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【自由遊びとは何か?育まれる力とは何か?】療育経験を通して考える

投稿日:2023年6月7日 更新日:

著者は発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育をしています。

療育の主な活動には、〝遊び″があります。

中でも、〝自由遊び″といった子どもたちが自らやりたい遊びを選択し、一人ひとりが自由な時間を過ごすことが多くあります。

 

それでは、そもそも〝自由遊び″とはどのようなものであり自由遊びによってどのような力が育まれるのでしょうか?

 

そこで、今回は、自由遊びとは何か?育まれる力とは何か?について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「ピーター・グレイ(著)吉田新一朗(訳)(2018)遊びが学びに欠かせないわけ 自立した学び手を育てる.築地書館.」です。

 

 

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自由遊びとは何か?

以下、著書を引用しながら見ていきます。

自由遊びは、子どもたちに自分は無力ではないことを教える自然な方法です。

 

大人から離れた遊びの場では、子どもたちは自分のしていることをコントロールしており、実際与えられえた権限を行使しています。自由な遊びの中で、子どもたちは自ら決断すること、問題を解決すること、ルールをつくったり守ったりすることを学びます。さらに、他者に対して服従する者や反抗的に従属する者になるのではなく、他者と平等な関係を築くことを学びます。

 

著書の内容から、〝自由遊び″とは、子どもが自分は無力ではない力のある存在であることを認識できるものだと考えられています。

さらに、自己をコントロールする力、自己決定力や問題解決力、ルールを作る・守る力、他者との平等な関わり方を築く力など、様々な能力を獲得することを学ぶものだと考えられています。

人は、周囲からの制約が外れ自由な状態を経験する中で、自分が好きなこと、やりたいことを見つけ、没頭するなど創造的になれるのだと思います。

子どもの頃から、ある程度の自由な時間を過ごすことは上記の力の発達の成長においてとても重要だと言えます。

逆に制約が強すぎる中で、好きなことややりたいことを見つけることは難しいのかもしれません。

 

 

著者の経験談

著者の療育現場にも〝自由遊び″の時間は多く存在しています。

〝自由遊び″がある一方で、〝設定遊び″などある程度やる活動が決まっている時間帯もあります。

〝自由遊び″を通して、子どもたちは、自分が好きなことや、やりたいことを見つけ、その遊びを継続・発展させていく様子が伺えます。

もちろん、発達に躓きのある子どもたちですので、様々な場面で大人が配慮やサポートをしていく必要があります。

ここで大切なことは、子どもたちがやりたい遊びがあること、その遊びに没頭している感覚を得られていることだと思います。

自由な遊びは、自己の存在を認識している状態だとも言えます。

つまり、大人から社会からの強い制約が外れている状態だと言えます。

このような状態において、子どもたちは初めて自由をあるがままに体感することができるのだと言えます。

子どもたちは遊びの中で一見するとわがままに見られる行動を見せることもありますが、自由な状態を体感するとは思いっきり笑ったり、ふざけたりできる状態も含まれてます。

著者が見ている子どもたちは、遊び切った後はむしろ落ち着いていることが多い印象があります。

そのため、子どもたちが持っている潜在的なエネルギーを開放することが大切だと感じています。

こうした自己が持つエネルギーを開放していく中で、自己コントロールの力が育まれていくのだと思います。

 

子どもたちの中には、自由な時間の過ごし方がわからない子も時々見られますが、様々な活動を大人が提案していく中で、少しずつ活動の幅が広がり、その過程の中で自分がやりたい遊びを決めるなどの自己決定の能力が身に付いてきます。

自己決定力は、大人になるにつれてとても必要になってきます。

自分でやりたいことを決める力は、その後の将来の仕事や趣味の発展に影響してくるからです。

 

著者の療育現場に見られる〝自由遊び″の例は一人ひとり異なりますが、例えば、工作、お絵描き、読書、ごっこ遊び、外遊びなどに取り組む子どもたちが多くいます。

子どもたちは、〝自由遊び″を他者と共有することで、遊びの中でルールを作ったり、そのルールを守る場面も多く見られます。

むしろ、普段はルールをあまり守ろうとしない子も、自分が好きな遊びであればルールを意識することが多いように感じます。

また、子どもたち同士で問題を解決しようとしたり、平等な関係性を築くなど〝自由遊び″を通して、問題解決力や対人関係能力を高めていくこともまた実感しています。

著者が関わる子どもたちは、子どもたち同士の共同遊びの中で様々なルールを考え、その中で、共に問題を解決しようとしたり、他児との繋がりや関わり方などを学んでいく様子が見られています。

 

 


以上、【自由遊びとは何か?育まれる力とは何か?】療育経験を通して考えるについて見てきました。

〝自由な遊び″はその言葉が持つ幅の広さから、どのようなものであり、そして、どのように子どもたちの育ちに貢献するのかがわかりにくいとも言えます。

今回見てきた内容から、〝自由遊び″には、子どもたちの様々な能力の育ちに寄与する要素が含まれていることが理解できたかと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も自由な遊びを通して、子どもたちのより良い発達に貢献していけるような取り組みを目指していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

ピーター・グレイ(著)吉田新一朗(訳)(2018)遊びが学びに欠かせないわけ 自立した学び手を育てる.築地書館.


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