発達障害に対する社会への関心が高まっています。
みなさんの身近にも発達障害のある方、あるいは、その疑いのある方がいるかもしれません。
発達障害とは一体どのようなものであるのか?
発達障害のある方についてどのような理解が必要なのか?
発達障害児・者支援に携わっている人(携わろうと考えている人)にとって必要な専門的な知識(現場で役立つもの)とは何か?
など、様々な悩みや疑問を持たれている方も多いと思います。
そこで、今回は、長年、発達障害児・者支援の現場に携わっており、多くの書籍を読んできている臨床発達心理士である著者が選ぶ〝発達障害に関するおすすめ本5選【中級~上級編】″を紹介してきたいと思います。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、発達障害への理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.子どもから大人への発達精神医学―自閉症スペクトラム・ADHD・知的障害の基礎と実践
発達障害領域では大変有名な〝本田秀夫さん″が書いた本になります。
書籍の内容としては、自閉症スペクトラム障害、ADHD、知的障害についての基礎的な知識、そして、治療や支援についての知識を学ぶことができます。
実際に発達障害児・者の支援に携わっている方にとっては非常に参考になる点が多くあると思います。
〝本田秀夫さん″が書いた本を読んでさらに専門的な知識を得たいと考えている方、発達障害について分かりやすく専門的な知識を学びたいと考えている方にお勧めです。
2.公認心理師・臨床心理士のための発達障害論:インクルージョンを基盤とした理解と支援
タイトルにある通り、公認心理士・臨床心理士を目指す方にとってとても役立つテキストになっています。
内容としては、発達障害の基礎、ライフサイクルに沿った心理支援、心理支援の可能性について記載されています。
資格を問わず、発達障害児・者の支援に関わっている福祉・教育・医療従事者の方にとっても現場での実践に活かすことのできる豊富な知識を学ぶことができるためお勧めです。
3.関係からみた発達障碍
この書籍は日本の発達心理学者である〝小林隆児さん″が書いた本になります。
タイトルにある通り、この本では、〝関係″をキーワードに、〝関係″から発達障害や自閉症をどのようにして捉えるのかが記載されています。
自閉症をはじめとした発達障害を他者との関係の中で捉えることで見えてくる新しい視点を学ぶことができます。
臨床の現場の中で、当事者の方と関わる中で感じる様々な自他の思いについてその構造や身体性が持つ大切さを知りたい方にとって多くの示唆を与えてくれる本です。
医療・教育・福祉の領域で実際に発達障害児・者と関わりを持つすべての方に参考になる本です。
4.関係の病としてのおとなの発達障碍
3で紹介した本と同じく〝小林隆児さん″著の本になります。
この本では、3と同じく〝関係″がキーワードになっています。
そして、その中で、おとなの発達障碍が取り上げられている点が特徴です。
大人の発達障碍を理解する上で大切な視点は、子どもの頃の親子関係にあり、著書では、すべては親子の〝関係″をみることから始まると強調されています。
大人の発達障碍について興味のある方、そして、〝関係″の視点から大人の発達障碍についての理解を深めたいと考えている方にお勧めです。
5.発達障害のサイエンス 支援者が知っておきたい医学・生物学的基礎知識
この書籍では、疫学研究・遺伝子研究・脳画像研究・薬物療法などのサイエンスの知見から、発達障害への理解を深める内容になっています。
最新の研究知見を分かりやすく説明しているため、実際に現場で発達障害児・者と関わる支援者にとっても理解できる内容かと思います。
発達障害の医学・生物学的な知識を学びたいと考えている方にお勧めです。
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