと言われています。
発達には順番があることが分かっています。
つまり、発達の初期である土台となる部分を整えていくことが大切だということです。
それでは、①~③について著書を参照しながら具体的に見ていきます。
①からだの脳の育て直しができ、脳のバランスが整う
〝からだの脳″とは、発達初期の脳の育ちに必要な呼吸・体温調整など生命維持に必須の機能を担う部分になります。
それでは、〝からだの脳″を育てるためには何が大切となるのでしょうか?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
昼間動いて、夜は眠る動物なのです。この本来の人としてのリズムの中で得られる刺激が、脳を育てる刺激です。
著書にあるように、〝基本的な生活リズムを整える″ことが大切です。
朝起きて太陽の光を浴びること、夜は暗くして早めに就寝すること、食事や運動をしっかりとることが必要です。
こうした基本的な生活リズムを整えていく中で、〝五感″がより刺激されて脳が育っていきます。
②セロトニン神経を育てられる
〝セロトニン″とは、〝幸せホルモン″とも言われています。
セロトニンが分泌されることで、心身が安定し幸福感が高まっていきます。
それでは、〝セロトニン″神経を育てるためには何が必要なのでしょうか?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
このセロトニン神経を育てるのに大事なものも、規則正しい生活です。朝には日の光を浴び、夜には部屋を暗くして寝る。
ここでもまた〝規則正しい生活″が出てきました。
〝セロトニン″神経を育てるためには、〝規則正しい生活″が重要であり、生活習慣が改善されることで〝発達障害もどき″の症状も改善すると言われています。
③睡眠が安定する
①と②で見てきたように、〝生活リズムを整える″ことは、〝睡眠の安定″にも繋がっていきます。
〝発達障害もどき″の症状の中には、睡眠の乱れも多くあると著書には記載があります。
私たち大人も、ある程度の年齢が行くと無理がきかなくなっていきます。
そして、睡眠時間が減ると、日中イライラしたり、思考停止の状態になることもあります。
子どもにとっては特に脳が急速に成長する途上のため、しっかりと睡眠をとることが大切です。
以上、【〝発達障害もどき″を改善する方法】脳を作り直すたった一つの方法について見てきました。
〝発達障害もどき″を改善するたった一つの方法とは、〝生活の改善″にあります。
非常にシンプルな方法ですが、難しいことは、生活リズムが非常に乱れているケースだと思います。
無理にすべてを治すのではなく、できる所からはじめていき習慣化に繋げていくことが大切だと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたちの生活リズムを整えることも視野に入れながら療育の質を高めていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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