発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

成果 療育

療育の成果について-環境調整の大切さ-

投稿日:2022年1月14日 更新日:

 

療育の成果について、どのような働きかけが成果に繋がったのかを特定することは難しいことです。

まず、何を持って成果と言えるのか、そして、成果には様々な要因が絡んでいるからだと言えます。

さらに、成果(変化)にも、短期のものと長期のものなど時間軸の捉えの違いによって見えてくるもの、内容が異なります。

 

そこで、今回は、私自身の放課後等デイサービスでの長期の子どもたちとの関わりからポジティブな変化が見られた例を短期の視点から以下に事例を簡単に紹介したいと思います。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

スポンサーリンク

 

 

療育の成果について-環境調整の大切さ-

Aさんの例→環境調整により他児トラブルが少なくなった例

当時小学校中学年のAさんは、他児との関わりを好む反面、すぐにテンションが上がると他児にちょっかいを出してしまい失敗経験を重ねてしまうことが多いお子さんでした。

当時、私も含めた放課後等デイスタッフは、Aさんの他児と関わりたい気持ちを尊重し、他児との関わりという部分にフォーカスすることが多く、今にして思えばあまり環境調整(それぞれ活動環境を分ける)を行わずに活動していました。

そのため、他児との関わりは多く見られるも、トラブルも頻繁に起こることが多くありました。

もちろん、トラブルから学ぶことも多くありますので、一概に、悪いことばかりではありませんが、トラブルによる子どもたちの失敗経験を積み重ねてしまうことは避けなければいけないと思い環境調整を重視する方向になっていきました。

具体的には、事前の打ち合わせなどでAさんが過ごす活動を想定して、活動スペースを準備しておくこと(活動部屋の設定・パーテーションで仕切るなど)を考え実行しました。

Aさんがその日にやりたい活動を聞き、放課後等デイに着いたら「ここでやろう!」と誘いました。時々、誘いにのらないこともありますが、早めに対応することで誘いにのることが増えていきました。

Aさんは自分が活動する環境が保障されたことで安心して活動を進める様子が増え、また遊びたい他児にも、その活動スペースを基点として誘う様子が増えたため、断れたときにも、以前のように放課後等デイ内をウロウロすることもなく、元の活動(活動場所)に戻る様子が増えていきました。

また、活動空間が分かれているため、Aさんが遊びたい他児を誘う時にはAさんの活動スペースに他児を誘う、他児の遊びに入る際には他児の活動スペースにAさんが入るなど、空間を分けることにより切り替えがうまくできるようになっていきました。

そして、何より、特別な配慮が必要な子どもたちは少しの刺激に敏感に反応するため、環境を整えることで、活動に集中できるといったメリットもあります。

もちろんAさんに対しても環境調整をすることで、刺激に振られる様子が減り、Aさんがやりたい活動に集中できるようになってきました。

そして、以前多くあった他児とのトラブルも減り、失敗経験もだいぶ減ったように思います。

Aさんの事例を振り返ってみると、改めて環境調整の大切さを実感します!

 

 

 


以上、療育の成果について-環境調整の大切さ-について見てきました。

療育では、子どもたちに特別な配慮が必要であるため、事前の環境調整やそれに対する準備が必要不可欠かと思います。

環境を整えることで、子どもたちが不要な刺激を避け、やりたい活動に集中できるなどの効果が期待できると感じます。

今回は1事例を紹介しましたが、こうした環境調整は療育において多くのお子さんに必要かと思います。

今度も、子どもたちが安心して楽しく活動できるように環境調整の視点からも配慮を怠らずに取り組み続けていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

関連記事:「【発達障害児の〝他害″行動への対応方法について】〝環境調整″の視点から考える

 


療育実践で参考になる書籍一覧に関する記事を以下に載せます。

関連記事:「発達障害の支援に関するおすすめ本【初級~中級編】

 

 

スポンサーリンク

-成果, 療育

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

発達支援(回想編):療育施設での三年を振り返る

これまで療育施設での経験について初日の体験から二年目まで振り返って見てきました。 今回は、療育施設での三年を振り返りながら、そこでの学びと課題などについてお伝えしていこうと思います。お伝えする内容は三 …

【子どもの発達をどう理解する?】療育において重要な発達像・状態像の理解について

  療育現場で子どもたちと関わっていると行動の意味がよくわからないことや、この子の状態をどのように理解すればよいのか難しいことが多くあります。 例えば、 他の子と一緒に集団行動が取れないのは …

【療育(発達支援)の成果】人への興味関心の広がりをキーワードに考える

  療育(発達支援)を長年行っていると、子どもたちの成長を実感する機会に多く出会うことがあります。 こうした出会いは、療育(発達支援)の〝成果″を感じる時でもあります。 もちろん、療育(発達 …

発達支援(回想編):療育施設での一年を振り返る

前回、前々回と私の療育施設での経験を振り返ってきましたが、今回はその後の一年間を振り返りながら、療育施設での学びや課題などをお伝えしていこうと思います。 一年間、療育施設で過ごすと、クラスの子どもたち …

療育は何のために行うのか?-療育の目的について再考する-

  療育(発達支援)には、非常に様々な大切な視点があります。 例えば、子どもの発達に関する理解や様々な支援方法、二次障害の予防と対応、保護者支援、地域支援、チーム支援など、上げればきりがない …