愛着とは特定の養育者との情緒的な絆なことをいいます。
愛着関係において、乳幼児期がとても大切な時期ですが、子どもたちが成長していく中で、他の大人との愛着関係も同様に大切です。
それは、幼稚園や保育園、学校などの教育場面についても言えます。
それでは、保育者や先生が子どもと良い愛着関係を作るためには何が大切なのでしょうか?
そこで、今回は、保育者や先生が子どもと良い愛着関係をつくる上で大切なことを大きく三つの視点からお伝えします。
今回参照する資料は「遠藤和彦(編)(2021)入門アタッチメント理論:臨床・実践への架け橋.日本評論社.」です。
保育者や先生が子どもと良い愛着関係をつくる上で大切なこと
以下、1~3までの3点について大切な視点をお伝えします。
1.子どものサインに直ぐに気づくこと
以下、著書を引用しながら見ていきます。
1つ目に挙げられるのは、先生との敏感性の高さです。
愛着関係で大切なことは、子どもの発信に対する敏感性・応答性です。
例えば、乳児がお腹をすかせて泣く→母親が直ぐにミルクをあげる、といったように、子どもの発信にいち早く母親が気づき対応するというものがあります。
これは、何も幼い乳児だけではなく、小学校以降においてもとても重要です。
子どもは何か不安なことがあると、様々な方法でサインを出します。
良い保育者や先生は、そのサインにいち早く気がつき対応します。
これが、「敏感性」のことであり、こうした「敏感性」の高い保育者や先生は、子どもとの間に良い愛着関係を作ることができます。
2.子どもの行動を見守り・励ますこと
以下、著書を引用しながら見ていきます。
児童期以降において、子どもによる活動が活発になるため、子ども自身が行っている活動に関心を示したり、難しい挑戦に取り組む様子を励ましたり、必要な手助けをしたりするといった先生の姿勢、行動も大切になってきます。
子どもたちの行動は年齢が上がるにつれてアクティブになっていきます。
保育者や先生が関わりとして大切なことは、子どもの挑戦意欲を動機づけ励ますこと、そして、子どもたちが取り組んでいることに興味関心を持ちながら見守ることにあります。
愛着機能で大切なものに、「探索機能」があります。
これは、信頼できる大人を安全・安心の基地として、探索活動を行い、探索活動を終えると、信頼できる大人に活動内容を報告することで心のエネルギーを充電させる機能のことを言います。
人は安心できる・戻ってこれる避難所があるからこそ、安心して探索空間を広げ、様々なことに挑戦することができます。
これは、保育者や先生たちにも同様のことが言えます。
つまり、保育者や先生たちが、子どもの安全・安心の基地となることで、子どもの挑戦意欲を引き出すことがともて大切だということです。
3.子どもの自主性を尊重すること
以下、著書を引用しながら見ていきます。
先生にとっては、教室における自律性・自主性をどのように認められるかが先生との関係形成に影響しているようです。
子どもが自分の行動や選択に責任を持って取り組む様子を尊重することは保育者や先生にとって大切です。
もちろん、発達段階によって選択の幅や責任のあり方も変わってきますが、自ら決めた行動に責任を持つということは尊重されるべきことです。
こうした自主性を取る前段階として、自他への信頼がある程度は必要になります。
不安定な愛着の場合には自主的に行動するとトラブルになることも想定されるため、ある程度は必要なサポートや配慮が重要になります。
自分で選択し、うまくいったという成功体験や、自分で選択したが、うまくいかなかった失敗体験など、先生が肯定的に振り返りながら関わっていくことで、先生との間に愛着関係(信頼関係)ができていきます。
以上、保育者や先生が子どもと良い愛着関係をつくる上で大切なことについて見てきました。
保育者や先生が子どもの発信に気づく「敏感性」や、子どもの行動を見守り・励ますこと、そして、子どもの自律性を尊重することが関わる上で大切な視点となります。
こうしたことができるためには、子どもとの濃い共有体験の蓄積、発達段階や発達特性への理解など、多くの経験や知識もまた必要になるかと思います。
著者も療育現場で、様々な子どもたちと(多くは未就学児と小学生)、長年関わってきた経験からも、前述した3つの視点はとても大切だと感じます。
その中で、発達に躓きのある子どもたちは、より個別の理解や配慮が重要になってきます。
私自身、まだまだ未熟ですが、今後も関わり手として、子どもたちと良い信頼関係を作っていけるように、日々の実践からの学びを大切にしていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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遠藤和彦(編)(2021)入門アタッチメント理論:臨床・実践への架け橋.日本評論社.