療育の成果について-放課後の居場所の大切さについて-

Aさんの事例→ストレスを発散できる場所になった例

当時小学校高学年のAさんは、私が所属している放課後等デイサービスに小学校低学年の頃から通っているお子さんで、以前は、どちらかというと、一人でゆっくり読書や感触遊び（粘土）などをして過ごす様子が多くありました。

しかし、高学年になったAさんは、遊びの様子がガラッと変わり、特定のスタッフとボール遊びや戦いごっこなど、アクティブに過ごす様子が増えていきました。

さらに、特定のスタッフから→他のスタッフへ→他の子どもたちへと関われる人も増えていきました。今では仲の良い友だち集団ができ、その友だち同士での遊びをとても楽しみしています。

こうした変化を遂げたAさんですが、その保護者の方から「学校で嫌なこと、大変なことがあっても、ここ（私が所属している放課後等デイサービス）にくるとストレス発散ができると本人が言っていました。」と嬉しいお言葉を頂きました。

私はAさんにとって、放課後等デイサービスが安心できる環境に加え、気分をポジティブに変えることができる楽しい場所なのだと思い、改めて放課後の過ごしの意味を深く考えさせられるきっかけになりました。

Bさんの事例→友だちが増えた例

当時小学校中学年のBさんは、小学校中学年頃から私が所属している放課後等デイサービスに通い始めたお子さんです。

学校ではほとんど友だちがいないこともあり、友人を求める気持ちも強く、その一方で、友人を遊びに誘って断れたショックが強く、その場合には「自分なんていなくなればいい」などと、被害的な受け止め方をしてしまう様子が多くありました。

しかし、徐々に仲の良い友人も増えていき、今では、数名の友だち集団での戦いごっこを何よりも楽しみにしています。誘い方も上手になり、断れた場合でも、以前のように被害的になることもほとんどなくなりました。また、「ここ（私が所属している放課後等デイサービス）にずっと通いたい！」と話すようになりました。

私はBさんの事例から、放課後デイサービスでは、学校では関わることのできない友人のネットワークを繋ぐことができる（あるいはその可能性をもっている）のだと実感することができました。