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療育の成果について-自分の気持ちを伝えられるようになった-

投稿日:2022年1月10日 更新日:

 

療育の成果について、どのような働きかけが成果に繋がったのかを特定することは難しいことです。

まず、何を持って成果と言えるのか、そして、成果には様々な要因が絡んでいるからだと言えます。

さらに、成果(変化)にも、短期のものと長期のものなど時間軸の捉えの違いによって見えてくるもの、内容が異なります。

 

そこで、今回は、私自身の放課後等デイサービスでの長期の子どもたちとの関わりからポジティブな変化が見られた例を長期の視点から以下に事例を簡単に紹介したいと思います

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

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療育の成果について-自分の気持ちを伝えられるようになった-

Aさんの例→自分の気持ちを伝えられるようになった

当時小学校中学年のAさんとはAさんが小学校低学年の頃から関わりがあり、低学年の頃は、自分の思いへの気づきが弱く(言葉にする力)、不安なことがあるとかんしゃくを起こすことが頻繁にありました。

そのため、まずかんしゃくが起きないように事前に環境調整することを試みました。

例えば、ある他児と同じ空間にいるとかんしゃくの頻度が増す場合には両者の環境を分けるなどです。また、できるだけ特定の大人をつけることで信頼関係を作ること、楽しい経験の共有を作り、気持ちの共有を促しました。

その他、その日の予定を最初に伝えること、その中で、本人との要望を予定の中で組み込んでいきながら、気持ちが不安定になった際には、ストレス発散の方法を一緒に考えるなどの取り組みを継続して行ってきました。

しかし、Aさんのかんしゃくの頻度は少なくなってきたものの、不安になると室内をウロウロするなどまだ自分の気持ちを他者に伝えることが難しい状態が続きました。

そこで私は、Aさんが普段紙に文字を書くのが好きなことを思い出し、不安な時には何が嫌だったのか、何がしたかったのかを紙に書くように促しました。紙を渡されたAさんは、自分の気持ちを必死に書いて伝えてくれました。

不安なときに口頭でのやり取りにこだわっていた私も、他のツールによってうまく表現できるのだと実感できた瞬間でした!

この日を境に、私はAさんが不安になると紙にその気持ちを書いて伝えることが増え、伝わったことで気持ちを切り替える様子が増えました。

今では、不安な時には紙で自分の気持ちを伝えることが多いですが、口頭で伝える様子も増えてきているように感じます。

 

 


以上、療育の成果について-自分の気持ちを伝えられるようになった-について見てきました。

こうしたAさんの変化は、大人側が絶えずAさんの気持ちを理解しようとその努力を惜しまず様々な方法を試したことにあるかと思います。

また、普段の遊びを中心とした関わりを通して、信頼関係を基盤とした様々な気持ちの共有を行ってきたからだと思います。

昔、ある大学の講義で、コミュニケーションとは①伝えたい人がいること、②伝えたいことがあること、この2点が大切であるといったことを思い出しました。

今回の事例では①の伝えたい人がいることが長期の関わりからの信頼関係を築いてきたことに相当し、こうした関係性が長期の関わりにおいて非常に大切であったと思います。

そして、②の伝えたいことがあることは、気持ちを言葉にする力(①とも関連)、そして、その言葉をどのような方法(今回は紙で)で伝えるのかに相当するかと思います。

療育の成果を捉えるためには、日々の子どもたちの変化をよく観察し、変化の要因を分析し、それを他のスタッフと共有していくことが大切かと思います。

こうした観察とその行動内容を分析し、他のスタッフと情報を共有していくことを長期のスパンで繰り返していくことで、子どもたちの変化が少しずつ言葉によって繋がれていくのだと感じることがあります。

もちろん子どもたちの変化は療育だけではないので、療育の成果と特定することは難しいのですが、今後も、少しでも子供たちにポジティブな変化を与えていけるように、日々の実践を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 


療育実践で参考になる書籍一覧に関する記事を以下に載せます。

関連記事:「発達障害の支援に関するおすすめ本【初級~中級編】

 

 

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-成果, 療育

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