皆さんの中には、発達障害のある人たちあるいは発達につまずきのある人たちへの支援を仕事とされている方もいるかと思います。ざっくり言ってしまうと人と関わる仕事です。
対人支援など人との関わりを業務の中心としながらも、それ以外の雑務や事務関係の仕事、そして、対人支援もなかなか問題解決が見えない中での試行錯誤が多く、業務としての負担は多いかと思います。そして、業務時間の多くは人と関わる時間の多さから感情的な疲労度も多いかと思います。
一方で、相手や仲間から感謝された、保護者からも感謝の言葉を頂いた、相手の生活の質が向上した体験を感じた、子供の成長を実感した、人への理解や支援効果の気づきがあった、他の職員と仕事を通じて達成感を得たなどやりがいやいい側面も多くあるかと思います。
今回は、今後の発達支援に関わる仕事がより良い職場になるために、私のこれまでの経験をもとにしていきながら、発達支援に携わる仕事の課題について考えみたいと思います。ここでの課題は私がこの課題が解決できたら、発達領域の仕事がもっと面白くなる、そして、負担感が減るなどポジティブな課題設定から考えてみようと思います。
今回取り上げる課題内容のキーワードとして、①成果のアウトプット、②労働負担のシェアについて考えていこうと思います。ちなみに、①と②は互いにリンクしてきます。
まず、①成果のアウトプットについてですが、療育現場で何をもって成果が出たのかを考えることは非常に難しい問題だと思います。非常に簡単な成果として、その日を事故なく無事に終える、活動内容が楽しく子供たちが満足して帰れるというものがあるかと思います。
もう少し難易度を上げると、活動や子供たちの行動をより深く分析し次の活動へと繋げるための戦略や方向性を考えるなどがあるかと思います。つまり、深い考察を加えながら最終的に次何をしていくかというアウトプットまで考えることが重要になります。そして、保護者の満足度も重要な指標になります。
さらに、難易度を上げるともっと長期的なスパンで子供たちの課題の分析や○○できるようになるといいのではという思考や具体的な取り組み内容、そして、長いスパンでの活動内容の工夫です。活動内容の工夫としては、その環境でできる新しい活動の提案、子供たちが過ごしやすい、わかりやすい環境の構造化などがあるかと思います。長期的なスパンまで想定したアウトプットの視点です。
他に事務の効率化や他の職員との情報共有の効率化やより良い連携への工夫などもあるかと思います。
ここで一つ考えていきたいことは、上記の内容は今の職場でも部分的には現在進行形で取り組んでいることですが、こうした視点意外にも、成果のアウトプットを組織への貢献度という軸で考えるということも大切になるかと思います。
例えば、無事に事故なく楽しく子供たちと活動ができた背景にも職員によって関わった子供たちや役割などで非常に異なる動きが出てくるかと思います。その日、非常に大変な対応を任された人とそうでない人とでは、結果として、その日楽しく無事に過ごせたという結果(成果のアウトプット)だけでは評価できないものも多く含まれているかと思います。
ここで②労働負担のシェアという考えも重要になってくるかと思います。その日、同じような業務をしていても一人ひとり労働負担は違うものになります。こういったことは、療育現場ではあまり重きを置かれることは少ない印象がありますが、私の感覚から言いますと、やはり、同じ時間働いても個人差が非常に生じているのではないかと感じます。それは、経験値にもよるかと思います。
その意味で、組織への貢献度という評価軸がより可視化されれば、もっとフェアな働き方ができるのではないかと感じます。フェアな働き方とは、大変さがある人に業務の負担が集中しない、あるいは、集中してもお互いがその状態を理解できており、正しく評価されていることだと思います。
つまり、大変な仕事や負担感を背負った人たちがもっと適正に評価されることで、そこを担う人のモチベーションの維持や向上にも繋がるのではないかと思います。
ここで、私は業務の大変さを担う人が偉い・凄いといいたいのではなく、あくまでも貢献度という適正な評価方法があれば、多くの人がよりアクティブに働くのではないかという問題提起です。
アクティブな行動が促進されることで、一人ひとり自分ができること、得意・不得意などは異なるという相互の理解が進み、より良いチームや支援ができるのではないかと思います。
少し偉そうな表現にも聞こえたかもしれませんが、発達領域に携わる人がこの仕事にやりがいや価値を見出せるように、そして、日々楽しく業務に携わることができるように、今後も自分が思いつくことを情報発信していこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。