子どもの中には、物の整理整頓が苦手な人たちがいます。
中でも、発達障害児は、特性からくる見通しの持ちにくさや、興味のあることに気を取られてしまうこと、さらに、全体よりも部分に注意がフォーカスすることなどから、〝片付け″を苦手としている人たちも多いと思います。
一方で、少しずつ時間をかけて〝片付け″の定着をサポートすることでうまく片付けられるようになっていく場合もあります。
それでは、〝片付け″がうまくなるためにはどのような関わり方のコツがあるのでしょうか?
そこで、今回は、発達障害児は〝片付け″が苦手?について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、〝片付け″がうまくなるためのコツについて理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「小嶋悠紀(2023)発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル.講談社.」です。
〝片付け″がうまくなるためのコツについて
以下、著書を引用しながら見ていきます。
私は、「一緒に片づける」のがベストだと思っています。
一緒に片づけて、お手本を示しましょう。子どもが見ている前で、ほとんど大人が片づけているような状態になっても構いません。一緒に片づけをしてお手本を見せ続けるのが、いちばんのサポートです。
著書の内容を見て意外だと感じた方も多いのではないでしょうか?
〝片付け″がうまくなるためには、できるだけ子どもだけでするように声掛けしていくことが大切だと考えている人が多いのではないでしょうか?
つまり、大人はできるだけ手伝わないように関わるといったイメージです。
著者も最初はこのようなイメージを持っていましたが、よくよく考えていくと声掛けだけでは難しいこともあります。
何度も何度も声掛けしても思い通りに片付けをしないことはよくあることです。
そのため、著書にあるように〝一緒に片づけるのがベスト″と割り切ることで関わり手もストレスが減るのではないでしょうか?
一方で、大人が常に手伝うことで子どもが自分でできる力を損なうのではないのかと疑問にもたれる方もいると思います。
この点について、引き続き著書を引用しながら見ていきます。
片づけの支援を続けていると、子どもはある日突然、自分で片づけ始めます。
著書には、大人が一緒に片づけを続けていくことである日突然自分から片付けられる日が来ると記載されています。
著者もこうした経験は少なからず実感することがあります。
これまでほとんど片付けができなかった子どもが片付け続ける著者の姿を見てなのか気が付いたら自分から片付けをするケースもあったように思います。
それでは、最後に、これまで著書を参照して見てきた〝片付け″のコツ以外に著者が行っている方法を紹介したいと思います。
まずは、王道ですが、片付ける物・場所を分かりやすく〝構造化″することです。
つまり、出した物を戻す場所を子どもにとって分かりやすく整えることです。
次に、〝先の見通しを伝える″ことです。
〝片付け″を含めて活動のスケジュールを組むことが大切であり、活動→〝片付け″→お帰り、といったようにスケジュールに組み込むことでルーティン化していくという方法です。
次に、〝片付け″を〝遊び感覚で行うような声掛けをする″ことです。
著者はよく片付け競争を活動の最後に取り入れるようにしています。
どうしても集団遊びだと出した物が多くなり片付けるのが大変になります。
この大変さを逆手に取り集団の力を借りることで子どもたちのエネルギーが片付けに向き一気に片付けが終わる場合も多くあります(かなりの頻度で行っています!)。
以上、【発達障害児は〝片付け″が苦手?】〝片付け″がうまくなるためのコツについて考えるについて見てきました。
こういう著者も〝片付け″が得意ではありません。
しかし、最低限の〝片付け″ができるようになったのも、子どもの頃に一緒に片づけを手伝ってくれた人、そして、片づけの手本を見せてくれた人の影響があったのだと感じています。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も子どもたちに物の整理の仕方を教えていけるように、片付けのコツについて様々な方法を考え実践していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
小嶋悠紀(2023)発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル.講談社.