発達障害には自閉症、注意欠如/多動性障害、学習障害、発達性協調運動障害などがあります。
これらの障害は、個々によって違いがあります。例えば、障害特性の持つ強弱や他の障害との併存などによって状態像が変わってきます。
今回は私自身の現場での体験をベースに発達障害の方々が非常に多様であるということを簡単にではありますが書いていこうと思います。
私自身、発達障害の方と現場で初めて関わったのが10年以上前になり、学生の時のボランティア活動で特別支援学級での生徒たちとの関わりになります。
当時は自閉症に非常に興味があり、文献なども読みながら何かできることはないかと模索していました。その中で自閉症傾向の強い男子生徒との出会いがありました。彼はテレビCMに強い関心があり、その内容をホワイトボードに繰り返して書くことが好きでした。そして、彼の持つ独特な世界観に私が入り込む(私が彼がやっていることを真似るなど)ことで、彼は私に少しずつを興味を示すようになりました。1~2年の関係の中で彼からの遊びへの誘いかけや困ったときに助けを求めてくるようになりました。
この経験がベースとなり、私は自閉症の方が持つ独特な世界観やその世界観を共有することで関係性やコミュニケーションが促進されるということを体感したように思います。
その後も、多くの当事者の方々と関わる機会がありましたが、中にはわかりにくいタイプのお子さんも多くいました。
典型的なわかりにくさとしては、他の障害との併存がある場合です。例えば、自閉症、注意欠如/多動性障害、知的障害など様々な疾患が併存しており、その中での強弱もまばらなタイプです。文献などを調べてみても障害の併存に関するものは少なく(これからの研究に期待できる点ではあるかと思いますが)、なかなか参考にできるものはないので、現場感覚が大切になってくるかと思います。
その際に、重要なポイントは生活の困り感を発達特性などと関係づけながらアセスメントすることだと思います。例えば、すぐに他児に手が出てしまうのは衝動性の強さかもしれません。いつもの順番と違うとパニックになるのは自閉症の特性でもある見通す力の弱さかもしれません。繰り返される行動の背後には、生まれながらにもっている発達特性が影響している可能性がありますので、まずはそのことを観察してみる必要があるかと思います。また、支援においては長期的な視野を見据えての取り組みが必要かと思います。
困り感など少し話がマイナスな内容になりましたが、プラスの面でいうと、例えば、自閉症の方々では興味のあることに対して非常に高い集中力を発揮して取り組み続ける様子も多く、例えば、折り紙やお絵かきなどの制作遊びを黙々とやり続け非常にクオリティの高い作品を完成させることがあります。また、注意欠如/多動性の方は様々なことに関心を持ち、高い行動力を発揮するということでチャレンジ精神がある方も多くいます。興味のレパートリーなどは人それぞれかと思うますし、内容によってはある程度の制限やルールなどを設ける必要があるかと思いますが、重要なのは彼らの興味関心などを保障する環境だと思います。
今後、研究や実践などが進む中で障害とそうでない人との区別がなくなり、すべてが個性して捉えられるように自分にできること考え、日々行動し学んでいこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。