〝読み書き障害(ディスレクシア)”とは、学習障害の中の「読む」「書く」という特定の能力の障害です。
英語では、ディスレクシア(dyslexia)といいます。
「読み」の障害あれば「書き」の障害も見られることが一般的な特徴です。
読み書き障害の特徴として、知能は正常であり、学習環境にも問題がないなどいくつか判断基準があります。
教育現場でもまだまだ理解が足りない所も多く、研究領域においても途上であると言われています。
それでは、読み書き障害は、子どもの頃からどのような特徴があると考えられているのでしょうか?
そこで、今回は、読み書き障害について年齢別に見られる特徴を見ていきながら、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。
今回参考にする資料として、河野俊寛著「読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A」を参照していきたいと思います。
読み書き障害(ディスレクシア)について:年齢別にみる具体的な特徴
それでは、年齢別に見られる読み書き障害の特徴についてお伝えしていきます(以下、著書引用)。
年長児:文字学習に関心を示さない、絵本に関心を示さない、しりとり遊びができない
小学校1・2年生:一文字一文字読む(逐語読み)、文末を適当に自分で変えて読む(勝手読み)、とばし読みがある、似た文字を間違う(「ぬ」と「め」、「わ」と「ね」)、鏡文字を書く、カタカナが覚えられない、音読の宿題をいやがる、漢字の宿題をいやがる
小学校3年生以降:単語や文節の途中で区切って読んでしまう、黙読が難しい、特殊音節(「ちゅ」「しょう」「がっ」など)が正確に書けない、音が同じ助詞を間違う(「へ」と「え」、「は」と「わ」、「を」と「お」)、濁点や半濁点が抜ける、句読点がない文になる、ひらがなばかりの文を書く、漢字の読み書きがほとんどできない
中学校以降:英語の習得が難しい(リスニングはできることがある)、試験で点数がとれず学習意欲が持てない
以上が、年齢別に見られる読み書き障害の特徴になります。
著者の体験談
次に、著者の身近に見られる読み書き障害の疑いのある事例について見て行きます。
ここで仮にAさんとします。Aさんは成人男性です。
Aさんは、読み書き障害(ディスレクシア)の診断を受けたことはありませんが、上述した内容から自分がその特徴と似ていると感じています。
まず、小学校に上がる前には、文字にほとんど興味を示すことなく、絵本などを見ても“これは何て読むの?”といった質問などする様子はなく、文字への関心はほとんど見られず、絵を中心に楽しんでいました。
小学校に入学してからは、教科書を読むのが非常に苦痛であり、読むことそのものに非常にエネルギーを使っていました。
学校の勉強はどの教科も読みが中心であるので、勉強嫌いが少しずつ増し、教科書の読みを先生から指名されることを非常に緊張していました。
そのため、何度も読みの練習をする必要がありました。
読み間違えやとばし読みも多く、学年が上がり漢字の量と文章量が増えると絶望的な気持ちになっていきました。
読みができなと、当然、書くことは難しいため、作文などどうやって乗り越えてきたのかを思い起こすことができません。
中学校以降に、英語の学習が本格化してくると、さらに負担感と勉強嫌いは加速していきました。
ここで挙げたAさんの内容はほんの一部ですが、先ほど紹介した読み書き障害に見られる年齢別の特徴に非常に該当していると言えます。
ちなみに、ここまで読んで察した人もいるかもしれませんが、Aさんとは筆者のことです。
私自身、読み書きの困難さを常に抱え続けてきました。
こうした特徴に気づいたのも比較的最近になってからです。
そのため、周囲がスラスラと文章を読んだり、文章の内容を理解している様子を見ると相当努力しているのだと勝手に思い込んでいました。
当然練習など努力の部分もあるかと思いますが、私の場合は学習の大半を音読に費やしていました。
音読に関しては、徐々に克服してきましたが、書きに関してはタイピングでないと難しいです。
それは、文字を思い出すのに時間がかかるからです。
一方、パソコンのおかげで、こうして文章を書けるようになり、書くことに楽しさを見出すことがその後の学びの中で、少しずつではありますができるようになっていきました。
読み書きは、全ての学習の中心になります。
幼い頃に勉強が嫌いにならないような取り組みを、発達支援に関わる人たちは行っていくことが重要だと、自己経験を振り返って見ても強く感じます。
私自身も自分の経験から読み書きにおいて、大切だと思う点や学習方法など有益な情報を今後も発信していこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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河野俊寛(2012)読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A.読書工房.