著者は長年、発達に躓きのある子どもたちと療育現場で関わってきています。
子どもたちのタイプや状態像などにもよりますが、子どもたちは時間をかけて少しずつお互いを意識し合い、その中で集団遊びを通してお互いの結びつきをさらに高めていきます。
それでは、集団遊びに至るまでの子どもたちの結びつきを高めるためには、どのような方法が必要なのでしょうか?
そこで、今回は、集団遊びに至るまでの子どもたちの結びつきを高める方法について、臨床発達心理士である著者の療育経験から考えを深めていきたいと思います。
集団遊びに至るまでの子どもたちの結びつきを高める方法
著者が子どもたちの結びつきを高める方法には、主に以下の三つのステップがあると考えています。
1.大人との信頼関係
2.興味関心を通して子ども同士を繋ぐ
3.分かりやすい遊びのルール設定から成り立つ小集団
以上の三つのステップを意識することで子どもたちの結びつきを高めていけると感じています。
注意点として、子どもたちには発達段階があります。つまり、集団遊びができる発達を遂げているかを把握していくこと、そして、子どもたち同士の相性を踏まえて集団を作っていくことが大切だと感じています。
それでは、次に1~3について具体な方法を見ていきます。
1.大人との信頼関係
子どもたち同士の関係以前に、子ども集団を引っ張っていく大人との信頼関係が大切になります。
子どもたちは、何か困った事があれば助けてくれる大人、よいアイディアを提案してくれる大人、自分のことを分かってくれる(くれようとしている)大人、面白い遊びを考えてくれる大人のことを信頼する傾向があります。
そのため、上記の内容を意識しながら、少しずつ子どもとの信頼関係を作っていくことが重要だと考えています。
2.興味関心を通して子ども同士を繋ぐ
子どもたちは、お互いの興味関心が共通しているとまとまる傾向があります。
それは、対人関係に苦手さのある子どもたちにとって大切な入り口になります。
興味関心が共通していることで、お互いの話のやり取りが増えていき、次第に、子どもたちだけでも、遊びを考え発展させようとする姿が見られるようになります。
もちろん、大人が間に入り、子ども同士の関わりを調整したり、遊びをリードすることも必要になります。
そのため、上記の内容を意識しながら、子ども同士の関わりを調整しながら、大人が良いフィードバックを返していくことが大切です。
お互いが良いフィードバックを受けることで、互いの関係は良い方向へと進んでいき、深いところで通じ合う関係へと発展していく姿も見られます。
3.分かりやすい遊びのルール設定から成り立つ小集団
子ども同士といった二者間以上の関係の発展には、分かりやすいルール遊びが役立ちます。
遊びの内容が複雑であると、発達に躓きのある子どもたちにとっては情報量が多くなりすぎてしまい、互いを意識しながら楽しむというレベルまでにはなかなか到達できません。
そのため、シンプルな遊びのルールを設けることが他児を意識するためには大切になります。
例えば、ドッチボールにせよ、戦いごっこにせよ、大人VS子ども、という構図にすることで子どもたちはシンプルなルールの中でお互いが味方だという意識が高まり、少しずつですが、小集団遊びに対する楽しさを実感できるようになると感じています。
そして、子どもたちは、一緒にいて居心地が良い相手、一緒に面白い話や遊びをやりたい相手といった、信頼し合える小集団ができることでさらに遊びを発展させようとします。
以上、【集団遊びに至るまでの子どもたちの結びつきを高める方法】療育を通して考えるについて見てきました。
著者の療育現場では、集団遊びが多く見られます。
一方で、集団遊びは少しずつ時間をかけながら形成・発展していくという実感があります。
そして、その過程には今回見てきたように様々なステップがあるのだと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で集団を作り、発展させていくためには何が大切であるのかを考え実践していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
関連記事:「療育で大切な視点-集団遊びはどのように発展していくのか?-」
関連記事:「【〝集団遊び″がうまくいかない場合の対応方法】〝ルール遊び″を通して考える」