発達障害者への支援には、様々な取り組みがあります。
例えば、ソーシャルスキルトレーニング、ライフスキルトレーニング、認知行動療法、アサーショントレーニング、アンガーマネジメントなどがあります。
私自身、福祉・教育の現場に長年携わり、大学では心理学・臨床発達心理学などを専攻してきました。
その中で、発達障害者への支援において何が大切であるのかを考え続けてきました。もちろん、今も日々考えています。
今回は、発達障害者への支援において大切なこととして、コミュニティの持つ重要性からその意味をお伝えしていこうと思います。
今回は5つのポイントに分けてお伝えしていきます。
①コミュニティの中で人との繋がりを感じる
最も重要であると言えます。
発達障害者の方は、社会の中で孤立するケースが多くあります。人との繋がりの中で得られる安心感や楽しさなどをできるだけ早期のうちに感じる経験がとても大切です。
そのためには、様々なコミュニティの存在が重要で、その中で、自分を理解してくれる、良い助言や見守りなどをしてくれる人の存在も大切になってきます。
つまり、自分に合った(自分を理解していくれる)コミュニティを探し、見つけることが重要になります。
②コミュニティの中で自分を知り・他者を知る
コミュニティには様々な人がいます。
他者の存在があることは、自分の存在の気づきにもなりますが、発達障害の方の中には、自分や相手を客観視することを苦手としている人も多くいます。
こうした苦手さは発達特性なども影響しています。
コミュニティの中で、人との違いを感じる経験を持つことは、他者への理解・自己への理解の認識に繋がります。
③コミュニティの中で自分のスキルは活かされる
スキルトレーニングには、様々なものがありますが、最終的には、コミュニティなど、社会の中で活用・実践できることがとても大切です。
スキルは実践し般化できてこそ、意味があります。
そういった意味で、スキルを発揮するコミュニティの存在と、コミュニティの中でどのように活かしていくのかを学習することが重要です。また、スキルを活かすための継続的な学習も大切です。
④コミュニティの中で自分の役割を感じる
人は何かに貢献したいという欲求があります。
コミュニティの中で、自分にできること、自分が他者やコミュニティに貢献できることを探すことはその後の成長や日々の充足感に繋がります。
発達障害の方は、発達特性など得意不得意などに偏りがあります。
こうした特性への理解を進めることは、自分の強みや弱みの発見に繋がります。自分の中での強み(小さなことでも良い)を発見し、それを磨いていけば、自分にできること、貢献できることが見つかってくるかと思います。
重要なのは、長いスパンをかけて、小さなことから少しずつでいいということです。
⑤コミュニティの中で自分を成長させる
人には自分を成長させていきたいという欲求があります。
こうした成長欲求が、コミュニティの中で活かされると、人はさらにモチベーションを高く保ち、より進歩的で挑戦的な行動にでることができます。
そのためには、小さな成功体験を重ねていくことが大切です。
以上、発達障害者への支援において、コミュニティの持つ重要性からその意味をお伝えしてきました。
①~⑤まで、すべてを実行し実感できることは簡単ではないと思いますが、私が見てきた方の中で、以上の要素を多く持っている方は、うまくいっているように思います。
今後も、より良い発達理解と発達支援に向けて、頑張っていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。