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【療育の目的を考えることの大切さ】3つのポイントを通して考える

投稿日:2022年4月20日 更新日:

療育に携わる仕事をしていると、その瞬間瞬間に目がとらわれてしまい、そもそも何を目的として行っているのかを忘れてしまうことがあります。

療育現場では、日々、様々な業務や課題があるため、業務や課題に対応するだけで、非常に多くの時間とエネルギーを費やしすことが多くあります。

もちろん、目の前の課題を考えることはとても大切です。

一方で、何のために療育を行っているのかという将来の視点、つまり、目標(ゴール)を意識しないと道に迷うことがあります。

目標は個々に応じて当然異なりますが、療育という広い観点で考えたときに、多くの人に当てはまる目的もあると言えます。

 

それでは、療育の目的にはどのようなことが大切であると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、療育の目的を考えることの大切さについて、臨床発達心理士である著者の意見も交えながら、3つのポイントを通して理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「原哲也(2021)発達障害の子の療育が全部わかる本.講談社.」です。

 

 

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療育の目的について:3つのポイントを通して考える

以下、著書を引用しながら‟療育の目的”について見ていきます。

「社会で生きていけるようになる」ことは、子育てのひとつのゴールと思います。

幼かった子どももやがて思春期を迎え、社会のなかで、それぞれの場所で生きていく。その過程で子どもはさまざまな困難に出会います。

そのとき子どもを支えるのは「私は私でいいのだ」という自尊心と、自尊心に支えられた生きる意欲、生活のなかに楽しみがあること、人に助けてもらいながら困難を解決する力だと私は思います。

 

上記の著書の中には、様々な大切なポイントが3つ見られます。

1つ目は、自分への自信です。

思春期などの困難な時期・そして、社会の中で生きていくためには、一定以上の心のエネルギーが必要です。

心のエネルギーを、療育を通して養うことが重要です。

著者は現在、放課後等デイサービスで学童期の療育を行っています。

その中で、思春期以後の発達を考えて、大人との信頼関係の構築、他児との関わりから得られる自信の構築をとても大切にしています。

 

関連記事:「療育で大切な視点-自己有能感について-

 

2つ目は、興味関心を深め・広げることです。

社会の中で生きていくために、そして、困難なことを乗り越えるためにも、楽しさが生活の中にあることが重要です。

そのために、著者は子どもたちの興味関心を通した関わりに重きをおいています。

また、興味関心は強みにもなります。本人の強みを発見し、伸ばすことも療育においてとても大切だと言えます。

 

3つ目は、人に相談する力・助けをかりる力です。

人は一人の力ですべてをこなすことは不可能です。

特に、発達に躓きがあると、様々な困難さが人生の中に生じることが多くなります。

様々な困難さを理解していきながら、人に頼る力を身につけていくことはとても大切です。

著者は、療育現場で子どもたちが大人と相談してうまくいったという体験を多く持ってもらえるような支援を心掛けています。

 

関連記事:「自閉症療育で大切な視点-社会参加に必要な能力:「自律スキル」と「ソーシャルスキル」-

 

 

著者のコメント

次に、著者の視点から、療育の目的を考えることの大切さについて述べていきます。

社会の中で生きていくためには様々な力が必要です。

それは、前述した、自分に対する自信、楽しみがあること、人に力をかりる力などがあります。

著者は10年程度前に、療育に携わる仕事をはじめました。

当時は、目の前のことに夢中で、子どもたちの将来のことを考える余裕や経験などもない状態でした。

主な仕事内容は、日々のトラブルへの対処、子どもたちの行動の意図や現在の発達段階はどのレベルか(アセスメント)、そして、どのような配慮や支援が有効であるかを考えることが多くありました。

もち、こうした内容は大切ですし、今も取り組んでいますが、どちかというと短期の視点が多かったと思います。

もちろん、長期的な視野を持つことの重要性は頭では理解していましたが、思考が追いついていない状態でした。

それから、10年程度が経過し、少しは経験と知識がついてきました。

そして、最近になってようやく子どもたちの将来について、冷静に考えることができるようになってきました。

子どもたちの将来を考えるようになってようやく、療育の目的とは?といった問いに対する自分なりの様々な答え(考え)が出てくるようになりました。

人間、目的がないとなかなか前進することが難しいと思います。

私自身、これまでの療育経験を踏まえ、療育の目的を考えることで、今どのような関わりが大切なのか、後の発達において今の関わりがどのような意味を持つのか、といった視野の広がりを実感できるようになってきました。

詳細は、前述した療育の目的についても含め、他の記事にも記載しております。

また、今後も記事にしていきたいと思います。

今後も子どもたちへ、より良い発達支援ができように、将来的な展望をもった関わりも大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 


療育に関するお勧め書籍紹介

関連記事:「療育(発達支援)に関するおすすめ本【初級編~中級編】

 

原哲也(2021)発達障害の子の療育が全部わかる本.講談社.

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