発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

発達支援 発達理解

なぜ療育現場で理論や知識の活用が難しいのか?その原因について考える

投稿日:2020年8月8日 更新日:

日々の療育現場で子どもたちと関わっていると、子どもたちの成長を感じる場面や何か新しいことに挑戦する姿、信頼関係の深まりを感じるなど、ある意味、療育の成果ともいえる場面に出会うことがあります。

私の中ではこうした子どもの変化に喜びを感じながらも、なぜそのような変化が生じたのか、その変化にはどのような意味があるのかなど、他者に伝わる言語で語り説明できる力が専門家には必要であると感じています。

こうした力を獲得するためには、理論や知識を学び活用することが重要だと思います。

そして、こうした力はまだまだ私自身に不足している所でもあるため、追い求め続けています。

今回はなぜ療育現場で理論や知識の活用が難しいのかその原因について私の療育経験とその中での学びからお伝えしていこうと思います。

①経験的に判断する

これは療育現場では最も多いのではないかと思います。そして、経験的判断は非常に大切だからです。

しかし、経験的判断のみを重ねてしまうと、他の視点や新しい考えなど実は非常に面白い考えなどを取り入れる機会を失ってしまうように感じます。

また、取り入れたくても、何から学んでいけばいいのかなど、日々の業務の多さからその時間を確保し、その中でさらにどういった情報にアクセスすればいいのかなど悩むことも多いかと思います。

まして、理論や知識の重要性を実感したことのない場合であるとさらに難しさは倍増すると思います。

私の中では、自分の経験では判断できないことは、理論や知識に頼ることで、理解や支援の幅が広がった、深まったという実感があり、それにより迷いが消えた、気持ちが軽くなったことがこれまで多くありましたので、理論や知識を学ぶ意味は徐々に理解できるようになってきていると思います。

大切なことは、理論や知識を得ることで他者と共通認識(共通言語)を持てる要素が増えるということです。さらに、こうした認識が進み経験と掛け合わさることでその力は非常に高まると思います。また、なぜ?という問いも増えると思います。

療育現場で、子どもたちの成長や変化、そして、問題行動だとされている背景の意味を理論や知識からの視点で考えることは楽しい作業でもあります。私自身、理論や知識を学ぶことで日々の現場に非常に厚みが出てきているという実感がありますので、今後も継続して学んでいきたいと思っています。

②理論や知識が意味を持つのに時間がかかる

なんでもそうですが学んだものが形になるのには時間がかかります。特に知識の活用などは、絶えず進化・変化するため、常に考え続けるという姿勢が重要になると思います。

経験においては、おそらく日々の業務の繰り返しで体積される部分は多くなるため、経験側的判断はその中から自ずと鍛えられると思いますが、理論や知識は意識的に取り入れていかないと難しいかと思います。これはあくまでも私のこれまでの経験を通して言えることですが・・・。

私自身もまだまだ学びの途上ですが、理論や知識を吸収し学び続ける過程は非常に楽しい作業だと実感しています。

すぐに成果がでるものではないと思いますので、今後も、時間をかけながら学んでいきたいと思います。

以上が、療育現場に理論や知識を取り入れることの難しさについての私の個人的な見解になります。

現場の経験からの問いや発見などを理論や知識で深堀りしていくことは非常に楽しい行いだと思いますし、人の深い理解にも繋がると思います。

今後も日々の現場での経験と理論や知識からの学びを掛け合わせながら、より良い発達理解と発達支援を目指していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサーリンク

-発達支援, 発達理解

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

発達支援の現場で大変な子供に関わり続けることの意味

発達障害など、発達につまずきのある子供たちへの理解と支援は個々に応じて非常に多様であると現場での経験を通して感じます。 その中で特に難しい子供は、関係性の構築が難しい、多動・衝動性が高く落ち着きがなく …

発達支援の現場において後輩との関わりについて考える

発達支援など対人支援に関わる現場で、人と人とが意思疎通をはかりながら共同で取り組んでいくことは、問題解決の場面やより良い職場を作っていくことにおいて大切です。 私自身も発達支援という現場において、他の …

発語のない子どもたちとの関わりを通して学んだこと

私は以前、療育施設で発達につまずきのあるお子さんたちを支援する仕事をしていました。 障害の程度も様々でしたが、比較的障害が重いお子さんたちが多く、医療的なケアが必要なお子さんたちもいました。 そうした …

療育現場に理論や知識を取り入れることの面白さについて考える!

現場で発達につまずきのある人たちと関わっていると、様々な気づきを得られることがあります。 そして、現場での経験値が増えてくると、経験から次の行動のヒントになることや新たな問いや疑問点なども多く出てきま …

チームで支援するときのリーダーの役割について発達支援の現場から考える

発達支援の現場で様々な人たちと協力して支援を行うことは大切です。 その中で、リーダーの存在は複数の人をまとめるためにも、支援の方向性を作る上でも非常に重要です。   そこで今回は、発達支援の …