〝大人の発達障害″がここ最近注目を集めるようになっています。
注目を集めるようになった背景にも様々な要因がありますが、中でも、発達障害の社会的認知の高まり、そして、大人になってからも社会での生きづらさを感じており、その要因が発達障害にあった方が多くいたことがあります。
それでは、大人の発達障害の理解を深める知識と課題解決方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで、今回は、療育現場で大人の発達障害の人たちとも関わりのある臨床発達心理士である著者が大人の発達障害に関するおすすめ本10選【初級~中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、大人の発達障害に関する理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~10の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.オトナの発達障害大図解 ASDとADHDの基礎知識から社会復帰の方法まで
大人の発達障害の入門書とも言える本です。
そのため、初めて大人の発達障害についての書籍を探している方にお勧めです。
内容としては、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)に関する基本的な知識に加え、社会復帰までの方法が記載されています。
イラストも豊富なため、実際の日常生活における困り事がイメージしやすく書かれています。
精神科医の方々が書いた本であるため、医療的な視点が強く出ています。
2.発達障害の人が見ている世界
精神科医の〝岩瀬利郎さん″が書いた本になります。
発達障害の人は周囲からすると少し変わった人、付き合うのが難しい人と感じることがあります。
しかし、その背景には脳の特性が影響しているため見えている世界が違うからです。
本書では、子どもから大人までを対象に、発達障害のコミュニケーションと行動上の様々な特徴について、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)を中心とした様々なケースが載っています。
ASDとADHDの人たちが見ている世界を理解するためにはとても分かりやすい本となっています。
さらに、最後の章では、特性の活かし方についても記載されています。
発達障害の人が見ている世界について理解を深めたい方にとってお勧めです。
3.発達障害のある人の「ものの見方・考え方」:「コミュニケーション」「感情の理解」「勉強」「仕事」に役立つヒント
心理学の研究者の人たちが中心となって書いた本になります。
発達障害のある人の〝ものの見方・考え方″といった情報処理の〝癖″について具体的な説明と困り感への対処法が記載されています。
本書もまた、子どもから大人までを対象としており、タイトルにあるように、「コミュニケーション」「感情の理解」「勉強」「仕事」に焦点を当てて解説しています。
アカデミックな内容が背景にありながらも、専門的な知識が非常に日常生活にまで落とし込まれて分かりやすく書かれている本になっています。
発達障害のある人の認知処理から見た困り事の背景と対処法についての理解を深めたいと考えている方にお勧めです。
4.大人の発達障害の理解と支援 (ハンディシリーズ発達障害支援・特別支援教育ナビ)
複数の研究者や実践者が手掛けた本となっています。
内容としては、大人の発達障害についての現状や現在の取り組み状況(具体的な支援なども含め)などが網羅的に記載されています。
現在の大人の発達障害についての研究動向なども含め、短く(分量として100ページ程度)大人の発達障害についての全体像を理解したいと考えいる方にお勧めです。
5.最新版 大人の発達障害[ASD・ADHD]シーン別解決ブック
発達障害領域では大変著名な〝司馬理英子さん″が書いた本になります。
この本では、大人の発達障害(ASDとADHD)の方を対象に、それぞれの症状の基礎知識、様々な困り事への解決方法、治療方法が記載されています。
非常に実用的な書籍となっており、当事者の方から見ると実践に役立てることができ、イラストなども豊富なため、初心者の方が読んでも理解できる内容となっています。
大人のASDやADHDを抱えて悩まれている方をはじめ、周囲に発達障害のある方(その傾向のある方)との関わりで悩まれている方にお勧めです。
6.これ一冊で大人の発達障害がわかる本
発達障害領域で大変著名な〝岩波明さん″をはじめ、医療現場の先生たちによって書かれた本になります。
内容としては、大人の発達障害について(ASDやADHD)、診断と検査、薬物療法、心理・社会的治療、発達障害に関連する様々な病態、ライフステージにおける様々な問題、大人の発達障害のサポート、から構成されています。
医療・福祉・教育など様々な領域に携わっている方にとっては大変参考になる本です。
7.おとなの自閉スペクトラムーメンタルヘルスケアガイド
発達障害領域で大変著名な〝本田秀夫さん″を中心に多くの先生たちによって書かれた本になります。
本書では、〝ニューロダイバーシティ″という価値観に基づいて、ASD(自閉スペクトラム症)ではなくAS(自閉スペクトラム)という特徴から成人期のメンタルヘルスについて理解を深めていくことのできるものとなっています。
そのため、ASの人たちが持つ多様な臨床像への説明と診断方法、そして、個々のケースの違いに応じた支援方法について解説されています。
当事者を含め、大人のASの人たちと関わるすべての方にとってお勧めです。
8.ここは、日本でいちばん患者が訪れる 大人の発達障害診療科
これまで多くの大人の発達障害についての診療経験のある〝加藤進昌さん″が書いた本になります。
内容としては、主に大人のASD(自閉スペクトラム症)について特徴や診断の経緯に関する事例、ASDと間違いやすい症状、ASDの治療法、周囲ができる関わり、発達障害の本質、などが記載されています。
大人のASDについて理解を含めたい方、そして、身近にその傾向があり悩まれている方に特にお勧めです。
9.おとなの発達障害 診断・治療・支援の最前線
医学系の先生たちが書いて本になります。
タイトルにある通りに、大人の発達障害に関する、診断、治療、支援について豊富なエビデンスをもとに最先端の研究知見が記載されています。
一方で、専門家でなくても読める内容のため、大人の発達障害についての最新の知見を知りたい方にお勧めです。
10.発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい
当事者研究とは、悩みや困難さについて、一人で行うのではなく、仲間と同じ共通の課題を見つけ、共有し、理解を深めていくことだと考えられています。
本書は、〝綾屋紗月さん″と〝熊谷晋一郎さん″による当事者の人たちが手掛けたものです。
当事者だからこそ見えてくる感覚・世界について理解を深めるためる上で大変参考になる本です。
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