〝境界知能″とは、IQ、つまり知能指数でいうと、70~84のゾーンを指し、これは人口全体の14%(クラスに約5人)いる計算になります。
一方、〝知的障害″とは、IQが69以下のゾーンを指します。知的障害は、全人口の約2%(クラスに約1人)になります。
割合だけでみると、知的障害よりも境界知能の方がとても多いことがわかります。
しかし、知的障害と比べ境界知能は、状態像が定型発達児・者と近いこともあり周囲からのわかりにくさや理解がされにくいことも問題としてあります。
それでは、境界知能を理解する上でどのような知識が重要となるのでしょうか?
そこで、今回は、境界知能を理解する上で非常に役立つおすすめ本4選【初級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、境界知能の理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~4の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ
著者は児童精神科医・医学博士の〝宮口幸口さん″になります。
今回の記事で紹介する本は全て〝宮口幸口さん″です。
それだけ、境界知能について詳しい方です。
中でも、今回紹介する本は、境界知能の入門書といっても良いほど、分かりやすくかつ重要な知識を得ることができます。
境界知能とは?知能検査とは?支援方法とは?について学びたい方にはお勧めです。
2.ケーキの切れない非行少年たち
ご存じの方も多いかと思いますが、〝宮口幸口さん″の中でも大変有名な本です。
タイトルあるように、非行少年たちの多くは、ケーキを○等分するという課題に困難さを抱えています。
つまり、認知機能に弱さがあるということが宮口さんの臨床経験から分かってきたこと、そして、境界知能に焦点を当てて考察を深めている本になります。
様々な問題行動の背景には、境界知能といった認知機能の問題も関連しているということに気づかせてくれる非常に示唆に富んだ本です。
3.マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち
〝マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち″シリーズの最初の本になります。
様々な子どもたちの問題行動の背景には、境界知能とグレーゾーンが潜んでいる可能性があるということが様々なケースから、マンガを通して学ぶことができます。
マンガでは学校といった教育現場が舞台となっているため、教育現場に関わっている方(関わろうとしている方)をはじめ、教育現場に間接的に関わることがある医療・福祉、家庭の方にもぜひ手に取って読んで頂きたい本になっています。
4.普通にできない子を医療で助ける マンガでわかる 境界知能とグレーゾーンの子どもたち5
〝マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち″シリーズの5になります。
1と同じく教育現場での話が取り上げられています。
教育現場での子どもたちの困り感について、医療機関に繋がり問題を解決していくという内容になっています。
そのため、教育現場だけでは解決が難しい、医療といった専門領域からのアプローチを知りたい・取り入れていきたいと考えている方にはお勧めです。