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【境界知能と思ったら取るべき対応】悩みの相談先について考える

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境界知能″とは、〝知的機能が平均以下であり、かつ「知的障害」に該当しない状態″の人たちのことを指します。

IQ(知能指数)で言うと、70~84のゾーンに当たります(71~85と記載されている文献もあります)。

〝境界知能″の人たちは、発達障害や知的障害の人たちと比べて、支援を受けにくい現状に置かれていると言われています。

 

それでは、境界知能と思ったら、まずはどのような機関に相談すれば良いのでしょうか?

 

そこで、今回は、境界知能と思ったら取るべき対応について、悩みの相談先について理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「梅永雄二(2024)教師、支援者、親のための境界知能の人の特性と支援がわかる本.中央法規.」です。

 

 

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【境界知能と思ったら取るべき対応】悩みの相談先について考える

以下、著書を引用しながら見ていきます。

私は、境界知能の可能性がある人はまず知能検査を受けることが大事だと考えています。

 

著書の内容から、境界知能の可能がある場合には、まずは、知能検査を受けることが重要だと言えます。

知能検査を受けることで、現状、知的障害に該当するのか?あるいは境界知能に該当するのか?といった状態像の理解に繋げていくことができます。

仮に、知的障害に該当した場合には、療育手帳の取得によって、様々な支援を受けることが可能になります。

一方で、境界知能の場合だと、手帳の取得は難しく、また、支援の対象になりにくいことがあります。

 

 


それでは、境界知能の場合には、次のステップとして、どのような機関に相談していけば良いのでしょうか?

以下、引き続き著書を引用しながら見ていきます。

医療・福祉よりは、教育・就労の窓口のほうが長期的な支援につながりやすいかもしれません。

 

二次障害が出ている場合には、最初から医療機関に相談しましょう。

 

著書の内容から、既に〝二次障害″の症状が見られている場合には、医療機関への相談それ以外においては、教育・就労の窓口への相談を考えることが長期的な支援の受け続ける上でも大切だと記載されています。

境界知能の人たちは、学校では勉強の躓きが見られること、就労では仕事がうまくいかないといった課題が多いため、教育関連・就労関連の窓口へのアクセスが必要だと言えます。

一方で、医療機関は病気や障害のある人が対象になること、福祉関連は障害の判定を受けている人のサービスの検討が主な対象であるため、具体的な支援に直結することが難しい場合があるとされています。

 

 

教育関連の相談窓口について

以下、著書を引用しながら見ていきます。

教育関係の窓口として第一に挙げられるのが「学校」です。

 

学校以外では地域の「教育センター」や「教育相談センター」に相談するものよいでしょう。

 

著書の内容から、教育関連の相談窓口として、まずは〝学校″、学校以外では〝教育センター″や〝教育相談センター″などがあると記載されています。

学校は非常に身近な存在であり、勉強や進路に関する相談を比較的しやすいと言えます。

勉強に関しては、障害の診断を受けてはいないが〝合理的配慮″を受けられることもあると言われています。

教育センターや教育相談センターの方がより専門的なアドバイスを受けられる可能性がありますが、設置数が少ないため身近に存在していないこともあります。

大切なことは、どこかの機関とまずは繋がり、早期からの支援に繋げていくことだと言えます。

 

 

就労関連の相談窓口について

以下、著書を引用しながら見ていきます。

障害があるかどうかが不明な場合はハローワークなどの総合的な窓口を利用し、知的障害や発達障害の可能性が感じられる場合には、地域障害者職業センターや医療機関などの専門的な窓口を利用するのがよいのではないでしょうか。

 

著書の内容から、就労関連の相談窓口として、まず上げられるのが〝ハローワーク″です。

ハローワークは、障害の有無を問わず、就労に関する様々な相談を受けつけています。

また、ハローワークを通して、他の相談先に繋いでもらうことも可能です。

一方で、障害がある場合には、地域障害者職業センターや医療機関などに相談するのが良いと考えられています。

大切なことは、成人期のライフステージにおいて、支援が途切れてしまうことを防いでいくことだと言えます。

 

 


以上、【境界知能と思ったら取るべき対応】悩みの相談先について考えるについて見てきました。

境界知能への対応もまた、他の障害と同様に、早期発見・早期支援が重要だと言えます。

そして、生涯にわたってサポートを得られる状態を作っていくこともまた必要だと言えます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も境界知能の人たちへの理解を深めていきながら、自分にできる取り組みを整理していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【境界知能の人に見られやすい3つの課題について】療育経験を通して考える

 

 


境界知能に関するお勧め書籍紹介

関連記事:「境界知能に関するおすすめ本【初級編~中級編】

 

 

梅永雄二(2024)教師、支援者、親のための境界知能の人の特性と支援がわかる本.中央法規.

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