発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

療育 発達支援 遊び

発達支援(遊び編):「カラーボール遊び」

投稿日:2020年7月10日 更新日:

私が以前いた療育施設には、カラーボール(プラスチック製)という様々な色のボールが非常にたくさんありました。

療育施設ではカラーボールを使った遊びなど実際にやられているところが多いかと思います。私もこれまで関わってきた、療育現場においてよく見るものの一つでもあります。

そこで今回はこのカラーボールを使用した遊びについて、療育現場での体験を振り返りながらお伝えしていこうと思います。

カラーボールを使用した遊びと言えば定番なのが「ボールプール」です。感覚統合療法にもよく使用されるものかと思います。

「ボールプール」とは、文字通り、カラーボールを大量に何かに入れてプールを作ります。何かとは、うちの療育施設では、巧技台で仕切りを作りその中にカラーボールを入れることが最も多かったと思います。巧技台以外にも、ビニールプールなどを使用しました。

巧技台であれば、深さを台の高さに応じて調整できるので、深いボールプール、浅いボールプールなど遊びの幅が増えます。

ボールプールは子どもたちがその中に入ることでボールから伝わってくる刺激を得ることができます。感覚が鈍感なお子さんには、刺激を入れるという意味で非常に好まれる遊びです。また、ボールの色が様々ですので、視覚的にも子どもの注意を惹きます。

私がいた療育施設でも人気の一つで、子どもたちは「ボールプール」を見るとすぐに入ろうとします。潜って遊ぶ子、お風呂のように浸かる子、足だけ入れてみる子など、入り方も様々です。

「ボールプール」遊びの中でよくやったものに「サーフィンごっこ」というものがあります。これは、子ども数名が乗れる大きさで、ある程度弾力性のあるマットを使用することで、マットをボールの上で簡単に動かすことができます。

「サーフィンごっこ」をする時には、巧技台などで仕切りを広めに取り、カラーボールを浅く敷き詰めることが重要です。そうすることで、移動スペースが広く確保でき、また、深さを浅くすることで、マットなどを動かしやすくすることができます。子どもたちはこの「サーフィンごっこ」を、他児と一緒に乗るなどしてとても楽しんでいました。

また、「ジャンプごっこ」にも使いました。名前の通り、ボールプールめがけてジャンプするという遊びです。巧技台で高めに仕切りを作り、深いブールを作ります。そうすると子どもたちの中には喜んでジャンプして飛び込む子どももいました。

また、滑り台を巧技台に設置すると、滑り台をすべった先にボールプールがあるため、何かにめがけて滑るという楽しさや、飛び込んだ時の感触が非常に刺激的です!私も子どもたちと一緒に滑ることで、その楽しさを実感しました。

他のカラーボールの用途として、「トランポリンに入れる」という方法があります。

トランポリンの弾力でボールも一緒に飛びます!先ほども言いましたが、色がカラフルなので、様々な色のボールが飛ぶと見ていてとても楽しいです。

子どもたちの中には、トランポリン単独ではあまりやろうとしない子どもでも、カラーボールを入れることで乗りたがる子もいました。

また、非常にシンプルですが、クラスや中庭などにカラーボールをたくさん出して遊ぶということもよくやりました。

これまでカラーボールを何かに入れるといった遊びに対して、部屋などその空間をそのまま利用してしまうという方法です。

大人が大きめのマットなどでカラーボールをブルドーザーのように集めながら前進すると、子どもたちは大喜びで見たり、逃げ回ります!特に天気の良い日に中庭でやると大人もテンションが上がります!

その他、カラーボールの使用として、的当てゲームや玉入れ競争、色当てゲームなど、多くの遊びで使用しました。

こうした遊びは事前に準備したものも多くありますが、ある瞬間のひらめきで数分で用意して取り組んだものもあり、何が子どもたちにヒットするのかはやってみないとわからないことがたくさんあります。

このようにその材料の活かし方は工夫次第で色々あるのだと実感します。そして、色々と試行錯誤を繰り返していく中で、子どもたちがハマれる遊びを発見していくことがとても大切なのだと思います。

今後も材料の活かし方、発展の仕方など、遊びの面から子どもたちの発達をサポートしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサーリンク

-療育, 発達支援, 遊び

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

様々な視点から子どもの発達を考える:支援上大切にしていること

発達障害という用語が社会的に広がり始めている中で、愛着障害など生育環境に関する書籍なども多く見られます。 私自身、発達支援の現場に8年以上携わっており、その中で様々な書物を読んだり、研究を通して人への …

療育の成果について-他害行動について-

療育の成果について、どのような働きかけが成果に繋がったのかを特定することは難しいことです。まず、何を持って成果と言えるのか、そして、成果には様々な要因が絡んでいるからだと思います。 さらに、成果(変化 …

【療育(発達支援)に意味はあるのか?】療育(発達支援)の意味について再考する

著者は、発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育(発達支援)を、これまで10年以上にわたり行ってきています。 以前は、療育(発達支援)を行うことの意味がよくわからないほど、自身の取り組みに対して …

発達支援(回想編):療育施設での三年を振り返る

これまで療育施設での経験について初日の体験から二年目まで振り返って見てきました。 今回は、療育施設での三年を振り返りながら、そこでの学びと課題などについてお伝えしていこうと思います。お伝えする内容は三 …

【療育を通して感じる子どもたちの成長の要因とは何か?】6年間の関わりから学んだこと

著者は、長年、発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育をしています。 最近あった大きなエピソードとして、著者が小学一年生の頃から見ていた子どもたちが無事に卒業を迎えたというものです。 6年前を振 …