発達障害とは、ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠如多動性障害)などが主なものとしてあります。
こうした発達障害の特性がありながらも、その特徴が顕著ではなくグレーな状態の人たちのことを「グレーゾーン」と言います。
関連記事:「【発達障害「グレーゾーン」とは何か?】著者の経験を踏まえて考える」
発達障害やグレーゾーンといっても個々に応じて状態像は異なるため、その特徴にも幅があります。
それでは、ASDやADHDなどの発達障害とグレーゾーンに共通している特性や悩みはあるのでしょうか?
そこで、今回は、発達障害とグレーゾーンに共通している特性と悩みについて理解を深めていきたいと思います。
今回、参照する資料は「林寧哲・OMgray事務局(監修)(2020)大人の発達障害 グレーゾーンの人たち.講談社.」です。
発達障害とグレーゾーンに共通している特性
以下、著書を引用します。
●抑制機能障害
刺激に対して敏感で、ささいなことを気にしたり、ひどくこだわったり、小さな刺激に激高したりします。脳の活動性が高まりやすいうえ、その活動をコントロールすることができません。
刺激に対して独特な反応を見せるのも共通した特性としてあります。その内容として、刺激への反応の強弱が定型の人よりも大きいといった印象があります。
人は外界の刺激に対して、無意識的に取り込む量を調整しながら生活しています。
一方で、発達障害やグレーゾーンの人たちは、こうした抑制がうまく働かないことがあり、過剰に反応したり、反応が弱かったり、特定の刺激に強く反応するなど、独特な反応を示します。
例えば、時間や予定などに強いこだわりを示したり、他者の声に直ぐに反応したり、特定の音に強い嫌悪感を見せる一方で他の音には鈍感などがあります。
以下、著書を引用します。
●能力のバランスが悪い
できることとできないことの差が大きいです。発達の凸凹といわれることもあります。本人は、できないことを過小評価しがちです。
発達障害とグレーゾーンの人たちは定型の方と比べると、能力の凸凹が激しいこともまた共通する特性です。
このため、得意な所やそうでないところの差が激しい方が多いといった特徴があります。
人はある程度様々なことをバランスよくこなすことで生活を営んでいます。
発達や能力に凸凹があると、できないところを軽視したり、できないところに気を取られすぎて得意なことに目を向けられないことがあります。
発達や能力の凸凹には、得意な所を自己認識し、苦手な所を周囲の力もかりながら対応することが必要になります。
例えば仕事などで、シングルタスクは得意だがマルチタスクが苦手な方も多いため、決ったやり方やパターンを日々しっかりこなすところの比重を多くし、同時並行作業といったマルチタスク作業を減らすなどのやり方・工夫も必要です。
発達障害とグレーゾーンに共通している悩み
以下、著書を引用します。
●人間関係がうまくいかない
つきあい方へのこだわり、衝動的な発言などによって、対人関係のトラブルが起こります。
ASDの方はそもそも対人関係を苦手としていたり、ADHDの方は考える前に言動に移してしまうなど、どちらも対人関係のトラブルに発展するケースがあります。
発達障害とグレーゾーンの人たちには、このように対人関係に困難さを有することが多くありますが、周囲の理解によってむしろ信頼を強く持たれることもあると言えます。
例えば、ASDの方では、自分の考えを曲げない(良い意味で)ことや、周囲の目を気にせず意見をはっきりと言える方もいます。
また、ADHDの方では、行動力やコミュニケーションを積極的にとる様子などから、社交的な印象を持たれるなど、対人面において特性ゆえに長所となることもあります。
以下、著書を引用します。
●生きづらさを感じる
さまざまな場面で違和感や齟齬を感じたり、叱責されることや後悔が増えたりします。
発達障害とグレーゾーンの方が多く持つのものは、生活上の生きづらさ・困り感です。
周囲との違和感ゆえに、怒られる場面や理解されずに孤立することが多いこともあります。
これは何も障害や特性が強い方が生きづらさを感じやすいわけではなく、少しの違い(グレーゾーンなど)も周囲との違いが漠然としているため、心理的な面で強く生きにくさを感じることがあるように思います。
こうした心理面で自己イメージが負の状態が蓄積されると二次障害へと発展することもあります。
著者は生活の中で生じる困り感・生きづらさに寄り添い、一緒に解決方法を考え、少しでも前進できたなど、人に相談することで解決できたという経験を持つことがとても大切だと考えています。
また、そうした人とのやり取りの中で信頼し合い、励まされた経験は本人の自己肯定感の向上に繋がります。
以上、発達障害とグレーゾーンに共通している特性と悩みについて見てきました。
もちろん、共通する特性や悩みはあるとは言え、より深く見ていくと個別の特性や悩みには当然違いがあると言えます。
一方で、個別のケースも踏まえて、同時に、共通点についても理解を深めていくことは大切だと思います。
今後も、より良い発達理解と発達支援を目指していきながら、日々の現場での実践を大切にしていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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林寧哲・OMgray事務局(監修)(2020)大人の発達障害 グレーゾーンの人たち.講談社.