
私が以前いた療育施設には、カラーボール(プラスチック製)という様々な色のボールが非常にたくさんありました。
療育施設ではカラーボールを使った遊びなど実際にやられているところが多いかと思います。私もこれまで関わってきた、療育現場においてよく見るものの一つでもあります。
そこで、今回はこのカラーボールを使用した遊びについて、療育現場での体験を振り返りながらお伝えしていこうと思います。
※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。
発達支援(遊び編):「カラーボール遊び」
カラーボールを使用した遊びと言えば定番なのが「ボールプール」です。
感覚統合療法にもよく使用されるものかと思います。
「ボールプール」とは、文字通り、カラーボールを大量に何かに入れてプールを作ります。何かとは、うちの療育施設では、巧技台で仕切りを作りその中にカラーボールを入れることが最も多かったと思います。巧技台以外にも、ビニールプールなどを使用しました。
巧技台であれば、深さを台の高さに応じて調整できるので、深いボールプール、浅いボールプールなど遊びの幅が増えます。
ボールプールは子どもたちがその中に入ることでボールから伝わってくる刺激を得ることができます。
感覚が鈍感なお子さんには、刺激を入れるという意味で非常に好まれる遊びです。また、ボールの色が様々ですので、視覚的にも子どもの注意を惹きます。
私がいた療育施設でも人気の一つで、子どもたちは「ボールプール」を見るとすぐに入ろうとします。潜って遊ぶ子、お風呂のように浸かる子、足だけ入れてみる子など、入り方も様々です。
「ボールプール」遊びの中でよくやったものに「サーフィンごっこ」というものがあります。
これは、子ども数名が乗れる大きさで、ある程度弾力性のあるマットを使用することで、マットをボールの上で簡単に動かすことができます。
「サーフィンごっこ」をする時には、巧技台などで仕切りを広めに取り、カラーボールを浅く敷き詰めることが重要です。そうすることで、移動スペースが広く確保でき、また、深さを浅くすることで、マットなどを動かしやすくすることができます。
子どもたちはこの「サーフィンごっこ」を、他児と一緒に乗るなどしてとても楽しんでいました。
また、「ジャンプごっこ」にも使いました。
名前の通り、ボールプールめがけてジャンプするという遊びです。巧技台で高めに仕切りを作り、深いブールを作ります。そうすると子どもたちの中には喜んでジャンプして飛び込む子どももいました。
また、滑り台を巧技台に設置すると、滑り台をすべった先にボールプールがあるため、何かにめがけて滑るという楽しさや、飛び込んだ時の感触が非常に刺激的です!私も子どもたちと一緒に滑ることで、その楽しさを実感しました。
他のカラーボールの用途として、「トランポリンに入れる」という方法があります。
トランポリンの弾力でボールも一緒に飛びます!
先ほども言いましたが、色がカラフルなので、様々な色のボールが飛ぶと見ていてとても楽しいです。
子どもたちの中には、トランポリン単独ではあまりやろうとしない子どもでも、カラーボールを入れることで乗りたがる子もいました。
また、非常にシンプルですが、クラスや中庭などにカラーボールをたくさん出して遊ぶということもよくやりました。
これまでカラーボールを何かに入れるといった遊びに対して、部屋などその空間をそのまま利用してしまうという方法です。
大人が大きめのマットなどでカラーボールをブルドーザーのように集めながら前進すると、子どもたちは大喜びで見たり、逃げ回ります!特に天気の良い日に中庭でやると大人もテンションが上がります!
その他、カラーボールの使用として、的当てゲームや玉入れ競争、色当てゲームなど、多くの遊びで使用しました。
こうした遊びは事前に準備したものも多くありますが、ある瞬間のひらめきで数分で用意して取り組んだものもあり、何が子どもたちにヒットするのかはやってみないとわからないことがたくさんあります。
このようにその材料の活かし方は工夫次第で色々あるのだと実感します。そして、色々と試行錯誤を繰り返していく中で、子どもたちがハマれる遊びを発見していくことがとても大切なのだと思います。
今後も材料の活かし方、発展の仕方など、遊びの面から子どもたちの発達をサポートしていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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