様々な職場環境において、自分には何ができるのか?何が得意なのか?などについて考えたことがある方も多いかと思います。
私自身、発達支援の仕事の中で、自分には何ができるのか?と自問自答していた時期がありました。
当時の自分は指導員という立場で療育現場に携わっており、その現場で他の専門職の方と連携していく中で、他の専門職の業務を見ながら、自分が身に着けたい専門性とは一体何であろうか?と考える機会が多くありました。
当然、指導員としての業務はある程度決まった形であります。ですが、私は自分にはこれができる、これが詳しい、といったことが業務以外の観点でも作りたいという思いがありました。
そこで、今回は、発達支援の現場で多職種連携の視点から自分の役割について考えてきたことをお伝えします。
著者の経験談:多職種連携の視点から
私の職場には、指導員や保育士といった直接子どもたちとの関わりを中心とした職種以外に、看護師や作業療法士、栄養士などより専門性に特化した人たちも働いていました。
私の職場は療育施設でしたが、非常に様々な障害のあるお子さんたちが通園してきていました。ですので、ニーズも一人ひとり非常に多様です。
そのため、様々な専門職が手を組み連携していくことが大切になります。
私も指導員という立場として、多くの専門職の人たちと情報共有を行い、子どもたちのより良い理解と支援に携わってきました。
指導員という職種も非常に多くの業務があります。
業務内容として、クラス一人ひとりに合わせた支援を行うことで、それは、遊びを通した主体性を引き出す関わりであったり、食事やトイレなどの生活面での支援もあります。
また、保護者や他の職員との情報共有も重要な業務です。私も直接保護者の方と話すことも多くあり、また、電話での対応なども毎日のようにありました。
こうした指導員という業務を深めていくことにも当然価値はあります。
私が多職種連携の中で、自分の役割をより深く考えるようになったのは、他の専門職の人たちには、それぞれのバックボーンがあり、それをベースに考えを述べていることが多く見受けられたからです。
そうした考えを聞いていると、どういった視点から述べているのかということをより公言できるようになることで、様々な子どもたちの理解が進むのではないかと考えるようになりました。
つまり、私自身も他の専門職の方と情報を共有していく上で、経験からくる主観的な内容について話すことも大切だと感じながらも、どういった視点から子どもたちを理解しようとしているのか説明する能力が問われているのだと感じました。
これは多職種とうまく連携していく上で大切な能力だと思います。
そこで次に、私が実行した内容についてお伝えします。
私は自分の役割を考える上で、自分の興味関心の強化と、以前学んでいた学問に関連づけながら子どもたちの理解を深めていこうと考えました。
以前学んでいた学問は、心理学、臨床発達心理学です。
自分の興味関心は、言葉の発達とは?遊びの発達とは?などが仕事の中からすぐに思い浮かびました。
つまり、興味関心について(現場での疑問と表現もできますが)、自分が以前学んでいた領域から何が言えるのか?あるいは、それと近い学問領域から何が言えるのか?を徹底的に探し考えました。
結論を先に言いますと、自分の興味関心を掘り下げることはもっとも物事を理解する上で効率的であり、数年後には、発達的な視点を大切にした理解や支援についての思考や発想がだいぶ身に付いてきたと実感しています。
正直なところ、福祉の業務はやることが多いため(言い訳の部分もありますが)、勉強時間や思考する時間の確保が難しいところがあります。
ですので、興味関心がないと学びを持続するのが難しいと思います。
また、ある学問領域をベースとすることで、自分の立ち位置が明確になり、そのほうが他の視点に対して寛容に受け止めることもできるかと思います。
私は心理学や臨床発達心理学などを学んできましたが、最終的に身に付いたは、知識を吸収しただけでは浅く、やはり、現場の経験と掛け合わせた理解をしていくことだと感じます。
そのため、これまで学んできたことを踏まえて新たな知識を学びアップデートしていくことが大切になります。
こうした思考錯誤の繰り返しの先に、自分ができること・詳しいこと・得意なことが徐々に見つかり、自分の役割としての立ち位置がより明確になるのではないかと思います。
私の場合には、前述した内容を繰り返すことで、例えば、言葉の発達、遊びの発達、認知の発達などについて何となく詳しい人と見られることも増え、他の職員から質問されることも増えました。
こうした細かい所の積み重ねが後々自分の専門性をより強化できる、あるいは自分の得意なところを伸ばすために必要なことだと思います。
今後、多くの職種が連携しながら働くことが当たり前になっていきます。そうした中で、自分が得意とすることなどをしっかりと公言できることが重要であると感じます。
そうした中で、自分の役割を見出していくことは、ある種、オリジナリティを身に付けることでもあります。
私の場合は指導員という立場に、心理学や臨床発達心理学などの知識を掛け合わせながら、少しずつ専門性を強化している段階です。
まだまだ道半ばですが、今後も、自分ができること、得意な点などを強化していきながら、発達支援の現場に関わっていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。