発達障害に対する社会への関心が高まっています。
みなさんの身近にも発達障害のある方、あるいは、その疑いのある方がいるかもしれません。
発達障害とは一体どのようなものであるのか?
発達障害のある方についてどのような理解が必要なのか?
発達障害児・者支援に携わっている人(携わろうと考えている人)がまずは何から学んでいけばいいのか?
など、様々な悩みや疑問を持たれている方も多いと思います。
そこで、今回は、長年、発達障害児・者支援の現場に携わっており、多くの書籍を読んできている臨床発達心理士である著者が選ぶ〝発達障害に関するおすすめ本8選【初級~中級編】″を紹介してきたいと思います。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、発達障害への理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~8の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.知的障害/発達障害のある子の育て方
初心者にも分かりやすい知的障害・発達障害のある子の育て方に関する本です。
知的障害や発達障害に関する基礎的な知識に加え、将来を見据えた関わり方、保護者がもつ家庭での役割、様々な困り事への対応方法などが紹介されています。
図やイラストが豊富なため文字が苦手な方にもお勧めです。
2.あなたの隣の発達障害
精神科医・医学博士の〝本田秀夫さん″が書かれた本になります。
発達障害と言えば〝本田秀夫さん″といってもいいほど有名な方です。
この本では、大人の発達障害(ASD・ADHD)が取り上げられています。
序盤では発達障害に関する特性についての説明が分かりやすく書かれており、中盤~後半では、仕事における困り事と対応方法がケースごとに紹介されています。また、就労に関する支援方法なども併せて紹介されています。
大人の発達障害について、特に就労関連について理解をしたい方にはお勧めです。
3.発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族たち」
再び〝本田秀夫さん″の本になります。
この本では、自閉スペクトラム症(AS)+注意欠如多動症(ADH)の人たちの特性が事例も含めて記載されています。
これまで、自閉症だと○○の特性、ADHDだと○○の特性といった内容が多かった中で、発達特性の重複や強弱が豊富に紹介されています。
発達特性の重複や強弱を知ることで、漠然とした生きづらさを抱えている人たちの理解を深めることができるためお勧めです。
4.発達障害
この本ではASDやADHDについての基本的な知識に加えて、発達障害と天才性、映像記憶や共感覚といった驚異的な能力についても紹介されています。
後半には、発達障害への支援についても記載されおり、特にお勧めなのが、ASDとADHDの共通点と相違点について考察がある点です。
5.公認心理士のための「発達障害」講義
これまで紹介してきた本とは異なり資格向けの本となっています。
そのため、職業柄、発達障害児・者支援に携わる方に特にお勧めです。
発達障害の定義や症状の特徴、心理職の役割、ASDの理解と支援についての概要などが豊富に記載されています。
6.知的障害と発達障害の子どもたち
知的障害と発達障害は併存する割合が高いと言われています。
一方で、両者の併存をどのように理解していけばいいのか?どのように対応していけばいいのか?について書かれた本は少ないのが現状です。
本書を通して、知的障害と発達障害の関連性について分かりやすく理解することができます。
新書本で手に取りやすく、また、内容も初心者の方にも理解できるものであるため非常にお勧めです。
7.マンガでわかる!発達障害の子どもとの接し方
精神科医の〝岡田尊司”さんの本になります。
発達障害の〝特性”について、漫画を通して非常に分かりやすく解説されています。
また、様々な〝特性”に関しての対応策も載っています。
発達障害についての知識の概要、そして、よく見られる〝特性”とその対応について理解を深めたい方、中でも、子育て中の方にとてもお勧めできる本です。
8.発達障害大全 「脳の個性」について知りたいことすべて
その名の通り、600ページ近くもある辞典のような本です。
しかし、内容は発達障害について初心者の方でも読める内容になっています。
著者の編集者・ライターである〝黒坂真由子”さんが、13人の専門家と当事者に対してインタビュー形式で話を進めているものになっています。
そのため、様々なジャンルについて、その道のトップの方の知見が集約されています。
タイトルにある通り、脳の個性の多様性について理解を深めたいすべての方にお勧めできる本です。
関連記事:「発達障害に関するおすすめ本【中級~上級編】」
関連記事:「自閉症に関するおすすめ本【初級~中級編】」