〝ゲーム依存″への対応方法には様々なものがあります。
例えば、生活に支障が出ない程度のゲーム利用時間のルールの決め方、ルールを守れないときの対応などがあります。
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その他にも、ゲーム以外に楽しめる活動を探し増やしていくこともまた大切です。
それでは、ゲーム以外に楽しめる活動を探し増やしいくためにはどのような対応方法が必要になるのでしょうか?
そこで、今回は、ゲーム依存への対応方法について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、ゲーム以外の楽しみの作り方について理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「森山沙耶(2023)専門家が親に教える子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド.Gakken.」です。
ゲーム以外の楽しみの作り方について
以下、著書を引用しながら見ていきます。
ネット・ゲーム依存の予防には、使用ルールを決めることだけでなく、ネット・ゲームだけでないリアルにおける楽しみや趣味が充実していることも重要です。
著書には、〝ゲーム依存″への対応方法として、使用のルール決め以外に、リアルにおける楽しみや趣味を充実させていくことが重要であると記載されています。
著者もリアルな体験は子どもの発達上非常に大切なものであると実感しています。
例えば、体を使ってダイナミックに遊ぶ、手を使って何か物を作る、他者と様々な体験を共有するなど、五感をフルに使う活動が未就学・小学生の時期において特に必要だと感じています。
リアルな体験によって、子どもたちは自他の心の状態を読み取る力や豊かな言葉の発達を獲得していき、また、感覚や身体機能の向上、想像性や創造性の発達など様々な能力を獲得していくことができます。
もちろん、ゲームから得られる楽しさ、他者との繋がり、創造的なゲーム活動もあるかと思います。
ここでは、ゲームのやりすぎを予防すること、そして、ゲーム依存の状態の人を想定したものだということを強調しておきたいと思います。
一方で、ゲーム以外の活動にやみくもに誘っても活動のレパートリーが簡単には増えていかない難しさがあります。
そのため、ゲーム以外の活動を増やしていくためにはいくつかのコツがあります(以下、著書引用)。
〇子どもが楽しいと感じられる活動
〇やるべきことは脇に置く
〇「お試し」から始める
上記の中で特に、著者が特に大切だと感じるものは〝子どもが楽しいと感じられる活動″を考え実行していくことです。
ゲーム以外の活動を増やしていくためには、ゲーム以上に楽しめる活動、あるいは、ゲームに拮抗する程度に楽しめる活動を考案していく必要があります。
これはなかなか難しいことですが、ヒントは子どもがのめり込んでいるゲーム内容からヒントを得ることもできます。
例えば、子どもがスマブラが好きであれば、戦いごっこや武器作りをリアルに落とし込む活動を設けることで、ゲーム以外の楽しみができるケースもあるかと思います。
実際に、子どもが好きなゲームや興味関心のある話題を遊びに発展していくことで活動の幅が広がった子どももいます。
その他、〝やるべきことは脇に置く″とは、宿題や手伝いなど大人が手伝ってもらいたい活動とは少し距離を取ることも必要です。
最後の、〝「お試し」から始める″ことも重要な視点です。
前に述べた〝子ども楽しいと感じられる活動″がなかなかうまく思い浮かばない場合など、とりあえず試してみることも必要です。
例えば、外遊びに誘ってみる、買い物に誘ってみる、制作遊びに誘ってみるなど、著者も子どもの興味関心を広げるために一度思いついた活動に誘いかける、そして、体験させることもあります。
もちろん、うまくいかないことも多くありますが、中には、偶然ヒットすることもあります。
以上、【ゲーム依存への対応方法】ゲーム以外の楽しみの作り方について見てきました。
ゲーム依存への対応として、ゲーム以外に様々な興味のある活動を探し見つけていくことは非常に重要な視点だと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で子どもたちの興味関心を深掘りしてその世界を広げていけるように、子どもの行動を観察する力と活動内容の工夫を見つめ直していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
森山沙耶(2023)専門家が親に教える子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド.Gakken.