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発達支援の現場で多職種連携の重要性について考える

投稿日:2020年6月3日 更新日:

最近は福祉や教育、医療において連携という言葉を耳にすることが増えてきました。

その中には、チーム学校など「チーム」という言葉が使われる場合もあります。

発達支援の現場においても多職種連携は非常に大切であり、まだまだ未成熟な面も多いかと思いますが、支援を受ける側の様々なニーズに対応するためには必要不可欠であると感じます。

私自身、療育施設に勤務していたときに、多職種連携の重要性を感じる機会が多くありました。

今回は、発達支援(療育)の現場での多職種連携の重要性について、療育施設での経験をもとにお伝えします。

 


最初に、療育施設での多職種連携を考える上で、どのような専門職の方がいたのかをお話していきます。

私は、今から4~5年前に療育施設に勤務しており、未就学児を対象とした療育をしていました。

登園していたお子さんは多様であり、食事・トレイ・着脱の介助(部分介助~全介助まで)が必要なお子さんから、運動発達遅滞のお子さんなど、例えば、装具や移動用の座位保持椅子などを使用しているケースもありました。

私は児童指導員という立場で働いていました。指導員や保育士以外にも、看護師や作業療法士、栄養士、医師が一緒に働いていました。

姿勢や運動に関しては、作業療法士の方が実際に療育に入りながら、実践しながらアドバイスをしています。

医療的ケアに関しては、看護師の方が、服薬時や給食時などを中心に、活動に入りながらいろいろと健康面や体調面に関してアドバイスをします。

給食など食に関しては、栄養士の方が、バランスの良い給食を考えたり、クラスの子たちが好きな食事を工夫してつくります。

怪我や病気への対応、健康診断などは医師の方が対応します。ここでは、看護師の方と一緒に行われることが多いです。

こういった専門職の方は、実際に活動に入る機会も多くあり、ある意味、保育士や指導員という役割を部分的に担っていることもあります。

私は、指導員という形で、クラスのすべての療育に携わりながら、前述した専門職の人からの助言をヒントに、人ひとりのニーズに合った療育を考えるという立場でした。

つまり、クラス担任として、他の職種の方と連携を取りながら(情報の共有や今後の支援策を考えるなど)、保護者の方とも情報を共有するということで、子どもたちの情報を非常に多く持っている立場ともいえます。

 


次に、私が多職種の方との関わりの重要性を感じたことについて、運動と食事面からお伝えしていこうと思います。

運動につまずきのあるお子さんに対してどういったサポートが必要なのかは、主に作業療法士の方が重点的に行います。

私自身、初めは姿勢や運動に関してどのような点に注意をしていけばいいのかほとんどわからない状態でしたので、作業療法士の方から教えてもらいながら慎重に実践していたことを思い出します。

実践内容として、子どもたちにあった遊びの設定(環境調整)や、その時の姿勢などを考えていくというものです。

例えば、安全面で遊具の設置場所や固定がしっかりしているか、マットの位置は大丈夫か、ブランコに乗せるときの子どもの姿勢はその子に合っているかなど、取り組むべきことは多くあります。

こうした実践を通して、運動発達への理解や、様々な活動をするときの適切な姿勢や、その姿勢維持のための補助器具の工夫など、まさに一人ひとりに合わせた支援が必要なのだということを現場から学びました。

姿勢や運動の情報共有として、年に4回行われる個別支援計画の作成と評価の際に、密に情報共有されます。

こうした日々の実践と個別支援計画の作成や評価などを繰り返すことで、姿勢や運動への理解と支援が他の専門家の力を借りることで深まったと感じます。

食事に関しは、栄養士や看護師、作業療法士など多くの専門職の人たちが関わってきます。

看護師や作業療法士の方は、子どもたち一人ひとりに合わせた椅子や食器などの工夫、そして、ペーストやきざみ食など食形態も子どもたちの噛む力、飲み込む力などに応じて変えていきます。

栄養士の方が、こうした食形態も併せて、その日に必要な栄養バランスを考えた食事メニューを考え作ります。

食器一つとっても、使いやすいものでないと、食べることに集中できません。使いにくいと、子どもはイライラしたり、スプーンで食べられる発達段階であっても手づかみになることがあります。

こうした食事に関する情報の共有は給食会議で定期的に情報共有されます。自分からクラスの子どもたちの様子を伝えることで、自分が足りていない点やわかってきた点などが少しずつ整理されてきたと思います。

 


以上を踏まえて、私が療育施設において、専門職の方の重要性を感じたことを一言で表現すると、以下の内容がふさわしいかと思います。

「子どもたちのニーズを考え、私が知らない有益な情報(経験や知識)を伝えてくれ、より良い療育のために一緒に考えてくれるということだと思います。」

この頃からだいぶ月日が経ちますが、今後は、私自身、自分の経験と知識を他の人に伝えていけるように、専門性とは何か?といったことを絶えず自分の中に問いかける姿勢を持ち続けたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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