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太田ステージから見た社会性の発達段階について考える

投稿日:2020年8月10日 更新日:

療育(発達支援)の現場にいると、友だち関係の構築・維持が難しい子ども、人を意識して行動することが難しい子ども、人を意識することが難しい子どもなど様々な子どもたちがいます。

人は、人との関係の中で‟社会性”を身に着けながら社会に適応していきます。

‟社会性”に関しては発達段階があると言われています。

 

それでは、社会性の発達段階にはどのような過程があると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、太田ステージから見た社会性の発達段階について理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「立松英子(2011)発達支援と教材教具Ⅱ 子どもに学ぶ行動の理由.ジアース教育新社.」です。

 

 

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社会性について

社会性”とは「人を意識して行動すること」など様々な定義があります。

それは、自分とは異なる存在への気づきから始まり、さらに、自分とは異なる相手の動きを予測して、相手の立場を想像することで、場面に応じた社会的行動が形成されていきます。

 

関連記事:「【〝社会性″とは何か?】療育で〝社会性″を育てるために大切なこと

 

 

社会性の発達段階について:太田ステージを通して考える

〝社会性”の発達段階について、以下、太田ステージの各ステージの特徴について見ていきます(太田ステージについて詳しくは、「【太田ステージから見た発達段階について】療育経験を通して考える」に記載しています)。()内は定型児の発達段階になります。

 

StageⅠ(0~1歳半頃):笑う・泣くなど周囲に快不快が伝わる初期の段階から、要求がある時には大人の手をクレーンのように使いそちらに向ける「クレーン現象」が見られる段階、指差しや身振りなどで要求を伝え、大人とある対象を共有するという共同注意(人の見た方を見る)などが見られる段階までがこの時期になります。
StageⅡ(1歳半~2歳頃):繰り返している言葉なら理解が可能であり、人の表情を見ながら行動する段階です。また、わざと叱られる行動をして他者を試す様子もこの段階には見られます。人との関係は大人が中心であり、友だち意識はあっても子ども同士の遊びには発展しません。
StageⅢ‐1(2歳半前後):友だちに関心が向き、友だちへの発信も増えてくる段階です。友だちの名前を覚えたり、〇×の記号の意味も理解できるようになるため、個別や集団で褒められると喜びを感じます。簡単な社会のルールならわかりますが、臨機応変さまだ難しい時期になります。
StageⅢ‐2(3歳~4歳のはじめ頃):周囲を見ながら行動したり、言葉で行動を仕切り直すなどが可能な時期になります。この段階になると教員一人で数名に指示を与えて行動を促していくことが可能とされています。また、友だち関係で優劣を気にしたり、勝ち負けにこだわる様子も出てきます。「順番を待つ」「役割を交代する」などもできるようになります。
StageⅣ以上(4歳以上):大人の指導の後に、子ども同士で活動ができるようになったり、ルールへの理解が高まる時期になります。また、人への気遣いや、役割の意識をもった自発的な行動、他者と協力して何かを成し遂げることも楽しめるようになります。

 

 


以上が、太田ステージから見た社会性の発達段階になります。

社会性の発達は定型児では気づいたら次の段階、気づいたらさらに次の段階という感じで進んでいきますが、障害のある子どもたちはその進み方に非常に個人差があります。

著者がこれまで関わってきた子どもたちも、個人差が非常にあったため、子どもたち一人ひとりの発達段階を理解するために、上記の太田ステージの段階を抑えておくことで、子どもたちの社会性の育ちの輪郭を捉えるのに非常に役立ったと感じています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も、子どもたち一人ひとりの育ちに寄り添い、そして、支えていきながら、人への理解を深めていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

関連記事:「【社会性の発達段階について】人の社会性はどのような発達過程を辿るのか?

 

 


参考となる書籍の紹介は以下です。

関連記事:「発達障害の〝社会性″に関するおすすめ本5選【中級編】

 

 

立松英子(2011)発達支援と教材教具Ⅱ 子どもに学ぶ行動の理由.ジアース教育新社.

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