ADHD(注意欠如多動症)とは、不注意・多動性・衝動性を主な特徴とした発達障害です。
ここ最近では、大人のADHDが注目を集めており、ASDと並んで発達障害の社会的な認識が進んできている代表的な発達障害となっています。
それでは、ADHDとは具体的にはどのような症状・行動特徴があるのでしょうか?
そして、行動特徴の背景要因や支援方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで、今回は、療育現場でADHDの人たちとも関わりのある臨床発達心理士である著者がADHDに関するおすすめ本5選【初級~中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、ADHDへの理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本
ADHDの子どもを対象として書かれた本であり、イラストが豊富なため初心者にとっても分かりやすいものとなっています。
ADHDに関する基礎知識や周囲の接し方のポイント、そして、医療機関での治療法、将来に向けたサポートなどが記載されています。
また、後半では、例えば、〝人の話を聞く″ためのサポートのヒント、〝切り替える″ためのサポートのヒントなど計31の園・学校や家庭でできるサポートが豊富に載っているため、実践的な書籍としても活用できます。
子どものADHDの概要を入門書的に知りたい方にとってはお勧めです。
2.最新版 真っ先に読むADHDの本
著者の〝司馬理恵子さん″は発達障害関連の書籍を多く出版されていますが、中でもADHDに関する本はお勧めです。
この本では、子どものADHDの基礎知識がイラストも交えながら分かりやすく記載されています。
そのため、1と併せて読んで頂けると理解がさらに深まると思います。
中でも、のび太型・ジャイアンツ型などADHDの中でもいくつかタイプの違いがあるとった説明が分かりやすく、タイプ別の関わり方も載っています。
分量も多くないため一冊にコンパクトにまとまっている入門書を探している方にはお勧めです。
3.大人のADHD もっとも身近な発達障害
医師である〝岩波明さん″が書いた本であるため、医学的な見地からの知識が豊富に記載されています。
しかし、内容としては小難しいものではなく、大人のADHDを理解する入り口としてはとても良い本です。
ADHDの症状や治療法、ASDとの違いに加え、成人期に見られる様々な症状が豊富に記載されています。
大人のADHDについて理解していきたい方にはお勧めです。
4.もしかして、私、大人のADHD? 認知行動療法で「生きづらさ」を解決する
著者の〝中島美鈴さん″にもADHDの特徴があると著書の冒頭で書かれています。
そのため、当事者よりの感覚で書かれている印象を受けることもあり、大人のADHDを分かりやすく理解できる書籍になっています。
この本では、ADHDの症状、原因、治療法などが記載されており、後半では、タイトルにある通り認知行動療法からのアプローチ方法が載っています。
著者はこの本を読んで、著者の身近にいるADHDの疑いのある方の理解がとても進んだこともあり、大人のADHDを理解する上でお勧めの本です。
5.おとなの発達障害 診断・治療・支援の最前線
最後に医師らを中心として書かれた本の紹介になります。
これまで紹介してきた本とは違いADHDの専門書ではありませんが、ADHDの障害について深い理解(知識)を得ることができます。
そして、ADHDを理解するためには、ASDも併せて理解する(逆も言えます)必要があるということが詳しく書かれています。
つまり、両者は似ている部分もあれば、相違点もあるということであり、大人の発達障害の方には、様々な障害が重複しているケースや特定の診断を受けていながらも別の特性が隠れてるケースもあるなど、非常に診断が難しい場合もあるということです。
後半では、心理社会的治療や就労支援など治療や支援に関する内容も記載されています。
少し難しい内容もあるかもしれませんが、ADHDを深く理解する上で様々な気づきを与えてくれるお勧めの本です。
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